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夜間の照明(ヘッドライト)をつけるときは、なるべくハイビームにするべきだ、と言われる。ロービームでは、歩行者を照らす機能が弱いので、事故を起こしやすいからだ。
とはいえ、自動車のハイビームはまぶしい。特に、すれ違うときに、対向車にとってまぶしい。そういう難点がある。
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そこで、この難点を解消するハイテク技術をトヨタが開発した。回転式ミラーを使うことで、対向車のいる領域(空間)だけを遮蔽する(光が届かないようにする)というもの。
→ LEXUS、新型「RX」を世界初公開――世界初の「ブレードスキャン式AHS」や進化した「Lexus Safety System +」などの先進技術を採用 | fabcross for エンジニア
→ レクサスLXの先進機能 そのE…アダプティブハイビームシステム――安全かつ他者にもやさしいハイビーム | トヨタ自動車のクルマ情報サイト‐GAZOO
なるほど。(反射体としての)回転式ミラーを使うことで、特定領域のみに光が届くようにするわけだ。ミラーボール方式に似ている。
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しかし、である。回転式ミラーを使うのでは、可動部があるので、故障しやすい。むしろ、可動部を持たない固定式の方が信頼性は高いはずだ。
では、どうすればいい? 私が思いついたのは、こうだ。
「指向性の高い LED をたくさん装着する」
つまり、小さな LED をたくさん並べて、それらの LED の指向性を高くしておけば、細いビームをたくさん並べることになるので、あとは LED の ON・OFF だけで、光の当たる領域を制御できるはずだ。
こんな感じで。(時間的変化を3段階)
○○○○○○○○○○●●○○○
↓
○○○○○○○○○○○●●○○
↓
○○○○○○○○○○○○●●○
とはいえ、これは、「誰でも思いつきそうなアイデア」ではあるから、私の独創だとは言えない。こういう簡単なものをどうしてトヨタが採用しなかったのかは不明。
《 加筆 》
ドイツメーカーがすでに実現していて、その特許を使えなかったからだろう……という話が、コメント欄に来た。
なるほど。しかしそれなら、特許を使わせてもらえばよさそうなのに。安全のためであれば、相手だって技術を独占することはあるまい。特許料収入をもらう方を選ぶだろう。
「特許使用料を払いたくない」という価値観のせいかな。「 Not invented here 」というやつ。
→ NIH症候群 - Wikipedia
【 関連サイト 】
LEXUS NX300h アダプティブハイビーム。
中央分離帯の向こう側で対向車が移動すると、それにつれて、右側のハイビームに暗い領域が生じる。
複数のドイツメーカーが、似た感じの物を、もう何年も前に市販化してます。
先にやられてしまった特許の関係で、同じ結果は得られるが、構造が違う物を無理矢理にでも造らざるを得なかったのでしょう。
http://intensive911.com/?p=80584
目的である歩行者への安全とバーターであるのは理解できますが、この技術だけでは歩行者はまともにハイビームにさらされ、最近の高照度のヘッドライトでは非常に不快で危険ですらあります。
自専道やバイパス道路などでは、あまり問題ないのでしょうが、自動遮蔽技術を過信し、生活道路でもハイビーム一辺倒の車が増えそうです。
もうすこし歩行者の目線で考え、一定速度以下ではロービーム自動切り替えなどの歩行者へ配慮した制御も欲しいところです。
管理人さまの趣旨と関係ないコメントで申し訳ございません。
人も見えなくなっている。
今度はハイビームでは色温度の影響か光量があるのか解らないが、標識の反射が明るすぎて余計に危なく感じる。
車両の光源メーカーは、適度なカットで適度な明るさは追及してないのかと思ってしまう。