2019年06月09日

◆ ユーグレナ詐欺に朝日が加担

 ユーグレナの詐欺に、朝日新聞が紙面を提供している。詐欺師に加担するわけで、ほとんど犯罪的行為だ。

 ──

 朝日新聞が特集コラムの形で、ユーグレナ社の社長にインタビューした記事を掲載している。社長の独演会という形で、詐欺師の言葉を大々的に紹介しているわけだ。


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 一部抜粋しよう。
 私たちはミドリムシや廃食油でバイオ燃料をつくり、航空機や自動車を動かす計画を進めています。
 ただ、値段が高い。ざっくり言うと、1リットル当たりで石油由来の燃料は 150円ですが、ミドリムシなどでつくるものは現状では1万円します
 ミドリムシを利用したバイオ燃料の研究への投資が進めば、あっという間に1リットル=150円になります。スマートフォンは10年で普及しましたが、今の世の中は1年や半年でいい方へパタッと向かいます。
 今は「ミドリムシの燃料で飛ぶ航空機に乗るなんて気持ち悪い」と言う人がほとんどだと思いますが、絶対に変わります。5年で「燃料って昔からミドリムシだったんじゃないの?」と言われるようになりますから。
( → ミドリムシで空を飛ぶ? コストの壁、越えれば巨大市場:朝日新聞

 主張の趣旨は、次の通り。
  ・ ユーグレナ(ミドリムシ)は、環境に良い。
  ・ 環境重視は、世の中の流れだ。それに乗っている。
  ・ なるほど、今は1万円/L と、コスト高だ。しかし……
  ・ 投資が進めば、すぐに1リットル=150円になる。
  ・ あと5年で劇的に改善する。


 要するに、こうだ。
 「理想を掲げながら、数字をゴマ化して、嘘八百のホラを信じさせたあげく、大金を巻き上げる」
 これはまあ、詐欺師の話法そのまんまですね。

 ──

 詳しく説明しよう。
 まず、理想を掲げて、名分を大きく示す。これはまあ、詐欺師の常道ではあるが、罪ではない。環境保護派は、たいていが自分を正当化して、誇大に宣伝するが、それはまあ、仕方がない。世の中の宣伝や、印象操作というのは、そういうものだ。
 そもそもテレビの CM というのが、ただの事実の列挙ではなくて、印象操作であるにすぎない。美人・美男のタレントを見せて、商品を良く見せかける……というふうな。





 こういう印象操作は、別に、犯罪ではないし、咎めるほどのことでもない。
 しかし、数字をいじるような操作は、明らかに嘘や捏造のたぐいであり、犯罪的である。日本政府は、そういうことをよくやるので、朝日は批判するが、ところが朝日自身が、そういうことに加担している。
 以下では列挙しよう。

 (1) 石油価格

 記事では石油価格として、「1リットル=150円」という数字を出しているが、これは次の意味で嘘である。
  ・ 1リットル=150円というのは、ガソリンの価格。
  ・ その数字には、ガソリン税(53.8円)が含まれる。
  ・ ガソリンの価格は高いが、灯油の価格は低めだ。
  ・ ユーグレナで作るのは、灯油である。


 灯油をつくっているのに、ガソリンの価格(しかもガソリン税込みの価格)を掲げるのだから、インチキというしかない。
 正しくは、(ガソリンでも灯油でも)「価格は1リットル=100円」である。「150円」ではない。数字を偽ってはいけない。

 (2) 航空機用の燃料? 

 ユーグレナ社はしばしば「航空機用の燃料を作る」と言う。こう聞くと、「航空機用の燃料は、ガソリン燃料よりも高価な、特別な燃料だろう」と思う人が多いだろう。しかし、違う。航空機用の燃料は、灯油の一種で、ケロシンである。
 ジェット燃料は天然の原油を精製して得られる成分を主体に構成し、市販されている灯油やガソリンに幾分近い性質を備える。
 含まれる留分成分により「ケロシン系」と「ワイドカット系」の二つに大別される。原油からの常圧蒸留の過程で得られる留分の内、ケロシン系はほぼ灯油留分から作られるのに対して、ワイドカット系は灯油留分に加えて、さらに比重が軽くガソリンの元ともなる重質ナフサ留分と軽質ナフサ留分が含まれる。
( → ジェット燃料 - Wikipedia

