2019年06月04日

◆ プリウスのブレーキは構造欠陥 3

 またしても、プリウスを運転する高齢者が、誤発進事故を起こした。まったく、プリウスだらけだ。

 ──

 下記の事例だ。
 《 車が暴走 幼児ら4人けが 80歳男逮捕「ブレーキ踏み間違え」 》
 3日夜、大阪 此花区で乗用車が歩道に突っ込んで、幼い子ども2人を含む4人がけがをし、警察は運転していた80歳の男をその場で逮捕しました。調べに対し「アクセルとブレーキを踏み間違えた」と供述している。
( → NHKニュース

 車種は何かと思ったら、またもやプリウスだ。





 まったくもって、プリウスだらけだ。これほどにもプリウスだらけになるとしたら、プリウスにはっきりとした原因があると見なすのが論理的だろう。
( ※ 「プリウスが一番売れているからだ」という説もあるが、プリウスの比率は、プリウス以外に比べれば、圧倒的に少ない。プリウスと同じぐらい売れている自動車なら、アクアのほかに、軽自動車で何車種もある。それらでは誤発進事故はプリウスほど多くはない。)

 ──

 この件については、私は前に論じた。
  → プリウスのブレーキは構造欠陥?: Open ブログ
  → プリウスのブレーキは構造欠陥 2: Open ブログ

 ここでは、次のように述べた。
 「ブレーキペダルがアクセルペダルよりも高いので、アクセルのあとブレーキを踏もうとすると、ブレーキを踏めない。ブレーキの横側に足がぶつかるので、アクセルを踏んでしまう」

 ──

 それはそれでいいのだが、他に、次のような見解もある。
 ペダルレイアウトの悪さに起因する暴走事故は、1990年代まで多く発生していた。クルマをイメージしてほしい。右ハンドル車だと車内の右前に「ホイールアーチ」と呼ばれる右前輪の出っ張りがある。したがって右ハンドル車はペダルが左側に寄る傾向。つまりドライバーは正面ではなく、やや左前を向を向かないとペダル操作出来ないと言うことになります。
 一方、ドライバーがクルマに乗り込んだ直後は、身体が右側を向いている傾向。その姿勢でブレーキペダルだと思う位置を踏むと、アクセルになってしまうワケ。踏み間違いによる暴走事故、ATの普及率と共に増えていった。
( → プリウスの暴走事故、ペダル配置が悪い?(国沢光宏)

 これは、ペダルのオフセットの問題だ。
 せっかく重要なことを指摘しているのだが、この記事では、「プリウスではそんなことはない」というふうに述べて、オフセットの問題を見逃してしまっている。

 一方、次の記事ではまさしく、「プリウスではオフセットの問題がある」と指摘している。
 タイヤとエンジン隔壁が接近したレイアウトにするとオフセットは大きくなる傾向になる。
 ところが実際にシートに座ってみると、ブレーキペダルの中心こそわずかに左へ寄っているが、ペダルサイズが大きく採られているので、自然な位置でブレーキを踏むことができる。加えてシートの着座高も下がっているので、たとえオフセットがあったとしても気になりにくいレイアウトになっている。
 「新型プリウスは何かがこれまでのトヨタと違う」そんな印象を受けて帰ってきた。
( → 池田直渡「週刊モータージャーナル」:トヨタは本気で変わろうとしているのかもしれない - ITmedia

 実際には、「プリウスではオフセットの問題がある」と記しているのではなく、旧型プリウスにはあったオフセットの問題が、新型プリウスでは解消されている」という趣旨で述べられている。
 しかし、これは裏返して言えば、「新型プリウスでは解消されているとはいえ、旧型プリウスにはオフセットの問題があった」ということだ。
 実際、事故を起こしたプリウスは、どれもこれも旧型だ。
( ※ 新型は、分裂症みたいなデザインなので、一目で違いがわかる。)

