2019年05月30日

◆ レオパレスは再建可能か?

 レオパレス21 の騒動が続いている。この会社の先行きは厳しそうだが、再建可能だろうか? それとも、会社清算するしかないのか? ( ※ 詐欺の話です。)

 ── 

 レオパレス21 の騒動が続いている。最近また騒動が続いているので、適当にニュースを見てほしい。

 さて。問題は、こうだ。
 「この会社は今後も存続可能か?」

 これについて、ネットでググってみると、次のような見解が見つかる。
 「600億円も内部留保があるから、当面は大丈夫だろう。賠償金を払っても、まだ残余金が出るのであれば、倒産することもあるまい」

 それはそれで一理あるが、私としてはもっと本質的・原理的に考えたい。以下で詳しく述べよう。

 ──

 私の考えでは、レオパレスの事業は、もともとビジネスモデルとして成立しない。原理的に成立しない事業なのだ。

 なぜか? それは、不動産業というのは、もともとたいして利回りが高くないからだ。土地を持っている大家が、自分で銀行から金を借りて、建物を建てて、税金を払って、あれやこれやとやった場合の利回りが、年2〜6%程度である。普通の事業と同程度である。で、その一部(半分?)をレオパレスが得るとしても、自力でやる場合の半分ぐらいしかもらえないのだから、年1〜3% ぐらいになる。たいした利益にならない。
 つまり、もともと薄い利幅を、大家とレオパレスで折半するのでは、レオパレスの利幅はたいしたことにはならない。こんなことなら、自力で土地を見つけて建物を建てて不動産業を営む方がマシかもしれない。
 というわけで、レオパレスの事業は、もともとまともに成立しないのだ。「赤字を出す」というほどではないにせよ、「大きな黒字を出す」というわけでもない。あまりにもマイナーな事業である。実際、これと同種のことをやっている会社はない。 あまりにも、うまみの少ない事業であって、この先の見通しもまったく良くない。このような事業が今後も継続するとは思えない。

 ところが、レオパレスは、実際にはものすごい黒字を叩き出した。では、なぜ? それは、次の三つの理由だ。
 (1) 大家から建物の建設を請け負うときに、相場の5割高という高い建設費で請け負った。この時点で、5割も高値にしたことの大幅な利益を得た。
 (2) 大家から建物の建設を請け負ったあとで、建設に手抜きをして、大幅に建設費(コスト)を引き下げた。つまり、手抜き建築をした。……これが現在、世間で批判されていることだ。
 (3) 大家には「何十年もの家賃保証」をしたのに、実際にはその保証を反故にしている。10年ぐらいは契約通りに家賃を払うようだが、10年後ぐらいから、払う家賃を引き下げたり、契約解除を強要したりする。……要するに、契約違反だ。このことは、「ガイアの夜明け」というテレビ番組で暴露された。(ググればわかる。

 ──

 以上の (1)(2)(3) という問題がある。そのいずれも、「詐欺」に該当する。
 つまり、レオパレスという会社は、もともと成立しないような低収益の事業をしていたのだが、それに詐欺を組み合わせることで、「不動産賃貸詐欺」という新手の詐欺をやったわけだ。

 要するに、この会社の本業は、詐欺だったのである。建前は「不動産賃貸支援」みたいな事業を標榜していたが、実際にはその事業を表に出している詐欺が本業だったわけだ。
 ここに本質ないし原理がある。

 なお、もう少しわかりやすく示すと、モデル的には、こうなる。
 大家と契約したときには、かなりの高値で建設を請け合う。そのことで、大家は損したと感じる。しかし、長期の契約をすることで、高い家賃を長期的に払ってもらえるので、最終的には大家は得することになる……という契約をする。大家はそれを信じる。
 ところが、レオパレスはその契約を途中で反故にする。すると、「最初に高値で建設させた」ことのボロ儲けの金が手元に残る一方で、「未来においては高値の家賃で還元する」ということなくなる。
 大家としては、最初に金を奪われたあとで、「あとで還元してもらえます」という約束を守ってもらえなくなる。
 こうして「約束違反・契約違反」という形の詐欺が成立する。

 で、この会社の社員は何をしていたかというと、「約束違反・契約違反」というのを、大家に強要するため、あれやこれやと口車で説得する。この説得の口車こそ、詐欺の実体であるが、そういうことを社員がやっているわけだ。つまり、詐欺会社の社員の仕事は、詐欺だったのである。
( ※ まともな事業をしていたのではない。)

 ──

 結論。

 「この会社は今後も存続可能か?」
 という問題には、次のように答えることができる。

 第1に、この会社は詐欺会社であるから、原理的には存続できない。まともな仕事をしている限りは、存続できない。
 第2に、この会社は今後も詐欺を続けるのであれば、今後も詐欺会社として存続できる。ただし、それは、詐欺の返済を迫られない限りでのことだ。
 第3に、この会社は今後も詐欺を続けるのであれば、しばらく詐欺を続けたあとで、巨額の返済を迫られる。そのとき、抜き差しならなくなって、破綻するしかない。それは巨大化したあとの完全な破綻である。いわば、超新星爆発のようなものだ。そして、そうなったときには、大家に返済するべき資金も消え失せて、賠償金を払うこともできないまま、ただの宇宙の塵と化すのである。

