2019年06月04日

◆ おかしな事例 3件

 おかしな事例を3件、列挙する。(最近の社会的な出来事に関して)

 ──

 世の中にある おかしな事例を示す……と言ったら、「毎度毎度そうだろ。いつもと同じだろ」と言われそうだ。
 まあ、そうなんだが、本項では3つの話を列挙する。1項目にするほどの分量ではないので、簡単に小項目で。
 

 車止め衝突事故の再開


 シーサイドラインで、車止めに衝突する事故があった。
  → 列車が車止めに衝突: Open ブログ

 その後、自動運転をやめて、有人の手導運転にすることで、運行を再開したそうだ。
  → シーサイドライン 午前11時から手動で運行再開 - Sankei
  → シーサイドラインの運行再開、振替・代行輸送について 横浜市

 「事故の原因はわかりませんが、自動運転をしないので、もう事故の再発はありません」」
 ということのようだ。

 しかし、これには疑問も出ている。
 「事故の原因がわかっていないのに、有人運転にしても、事故の再発を防げるとは限らない。また突発的に逆走運転が起こったときに、人間が手動で防げるのか?」」 
 なるほど。ごもっとも。

 一方、私が考えるのは、次のことだ。
 「正すべき箇所は、自動運転ではなくて、車止めの方だ。ふたたび逆走が起こったときに、車止めにぶつかっても大怪我をしなくて済むように、車止めに緩衝装置を付けておくべきだ」
 ここで、車止めの緩衝装置とは、先に言及したとおりのものだ。
  → 列車が車止めに衝突: Open ブログ

 ここでは、次のリンクを紹介している。
  → 緩衝式車止め概説
 ここで示されたような緩衝装置を付けることこそが重要だ。そうすれば、万一事故が再発しても、大きな被害は起こらないからだ。(フェイル・セーフの発想)

 「自動運転をやめて、手動運転にする」
 というのは、安全対策としては、あまりにもあさっての方向を向きすぎている。
 「事故の危険性をなくせ」
 と要求されたときに、
 「もう事故は起こさないので、危険さは残しておいても大丈夫です」
 と釈明するようなものだ。頭がおかしいと言われても仕方ないだろう。
 

 自動車の燃費向上


 本日の朝日新聞の朝刊1面トップは、次の記事。
 国土交通省と経済産業省は3日、自動車の燃費規制を厳しくする新たな基準案をまとめた。2030年度を目標とし、ガソリン1リットルあたりの走行距離を平均で25.4キロ以上になるよう自動車メーカーに義務づける。16年度実績より燃費を32.4%向上させる必要がある。
 政府が11年にまとめた現在の基準では、20年度までに今の燃費測定方法で1リットルあたり20.3キロ(新基準の測定方法で17.6キロ)の走行距離を求めている。ハイブリッド車(HV)など低燃費車の普及で、すでに前倒しで達成されたため、厳しい基準をつくってさらなる二酸化炭素(CO2)排出量の削減を進めることにした。求められる燃費は現在の基準からは44.3%向上することになる。
 これまでの対象はガソリン車やHVが中心だったが、新たに、今後出荷台数が増えると見込まれるEVやプラグインハイブリッド車(PHV)も加える。
 EVはガソリンを使わないが、火力発電所などで必要な電気を作る際にはCO2を排出している。このため新基準では、発電所の効率などに基づいた専用の計算式を用いることで、EVとPHVでもガソリン1リットルあたりの走行距離を算出し、ガソリン車と同じ基準で比べられるようにする。
( → 自動車の燃費規制を3割強化へ EVも対象、普及促す:朝日新聞

