──
コエンザイム Q10 は、健康のための栄養補助食品として知られている。ネットやテレビや新聞では、「コエンザイム Q10 は健康に良い」という宣伝がいっぱいあふれている。購入する人も多いだろう。特に、健康に自信がない人ならば。
この コエンザイム Q10 の世界最大のメーカーが、カネカだ。会社のサイトで宣伝している。
カネカの多岐にわたる事業領域、数多くの素材製品の中に、コエンザイムQ10があります。カネカの発酵技術を活かして、世界で初めて「酵母」からコエンザイムQ10を作ることに成功し、世界中の製薬会社・サプリメントメーカーにコエンザイムQ10素材を提供し続けてきました。
( → 安全性・高品質、安心へのこだわりとは?カネカユアヘルスケアについて【公式】 )
日経の記事にもあるそうだ。
「カネカ」が世界シェアの過半を握るのが「コエンザイム Q10」だ。
( → 日経産業新聞編「ニッポンの『世界 No.1』企業」日本経済新聞出版社 2012 年 3 月 22 日刊を読む )
このカネカが何をやらかしたかというと、前項で示したとおりだ。(育休制度を充実させています、と言いながら、育休を取った社員を退職に追い込んだ。)
これがネットで大騒ぎになったあと、会社側は、騒ぎを否定せずに、「だんまり」を決め込んだ。
一連のツイートについては、「現状、弊社宛の書き込みではないので、コメントは差し控える」と述べた。
( → カネカ企業サイトの育休関連ページ「故意に消したのではない」「旧サイトが見えていて誤解を招いた」担当者説明 | キャリコネニュース )
無視しているわけだが、要するに、否定していないわけで、認めたも同然である。それでいて、反省もしない。ほおかむりを決め込んでいるわけだ。呆れる。
で、こういう会社の出している栄養補助食品が、コエンザイム Q10 であるわけだ。錠剤の製造会社は、多くの製薬会社があるが、成分であるコエンザイム Q10 そのものは、カネカが製造して出荷しているわけだ。
──
さて。そのコエンザイム Q10 だが、実は、効果がないらしい。下記で詳しく述べられている。
→ コエンザイムQ10 | 疑似科学とされるものの科学性評定サイト
他に、次の三つもある。
→ まだ分からない部分が多いコエンザイムQ10:MedWave
→ コエンザイムQ10 | 厚生労働省 「統合医療」に係る情報発信等推進事業
→ コエンザイムQ10のサプリメント - 川崎市立看護短期大学(PDF)
コエンザイムの有効性については、「有効性はまったくない」というふうに完全否定されたわけではないのだが、「有効だ」という科学的根拠がきわめて稀薄なので、信頼性はとても低いようだ。
ま、「鰯の頭も信心から」みたいなもので、信じる心さえあれば、プラセボぐらいの効果はあるのかもしれないが、科学的には有効性はほとんど認められていないようだ。(まったく皆無というほどではないが。)
──
結論。
高い金を払ってコエンザイム Q10 を購入していた人は、「カネカにだまされた!」と怒っていいかも。
実は、カネカがだましたわけじゃなくて、カネカの商品を買って宣伝した会社がだましたのだが、これだと、カネカは悪くないのかもしれないし、責任を取らなくてもいいのかも。実は、自分自身も、「コエンザイム Q10 は健康にいい」と宣伝しているのだが。
→ 安全性・高品質、安心へのこだわりとは?カネカユアヘルスケアについて【公式】
ただ、こういう構造は、カネミ油症の場合とそっくりだ。PCB という危険なものを「安全だ」と言い張って販売したあげく、カネミ油症という大惨事を引き起こした。
それに似ているのが、コエンザイム Q10 だ。こいつも PCB みたいなものだと思った方がいい。「コエンザイム Q10 は健康にいい」と宣伝して、だまして、カネカがボロ儲けしている。
ついでに、社員もだます。「育休を取りましょう」と社員に言ったあとで、社員がそれを信じて、実際に育休を取ると、その社員を退職に追い込む。
昔も今も、だます会社は、似たようなことをするわけだ。
こういうカネカを支援したければ、コエンザイム Q10 を高額で買いましょう。
【 商品 案内 】
→ Amazon コエンザイム Q10(販売は各社)