 こういう事情があるからには、「ペダルのオフセットの問題がある」ということは、強く推定されそうだ。つまり、プリウスには固有の問題があるのである。だからこそプリウスばかりで誤発進事故が起こるのだ。( ただし、旧型のみ。)



 [ 付記1 ]
 では、対策は? 
 オフセットの量を減らすことが望ましいが、構造的にちょっと無理っぽい。
 とりあえずは、次の対策は考えられる。
 「ペダルを交換する。ブレーキペダルを低くするのは無理だから、かわりに、アクセルペダルを高くする」

 [ 付記2 ]
 もう一つ、制度的な対処も考えられる。こうだ。
 「誤発進防止装置(ソナーやステレオをカメラ)の設置を、高齢者には義務づける」

 ただし、プリウスに限って制度的に義務づけるのは、法制度としては無理がある。法律に特定車種の名前を書くのは無理だ。

 そこで、かわりに次の方法を取るといい。
 「高齢者の誤発進事故が起こった場合には、ものすごく高額の賠償金を義務づける。実際の損害の 10倍ぐらいの支払いを強いる。(賠償金のかわりに、罰金・課徴金でもいい。)」

 といっても、こんなに高額の金を高齢者が払えるはずがないから、保険料を上げるしかない。となると、次の結果になる。
 「誤発進防止装置を付けないプリウスを運転する高齢者には、保険料を馬鹿高くする」
 こうすれば、高齢者は、「誤発進防止装置を付けないプリウスを運転する」ということがなくなる。次のいずれかにする。
  ・ 誤発進防止装置の付いたプリウスにする
  ・ プリウスをやめる
  ・ 高齢者の運転をやめる

 そのいずれでもいい。どっちみち、そうすれば、超高額の保険料の支払いを免れる。
 で、そのいずれもやらなければ、危険度は高いままだが、そのかわり、超高額の保険料を払うことになる。毎月2蔓延ぐらい余分の保険料を取られるとなったら、たいていの人は悲鳴を上げるはずだ。そして、そのことこそ、狙いなのである。



 【 追記 】
 プリウスではオフセット量が大きい……ということは、次のことが理由だ。
 プリスは、空気抵抗を低くするために、室内空間を犠牲にしている。
  ・ 全高が低めである。
  ・ 後席の高さが低い(ヘッドルームが小さい)

 これによる問題に対処するために、次のことを取っている。
  ・ 前席は、足を投げ出す姿勢にする。(低いので)
  ・ 前席は、足のある空間を前に伸ばす。(エンジンルームに食い込む感じで、室内空間を前に伸ばす。)

 このことで、ホイールアーチの左側に足を延ばす形になるので、当然、その場所は幅が狭くなって、ペダルが左にオフセットされるようになる。
 通常の車ならば、そんなに足を投げ出す必要はないから、ホイールアーチの左側に足を延ばすかわりに、ホイールアーチの手前に足を置くようになる。これなら、ペダルをオフセットする必要もない。
 そもそも、全高の高い来るまであれば、シートの位置が高いので、足を投げ出すような姿勢になることもない。

 プリウスの問題は、燃費改善のために空気抵抗を減らそうとして、「スタイル優先で居住性を犠牲にした」ということの弊害が起こっているせいだだろう。だからこそ、プリウスで特有的に問題が発生する。
 一方、たいていの車は、「スタイル優先で居住性を犠牲にした」ということはない。だから、オフセットの問題も発生しない。

 なお、プリウスのペダルのオフセットがいかにひどいかは、下記サイトの画像を見ればよくわかる。ぜひご覧ください。
  → 「新型プリウスのペダルレイアウト」 - みんカラ

( ※ URL を失念していて、リンクを掲載し損ねていたが、うまく見つけたので、掲載します。)