 「火力発電所などで必要な電気を作る際にはCO2を排出している。このため新基準では、発電所の効率などに基づいた専用の計算式を用いる」
 とのことだが、それだったら、発電所の排出する炭酸ガスを考慮する必要があるし、また、発電所の排出する炭酸ガスを減らすことも必要だろう。自動車ばかりが一方的に攻められるいわれはない。発電所の排出する炭酸ガスも問われるべきだ。
 ところのが、政府は「石炭発電を減らせ」という方針を、撤回しつつある。環境省は「石炭発電を減らせ」という方針を出したのに、その後、経団連が反対したせいで、「石炭発電を減らせ」という方針が消えつつある。この件は、前に述べたとおり。
  → 石炭発電をどう規制するか?: Open ブログ

 この項目の最後の 【 関連サイト 】 で記しているように、政府による数字のペテンがある。新型の石炭発電を使うと、旧来の石炭発電よりはマシだが、LNG よりはずっと悪い。そのことを隠して、ゴマ化している(偽っている)……というような話。

 さらにもう一つ。本文よりも後のコメント欄で、最新情報となる記事を加筆・転載しておいた。それを再掲しよう。
  《 消えた「石炭火力全廃」方針
   温暖化対策の非公式会合
   ようやく議事概要のみ公表(2019/06/01) 》
 朝日新聞が独自に入手した資料によると、2月に示された提言の座長案には当初、石炭火力の長期的な全廃方針が盛り込まれていたが、中西宏明・経団連会長ら産業界の委員が反対を表明。最終的な提言では、石炭火力への「依存度を可能な限り引き下げる」と後退した。
  https://www.asahi.com/articles/ASM5054MKM50ULFA02Z.html

 結局、自動車については「炭酸ガスを減らします」と努力するくせに、火力発電については「石炭発電を認めて、炭酸ガスを増やします」という方針を取るわけだ。
 自己矛盾。
 

 レジ袋有料義務化


 プラごみの削減のために、政府はレジ袋の有料化を義務づけるつもりらしい。
 プラスチックごみの削減をめざし、原田義昭環境相は3日、レジ袋の有料化(無料配布の禁止)をスーパーなどの事業者に対して法令で義務化する考えを、記者会見で示した。
 この日示したのは、環境省としての基本方針。事業者はプラスチック製のレジ袋を無償配布してはならないとする法令を新たに制定する、とした。スーパー、コンビニ、ドラッグストア、百貨店などのレジ袋を使う事業者を一律に対象とする。
 レジ袋の定義や、有料の対象となるプラの素材の選定など詳細はこれから詰める。
( → レジ袋有料の義務化「来年までに」 環境相が意向:朝日新聞

 これについては、私は先に批判した。レジ袋ばかりを削減しても駄目であり、(もっと捨てる率の高い)ペットボトルや、弁当箱でも、プラスチックなどこそ、重点的に削減するべきだ……という趣旨。
  → プラごみ削減の盲点: Open ブログ

 さて。話はそれで済んでいるのだが、これを補強する話がネットで話題になった。下記だ。
  → タピオカミルクティーのポイ捨て、飲み残しに虫…インスタに出てこない悪影響 - 弁護士ドットコム

 タピオカミルクティーが大人気だが、それに使われる容器が街中のあちこちに廃棄されている……という話。(捨てた容器の画像多数)
 ここでは、「ゴミのポイ捨てで、街中が汚染される」という趣旨の話になっている。
 しかし、それだけではないのだ。「廃プラが街中に散逸する」という問題があるのだ。しかも、その問題の規模は、レジ袋なんかよりも大きいはずだ。

 とすれば、政府は、「レジ袋の有料化」なんかをやるよりも、「飲料のプラスチック容器の禁止・有料化」をこそ推進するべきだろう。実際、紙の容器にすることは簡単なのだから。
( ※ シェイク類はもともと紙を使っている。断熱性もあるし。)

 タピオカミルクティーがプラスチック容器を使うのは、「透明でオシャレだから」ということが理由だろうが、こういう奴こそ、取り締まるべきなのだ。
 プラごみというと「レジ袋とストロー」しか思い浮かばないようでは、頭が固すぎる。もっと目を開いて、プラ容器に着目するべきだ。

