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トランプ大統領の支持層は、(ラストベルトなどの)貧しい白人労働者だった……と報じられた。
特に朝日新聞はこれについて、特別レポートを書いて、新聞の賞をもらったほどだ。
→ 「労働者は民主」イメージ覆した街 共和が得票率伸ばす:朝日新聞
→ ラストベルトに住んでみた 私が見たトランプ支持者の今:朝日新聞
→ ボーン・上田賞に朝日新聞の金成記者 トランプ現象ルポ:朝日新聞
しかしながら、トランプ大統領の支持層は、(ラストベルトなどの)貧しい白人労働者だったというのは、誤報ないし嘘だったようだ。次の事実があるからだ。(出口調査についての解説記事)
16年の米大統領選挙でも報道各社は出口調査による分析に力をいれた。白人の 58%、大卒白人の 67%がトランプ氏に投票した――など、人種や学歴、所得など階層ごとの結果を報じ、……
( → (もっと知りたい)参院選:4 開票前に「当選確実」、なぜ分かるの?:朝日新聞 )
「白人の 58%、大卒白人の 67%がトランプ氏に投票した」
ということから、トランプの支持層については、次のことがわかる。
・ 大卒白人(つまり高所得の白人)では 67%。
・ 白人全体では 58%。
・ 大卒以外の白人では、50%程度。(たぶん)
このことから、次のように結論できる。
「トランプに投票したのは、白人のうち、大卒(高所得者)では 67% と圧倒的に多かったが、大卒以外(低所得者)では 50% 程度であり、民主党候補への支持率とほぼ同程度であった」
つまり、次の命題は間違いである。
「トランプに投票したのは、低学歴で貧しい白人である」
マスコミは上のように報じたが、それは間違いだったわけだ。
[ 付記 ]
考えてみれば、それは当然である。
トランプ支持層は、共和党支持の保守派である。彼らは「所得再配分をすると、高所得の自分たちの金が奪われて、貧しい黒人たちの福祉に使われる。そんなのはまっぴらごめんだ」と思う。かくて、「税率を下げて、福祉を減らす。保険は自分で民間保険に入る」というふうにしたがるわけだ。
そう望むのは、高所得の白人が多いのだから、低学歴で貧しい白人はお呼びではないのだ。
( ※ これらの貧しい白人は、前は民主党支持が多かったようだ。それがかなり減ったとはいえ、拮抗しているぐらいであって、逆転したとまでは言えないようだ。)