 ケロシンを主成分として、灯油、ジェット燃料、ケロシン系ロケット燃料などの石油製品が作られる。灯油は成分的にはほぼケロシンだ。
( → ケロシン - Wikipedia

 ユーグレナは藻の一種のミドリムシからつくる航空機向け燃料を2020年までに実用化する。
 ミドリムシから搾った油を米国で精製した液体の組成は石油を原料とするジェット燃料のケロシンと同じだ。
( → ミドリムシ燃料を20年実用化 ユーグレナ、航空機向け :日本経済新聞

 この意味でも、価格の比較対象は、灯油であるとわかる。その価格は、おおざっぱには「1リットル=100円」であるが、実際には、それをいくらか下回る価格となっている。「1リットル=80〜90円」と見なすのが妥当だろう。
 したがって、ユーグレナが石油を作れるというのなら、この価格までコストを引き下げる必要がある。

 (3) コストは下がるか? 

 では、コストは下がるか? ここが重要だ。
 記事では、非常に楽観的な予想が述べられている。「研究の投資が集まれば、急激にコストは下がる」というふうに。しかし、そんなことは原理的にありえない。
 そもそも、現状では「1万円」と「 100円以下」という大差がある。この差を埋めるには、一挙にコストを 100分の1以下にまで引き下げる必要がある。そんなに急激なコストダウンなど、できるはずがない。
 そもそも、ユーグレナ社の研究は、( 2005年の創業前の研究も含めて)これまで 15年以上もなされている。それでいて、いまだに 100倍以上のコスト高だ。
 比喩で言えば、15年かけて、富士山の1合目のそのまた 10分の1に達しただけだ。なのに、このあと5年だけで、一挙に富士山の頂点にまで達するという。……これはホラでしかありえない。それも、誰も信じないような、空々しいホラだ。荒唐無稽というレベルだ。

 (4) 効率

 ではどうして、コストがかかるのか? 単に投資が足りないからか? 大量生産していないので、生産効率が低いからか?
 違う。ここでは、生産の方式そのものが非効率なのである。その理由は、下記項目で詳しく説明した。
  → ユーグレナは詐欺か?: Open ブログ

 要するに、ミドリムシの生体と油分との混合物は、あまりにも処理が面倒なので、そこから油分を生成するのに、莫大なコストがかかるのである。ここで、コストがかかるというのは、単に金がかかるという意味ではなくて、莫大なエネルギーが必要だということでもある。
 例示的に言えば、ミドリムシで油分を1グラム得るためには、1グラムの油分と10グラムのカスから、1グラムの油分を分離するために、精製装置を動かす。その精製装置を動かすために、50グラムぐらいの油分を必要とする。つまり、1グラムの油分を得るために、50グラムぐらいの油分を消費しなくてはならない。結局、油分を得れば得るほど、失う油分が大きくなる。

 これと似たことを言えば、「ヘボな仕事」と言える。似た例を示そう。
 「1枚の絵を仕上げるのに、1万円分の画材を使用したが、売れた絵の価格は 200円だけ」
 「松阪牛やトリュフなど、1万円分の材料費をかけたが、できた料理は 200円でしか売れない」
 このような「ヘボな仕事」では、多額の費用をかけたすえに、ごく小額の価値のあるものを生み出す。
 ユーグレナの製造もそうだ。1グラムの油分を取り出すために、50グラムの油分を消費して、(混合物から)精製する。得られる油分よりも、精製のために必要な油分の方が 50倍も多い。
 こういうことがあるから、現在のユーグレナの製造コストは、市販品の 100倍以上になる。
 そして、この問題は、投資の金を出して大量生産したところで、どうしても解決できないのだ。この問題は、画期的な技術開発でも起こらない限り、原理的に解決不可能なのである。