 ──

 余談だが、例のカネカは、生分解性プラスチックを開発したそうだ。ま、どうでもいいですけどね。
  → カネカと資生堂が共同開発 生分解性化粧品用容器で
  → カネカ、生分解性プラの生産能力を現状の100倍に 年10万トンに :日本経済新聞



 【 追記 】
 タピオカミルクティーの容器のポイ捨てについては、
 「ゴミ箱を撤去したのが悪い。駅や街中にゴミ箱を配備せよ」
 という意見が多く出た。なるほど。この件は私も前に論じたことがある。
  → 駅のゴミ箱がないわけ: Open ブログ

 これに準じれば、こう言える。
 「プラごみの問題を減らしたければ、駅や街中にゴミ箱を配備するべきだ。そうすれば回収率が上がり、プラごみの問題は減る」

 ここでは「使用禁止」よりも「回収率を上げる」ということを重視している。先に述べたとおり。
 プラごみの削減を考えるには、「使用量を減らす」ことばかり考えていても駄目なのだ。「回収率を高めること」を重視するべきなのだ。
( → プラごみ削減の盲点: Open ブログ

 この点を政府はじっくり考えてもらいたいものだ。
posted by 管理人 at 23:28| Comment(9) | 一般(雑学)6 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
モノレール手動運転の件

人が操作するから安全…ではないですよね。
もともと自動運転だったのだから、人が操作する機会はほとんどないはずです。それをいきなり手動運転に切り替えたところで、運転士の技量が追いつかないのでは?と思うのが普通です。

ヒューマンエラーによる事故が起こらなければ良いのですが。フェールセーフの設計なんてしてないでしょうから、運転士が操作をミスったら即事故になりますよ。
Posted by 反財務省 at 2019年06月05日 11:25
 最後に 【 追記 】 を加筆しました。
 ゴミ箱を配備せよ、という話。美観のためでなく、プラごみ削減のために。
Posted by 管理人 at 2019年06月05日 18:42
自動運転の路線だったのに、免許を持った手動運転者を雇用していたんですかね。
Posted by けろ at 2019年06月05日 19:45
ゴミ箱の件

コンビニでも、最近ではゴミ箱を店外ではなく店内に設置するようになっています。理由は、店外にゴミ箱があると、家庭ゴミなど、コンビニと関係ないゴミが大量に捨てられるためです。(処分費用はコンビニ持ち)

日本人の急激なモラル低下のため、駅や街中にゴミ箱を設置するのは自殺行為(善意をなすと、大損する)となります。

過去に管理人さまが論じた際、駅関係者が馬鹿であると断じておられましたが、現在は、日本人みんなが馬鹿だから、ゴミ箱が街中に設置されない、ということになろうかと思います。
Posted by 反財務省 at 2019年06月05日 23:03
 自治体がゴミ箱を設置して、家庭ゴミ回収車で回収すればいいと思うんですけど。
Posted by 管理人 at 2019年06月05日 23:43
シーサイドラインの車止めには油圧ダンパーがついていて
1メートル移動したそうです
Posted by 老人 at 2019年06月06日 03:44
> 油圧ダンパーがついていて

 ご指摘ありがとうございました。
 これだと、私の見解は「見当違い」になりそうですね。
Posted by 管理人 at 2019年06月06日 07:29
> 油圧ダンパーがついていて

 ご指摘ありがとうございました。
 これを受けて、別項の最後に 【 追記・訂正 】 を加筆しました。

  → http://openblog.seesaa.net/article/466161226.html#ps
Posted by 管理人 at 2019年06月06日 07:41
>自治体がゴミ箱を設置して、家庭ゴミ回収車で回収すればいいと思うんですけど。

昔、千葉市に「ダストBOX」というのがありました。
自治体が街角に設置してあって、クレーンで丸ごとゴミを回収して
焼却場に運んでおりましたね。

案外、それの復活がごみ問題の突破口になるかも。
技術的な裏付けがついて旧式のやり方が見直されるのはしばしばある事でしょうし。
Posted by 参考になります。 at 2019年06月07日 14:51
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