 ──

 ただ、よく調べると、この記事は 2015年12月15日のもので、この時点における「新型」であるから、現在の新型モデルに該当する。
 とすると、「新型では良くなっている」ということはなく、「新型ではもダメだ」ということになりそうだ。
 なお、リンク先の記事では、
「先代プリウスのペダルレイアウトは新型に比べ遥かにマシでした」
 とあるが、この「先代」が、一つ前の旧型か、もっと前の旧型かは、不明。

 ──

 p.s.
 もしかすると、こうなのかも。
  ・ 現行型と2世代前の型は、危険。
  ・ 1世代前の型は、比較的マシ。
 これだと、筋が通る。
 なお、1世代前の型は、ホイールベースが 150mm 延長された。その分、足元に余裕ができたのかも。
 現行型は、1世代前とホイールベースは同じだが、居住性の改善のために、足元空間は犠牲にされたのかも。
posted by 管理人 at 23:58| Comment(10) | 自動車・交通 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
結論はマスコミに出させればいいと思います。
自動車会社から多額の広告宣伝費を貰っている。

報道管制を敷くのも、正しい見解を報道するのも
いづれもマスコミの矜持によるところ

報道しないならしないで腐ったマスコミであるし
報道するならするで正道へ導くペンの使い手

踏みやすいブレーキ、
であることが車の大前提のはず
王者トヨタへ、真摯な追及をマスコミには望みたいところ。そもそも何ためのマスコミか。
広告主に迎合するのが矜持であるはずが無いに。
Posted by メルカッツ at 2019年06月05日 21:07
今回はプリウスではなかった…
Posted by プリウスマン at 2019年06月05日 21:25
 福岡の逆走は、ワゴン車なので、プリウスではなかったですね。 そもそも、踏み間違いかどうかもはっきりしない。
Posted by 管理人 at 2019年06月05日 22:47
車種はあんまり重要ではないように思います。
やはり、高齢ドライバーの存在が大きなリスク要因ですね。
Posted by 反財務省 at 2019年06月05日 23:06
〈論 文〉
自動車ペダル操作時の足の位置と動きの特性と
ペダル踏み違いの経験
https://www.kokaken.or.jp/data/Vol49No1/49-1_33-40.pdf
踏み違いと身長に関連があることが先行研究 5) 17) で示
されていたが,本研究では身長がペダル操作時に床にか
かとをつけるかに影響することが示された.これは身長
や足の長さに対して,シートの位置や座面の高さの位置
が適切でなく,かかとをつくことができない状態で運転
していることを示唆している.

仮定であるが、新型では改善されている場合もあるとはいえ、販売が見込まれる欧州向けのドライビングポジションを採用している車もあるのではないか。
そして日本人体型の高齢者で事故を誘発しているのではないか。認知の遅れもあって重大事故となっている。

国産メーカーが海外向けを優先したことで、国内での事故を誘発しているとすれば、悲しいことである。
Posted by   at 2019年06月06日 05:47
> シートの位置や座面の高さの位置が適切でなく,かかとをつくことができない

 それだと、身長の低い女性ばかりが影響を受けるはずだが、実際には男性が事故を起こす例も多い。
 ただ、女性の方が事故を起こしやすい傾向はあるかもしれない。女性が事故った事例がかなりあるし、実際の女性ドライバー比率よりも高そうだ。
Posted by 管理人 at 2019年06月06日 07:07
 最後に 【 追記 】 を加筆しました。
Posted by 管理人 at 2019年06月06日 07:27
こんなまとめも見つけました
ここではシフトレバーを原因としているようです

https://togetter.com/li/1361483
Posted by NF at 2019年06月06日 16:52
トヨタは組織的なリコール隠しをしています。
しかし、告発しようとした知人が、その直前でトヨタを解雇された上国交省まで根回しされて何も出来なかったそうです。
Posted by 匿名 at 2019年06月08日 16:48
> その直前でトヨタを解雇された

 弁護士に頼むといいんじゃない? 告発もできそう。
Posted by 管理人 at 2019年06月08日 17:36
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