2019年06月01日

◆ 日産は統合に参加すべきか?

 ルノーと FCA が統合したが、日産は統合に参加するべきか? あるいは、もっと良い策があるか?

 ──

 日産は統合に参加するべきか?


 日産は統合に参加するべきか? これについては、世間でもいろいろと議論が生じているが、私は先に次のように書いた。(コメント欄)
 ルノーが日産を統合会社に引き込もうとしているのは、なぜか? 
 「これまでの行きがかり上で、日産を支配しようとしているから」
 とも思えるが、むしろ、
 「強大な FCA に対抗するために、自分に味方をしてくれそうな日産と組もう。そうすれば、統合会社において、ルノー・日産が FCA よりも多くなる」
 と思っているのだろう。
 しかし、それは勝手な思い込みだ。日産としては、むしろ、自社を支配しようとする裏切り者のルノーなんかとは、袂を分かつ方がいい。ルノーを捨てて、FCA と組む方がいい。ルノーなんて、規模も小さいのだし、今後は無視してもいいぐらいだ。

 ──

 ルノーが日産を統合会社に引き込もうとしているのは、こう思っているからかもしれない。
 「日産の株式の 43%を持つことで、日産をなかば支配できる。そこで、ルノーと日産の双方の取締役を合計すると、FCA と他の合計を上回って、過半数に達する。かくて、ルノーの思うがままに、統合会社を左右できる」
 しかしこれでは、事業規模で最小の会社が、全体を左右することになる。シッポが本体を振り回す状態だ。最悪。
( → 日産への統合圧力は 2: Open ブログ

 つまり、ルノーは日産を統合に参加させたがっているが、それはルノーにとって好都合だからだ。逆に言えば、日産と FCA にとっては不利だ。(ルノーの横暴を許すことになるから。)
 そして、ルノーの権限が大きくなるのは、シッポが本体を振り回す状態になるので、あまりにも不自然である。道理が通らない。
 とすれば、日産としては、「統合に参加しない方がいい」という結論になる。

 もっと良い策があるか?


 では、統合に参加しないとして、日産はどうすればいいのか? 単に「何もしない」というふうにすればいいのか? あるいは、「統合会社には特に関与しないが、事業の連携だけをする」というふうにすればいのか? そうかもしれない。これなら特にデメリットもないし、多くの人が(日産経営者も含めて)こう思いそうだ。

 しかし、そこは Openブログ。当り前の策よりは、もっとうまい策を期待する人が多いだろう。そこで、うまい案を出そう。
 まず、基本方針はこうだ。
 「現状では日産は 43%の支配を受けていて、経営の独立性が保ちにくい。そこで、これを解消することを目的として、新たな策を取る」


 この方針に基づいて、次の策を取る。
 「日産は統合会社の株を買って(出資して)、統合会社の筆頭株主になる。これをもって、ルノーおよび FCA に対する上位の位置を占める」


 ただし、単にこれをやるだけだと、かなり多額の金がかかって、大変だ。たしかに効果はあるだろうが、費用がかかるので、「うまい案」とは思えない。「一案である」というのにすぎない。
 そこで、困ったときの Openブログ。まさしく、うまい案を出そう。こうだ。
 「 FCA のアニェッリ家が、統合会社の株の 14.5%を握るので、14.5%のうち、7%分の株をアニェッリ家から買い受ける」


 これぞ、うまい案だ。なぜか? 
  ・ 日産はすでに 7.5%の株を持っている。
  ・ だから7%の株を買うだけで、圧倒的な筆頭株主になれる。
   (4%を買うだけでも筆頭株主になれるが。)
  ・ 日産は、市場で買うと株価が上がるが、相対取引なら株価は上がらない。
  ・ アニェッリ家は、市場で売ると株価が下がるが、相対取引なら株価は下がらない。
  ・ アニェッリ家は、下がる株をうまく売り抜けられる。
  ・ 日産は、7%の株を買うだけで、巨大グループを支配できる。
   (ルノーからの支配を脱することもできる。)
  ・ 日産は、FCA とルノーを再建すれば、株価上昇の利益を得る。
  ・ 日産が株を買うための資金は、配当の削減でまかなう。


 前に述べた ように、日産は莫大な配当を出して、利益のほとんどを株主に献上している。その半分ほどはルノーだから、利益のほとんどをルノーに献上しているのも同然だ。
 こういう馬鹿げたことをやめて、その金を統合会社の株の購入費に充てればいいのだ。こうすれば、実質的にコストゼロで、統合会社の株を取得して、統合会社の支配権を確立できる。

 FCA(アニェッリ家)の側としても、下がる株をうまく売り抜けられるし、残っている 7.5%の株については株価上昇益を期待できる。いいことずくめだ。
 ただ一つ、ルノーにとっては、「尻尾が本体を振る」というような横暴ができなくなるので、不満になるかもしれない。しかし、日産が統合会社を支配するなら、傘下のルノーの経営も安定するので、フランス国内の従業員の雇用も保証される。フランス政府にとっても、悪い話ではあるまい。(わがままはできなくなるが、雇用は保証されるから。)

 というわけで、三方ともに満足のゆく結果となる。そのうち、日産は最も得をして、FCA(アニェッリ家)はいくらか得をして、ルノーは「ボロ儲けができなくなるが安定は得られる」という形で、ちょっとだけ得をする。

 以上が、私の提案する方針だ。

( ※ すぐ上で、「得をする」と述べた。これは、「自分だけ利益を得る」というエゴイズムの意味ではなく、「自分のマイナスが減る」という意味だ。日産においては、不当な不利益の解消を意味する。)


 
posted by 管理人 at 19:00| Comment(1) | 自動車・交通 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 参考記事。以下、引用。

 ──

FCAはジョン・エルカン会長を新会社の取締役会長とすることを望んでいる。エルカン氏は、FCAの29%を所有するフィアット創業家、アニエリ一族の出身だ。新会社のCEOには、ルノーのジャンドミニク・スナール新会長が就任するとみられている。こうなれば、両社の現CEOは失職することになる。
  (The Wall Street Journal/Stephen Wilmot)
 https://diamond.jp/articles/-/203937

 ──

> 両社の現CEOは失職することになる。

 とあるが、違うね。
 エルカンとスナールは、持株会社の役職に就く。
 一方、現在の CEO は、傘下の事業会社に属している。だからそのまま事業会社で CEO に就いていることが可能だ。
 上記記事は、持株会社と事業会社の区別ができていない。頭悪いね。

 
Posted by 管理人 at 2019年06月02日 17:25
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

  ※ コメントが掲載されるまで、時間がかかることがあります。

過去ログ