 (5) ホラ

 ユーグレナのコスト高の問題は、原理的な問題であって、実質的には解決不可能である。
 にもかかわらず、真実を隠蔽して、「解決可能です。5年後には解決できます」というふうに嘘をつく。
 ずっと前から同じような嘘をつき続けているので、いい加減、オオカミ少年であることがバレつつある。
 「 2020年には、ジェット燃料の製造を実用化します」
 なんて言っているが、実証用の小規模プラントが細々と稼働しているだけであって、実用段階の商用プラントは建設さえもされていない。嘘がいよいよバレつつある。
 「2020年にバイオジェット燃料を使った日本初の有償フライトを実現し」
 なんて言っているが、その量は限られている。
 バイオディーゼル燃料を含め年間 125キロリットル(ドラム缶およそ625本分)の燃料を製造する。
( → バイオ燃料プラント完成 ユーグレナが横浜に - - 産経

 これが実現するかどうかも疑わしいが、仮に実現したとしても、年間で ドラム缶およそ 625本分だから、1日にドラム缶2本にも満たない。これでは商用レベルには遠く及ばない。
 これは、「効率を無視すれば、かろうじて生産することだけはできます」ということを示しているだけだ。で、実際に生産はできるかもしれないが、できたとしても、莫大な赤字を垂れ流す。年間 125キロリットルということだから、年間で
   125×1000×100= 1250万

 となり、年間 1250万円の販売額であるにすぎない。( 100円/リットル の前提で。)
 一方で、その製造コストは 100倍以上だから、12.5億円以上の製造コストをかけている。莫大な赤字を垂れ流しているわけだ。
 ま、そんなことをやると、倒産してしまうだろう。だから、実際には、プラントはほとんど稼働させないと思う。最初のころに少しだけ稼働させて、「ほら、稼働しましたよ。実際にユーグレナでケロシンを作れましたよ」と見せかける。
 そういうふうに見せかけだけをやって、あとは実際には稼働させることはあるまい。それが詐欺師の常道だからだ

 (6) 詐欺

 とはいえ、そうやって見せかければ、だまされる人も出てくる。そこで、大々的に宣伝して、「環境のために投資してください」と言い募る。
 こういうふうにして金を集めることこそ、ユーグレナ社の本業である。つまり、
 「嘘をついて、投資のための金を集める」
 というわけだ。ただし、金を集めても、実際の投資に向ける分は少ない。金の大部分は、自転車操業と、自分たちの人件費のために消えてしまう。
 これは、スルガ銀行・レオパレスと同じ原理の詐欺である。
  → スルガ銀・レオパレス/ゴーン: Open ブログ

 (7) 朝日新聞の加担

 ユーグレナのやっていることは、スルガ銀行・レオパレスと同じである。嘘をついて、投資のための金を集めたあとで、実際には赤字の事業の運転資金に回す。それというのも、この事業は本質的に黒字にはならない、虚業だからだ。黒字にはなりそうもない事業を、黒字になると見せかけて、当面の運転資金を集める。
 そして、最終的には破綻に至る。ただし、それまでには自分が退職してしまえば、生涯ではうまく逃げ切ることができる……というわけだ。
 で、そのためには、協力してくれる人がいると好ましい。自分の詐欺を何としても正当化してくれる人がいるといい。そこで、うまく加担してくれるのが、朝日新聞だ。
 朝日新聞は、「環境のため」と言えば、何でも協力してくれる。そこでユーグレナ社は、朝日新聞に申し出て、「環境のためという自社の方針を宣伝してください」と頼んだのだろう。
 そういう詐欺師の口車に乗せられて、紙面に堂々とインタビュー記事を掲載するのが、朝日新聞だ。「環境のために善をなしている」と信じながら。……(詐欺師にだまされる阿呆の常だが。結婚詐欺師にだまされる女に似ている。)

( ※ もしかしたら、朝日が記事を掲載したのは、大きな広告を出してもらうことの見返りかもしれない。近日中に、朝日にユーグレナの巨大広告が掲載されるかもね。その巨額の広告費のかわりに、ユーグレナ社の社長インタビューを掲載した、と考えるとわかりやすい。要、注目。)



 【 関連項目 】

 → ユーグレナは詐欺か?: Open ブログ
 → ユーグレナのエネルギー効率: Open ブログ
 → 東大総長が詐欺会社を賛美: Open ブログ
posted by 管理人 at 14:46| Comment(0) | エネルギー・環境2 | 更新情報をチェックする
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