 ──

 上のことから言える助言は、こうだ。
 レオパレスは、原理的に、事業の存続はできない。なのに存続させれば、事態は悪化するばかりだ。仮に新規の客が来れば、その客もまた詐欺の食い物にされるだけだ。つまり、被害が拡大するだけだ。
 だから、レオパレスは一刻も早く会社清算した方がいい。賠償金や修理工事なども含めて、裁判所の管理下で、破産管財人が清算処理をすればいい。これならば、大家の被害額は最小限で済むだろう。
 一方、今のままレオパレスが存続すれば、レオパレスに残る資産は社員(つまり詐欺師)の給料の形で、どんどん減ってしまう。最後には1円も残らなくなる。(実際、資産のうちの一部は、会社の重役たちが「退職時の退職金」の形で食いつぶしてしまった。)
 なるほど、今のまま事業を続ければ、新たな詐欺の被害者を組み込むことで、当面は黒字の事業を継続できるかもしれない。しかしそれは「超新星爆発」に向かって進む道筋であるにすぎない。
 だから、そうならないように、レオパレスは一刻も早く会社清算するべきなのだ。
( ※ とはいえ、たいていの人は、それに気づかない。だから、レオパレスの損失は一日またいちいちと拡大していく。その分、大家の損失もまた拡大していく。)



 [ 補足 ]
 レオパレスによく似ているのは、次の高利詐欺(投資詐欺)である。
 「年 10%のような高利を約束して、客から多額の金を集める。1000万円の金を集めて、1年目には利子の 100万円を払う。それで2年たったあとで、3年目に3回目の 100万円の利子を払うときに、元金を全部もって、トンズラする」

 これは、「将来の高利の支払い」を約束して、最初に多額の金を集めるが、実際には「将来の高利の支払い」を実行しない、というわけだ。
 これと同じ構造なのが、レオパレスの事業だ。
 なるほど、事業そのものをやっている段階では、巨額の黒字を得ている。しかしそれはしょせんは破綻するしかない事業なのである。

 そういうことに、高利詐欺の場合には、容易に気づく。「こんなのにだまされる人はバカだなあ」と思う人が多い。しかし、それと同じことをやっているレオパレスについては、たいていの人が気づかないのだ。
 「レオパレスのやっていることは高利詐欺と同じである」
 この本質を理解することが大切だ。
( ※ なのに、たいていの人が気づかないから、レオパレスは現状のまま詐欺をやり続ける。被害は拡大し続ける。……悪が見逃され続けるわけだ。)

 ──

 なお、この手の高利詐欺(投資詐欺)は、特に規制されていないようだ。無届け業者の形になるが、特に厳しい罰則はないからだ。そもそも、どのくらいの高利が詐欺に該当するか、また、事業継続が可能であるか、はっきりとした基準はない。
 レオパレスのような事例には、特別に立法化して、レオパレスの事業を禁止した方がいいかもしれない。あるいは、詐欺であることを告知して、客が来ないように仕向けて、実質的に倒産状況に追い込むべきかもしれない。
posted by 管理人 at 20:30| Comment(4) | 一般(雑学)5 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 最後に [ 補足 ] を加筆しました。
 タイムスタンプは 下記 ↓
Posted by 管理人 at 2019年05月31日 06:20
補足
さらに集客の望めない土地に次々にマンションを建てさせたこと
うちの近所にも同じようなマンションがあるが空き物件が多い
Posted by 老人 at 2019年05月31日 10:18
>>実際、これと同種のことをやっている会社はない。

同種のことというのがよくわかりませんが、「建設し、管理運営を受託し、家賃保証をする」というのであれば殆どの大手賃貸住宅建設会社がやっています。
もともと建設が本業で、建設を請負うために管理運営、家賃保証を始めたところがほとんどだと思います。

家賃保証の契約は20年ないし30年くらい。但し、家賃は例えば2年ごとに更改。更改時に金額が折り合わなければ契約解除です。
更改家賃の下限とか決め方などは契約に記載はないので、投資資金の回収あるいは借金の完済の保証はありません。
その上、サブリース会社の家賃減額要求を最高裁が認めた判例もあり、いざとなれば更改時でなくても家賃を下げることになるかもしれません。
リスクを負うのは家主です。建設会社にはほとんどリスクがありません。

女性向けとか高額所得者向けとかでなければ初回の家賃設定はほぼ同じ、建設請負額もほぼ同じです。

立地条件を無視してともかく建てて、低品質で経費を抑えて、建設で稼げるだけ稼ぐ。株は高いうちに売却。管理運営、家賃保証で問題が出てきたら契約解除とか会社を潰せばよい。などと考えているのではないかと思われる会社がいくつかあります。
中でも、レオパレスは酷い。立地条件が悪くて他社では引き受けない土地に家賃保証、しかも10年は減額無しに喜んで契約する地主が多かったように聞いています。


>>あまりにも、うまみの少ない事業であって、この先の見通しもまったく良くない。

過当競争だし、将来の人口減もあるしおっしゃるとおりだと思います
建設会社のセールストークは、昔は「儲かります」、今は「相続税が安くなります」です。
1億円でアパートを建てると相続財産の評価額が少なくとも6、000万円くらいは下がります。でも、最終的に損をする可能性は結構ありそうです。
Posted by nb at 2019年06月03日 11:50
>>実際、これと同種のことをやっている会社はない。

 なるほど。この1行は、不正確だし、なくてもいいので、横線を引いて、取り消しておきました。
Posted by 管理人 at 2019年06月03日 12:03
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