2019年05月27日

◆ プラごみ削減の盲点

 プラごみを削減するために、レジ袋やストローの使用をやめよう、という運動がある。だが、効果が疑われる。

 ──

 海洋汚染の防止のために、プラごみを削減する、というのはいい。
 では、レジ袋やストローの使用をやめよう、というのはどうか? それによって、プラごみを削減することができるのか?

 そう疑って、私の行動を考えてみたら、「効果はまったくない」と判定した。理由は、次の通り。
  ・ もらったレジ袋は、家庭で使ってから、プラごみとして出す。
  ・ 飲食店で使ったストローは、飲食店でプラごみとして返却する。


 いずれにせよ、レジ袋もストローも、100%回収されている。プラごみにはならない。とすれば、レジ袋やストローを廃止したところで、プラごみの削減にはならないのだ。もともとプラごみになっていないのだから。
( ※ 少なくとも私の場合にはそうだ。)

 一方で、プラごみになるようなものは、何か? 考えると、次のようなものが想定される。
  ・ 外の会場で配布されたビニール袋(内容物あり)
  ・ 小さなペットボトル飲料

 これらについては、処理がかなりあやふやである。私はともかく、不心得者だと、いい加減にポイ捨てしそうだ。
 そして、こういうふうにポイ捨てされたものが、プラごみの大部分だと推定される。

 ──

 要するに、プラごみの削減を考えるには、「使用量を減らす」ことばかり考えていても駄目なのだ。「回収率を高めること」を重視するべきなのだ。
 そして、個々の回収率を操作できないのだとすれば、「回収率の低い物品に限って使用量を減らす」というふうにすればいいのだ。

 具体的には、こうだ。
  ・ 自販機のペットボトルを、金属や紙に変更する。
  ・ 弁当の容器を、プラスチックから紙に変更する。

 これらの例では、「プラスチックの使用量を減らす」ということには、大いに効果があるだろう。いずれもポイ捨てされやすいものだからだ。
 一方で、スーパーのレジ袋や、スタバのストローなどは、使用量を減らしても効果はほとんどない。どっちみち、その大部分は回収されて、プラごみとして処理されるからだ。(海洋には流れ出さない。)

 環境保護を真に考えるのならば、「環境保護の意識を高めよう」とするよりは、「実際にプラごみの海洋流入を減らそう」とするべきだ。つまり、(エコ教という)宗教よりも科学の発想を取るべきなのだ。
 そこまで考えれば、レジ袋やストローにとらわれる発想がいかに非科学的であるか、わかるはずだ。そんなことを考えるよりは、まずはペットボトルや弁当のプラスチックを削減するべきなのだ。
( ※ 昔は使い捨てで、木の弁当箱もあった。折り詰めだ。似たものを、今なら紙でも作れそうだ。)

posted by 管理人 at 22:00 | Comment(3) | エネルギー・環境2 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
>昔は使い捨てで、木の弁当箱もあった。

個人的な感覚ではありますが、
竹を加工してコンビニ用の弁当箱は作れないのでしょうかね?

竹なら成長が早いので、いくらでも作れそうな気がするのですが……。
Posted by 反財務省 at 2019年06月02日 11:32
 竹は、素材としては豊富だが、加工が難しいので、コストがすごくアップしそうです。手で作るなら、竹の笹でも使えばよさそうだが、笹でも筒でも、機械には扱いにくそうだ。
Posted by 管理人 at 2019年06月02日 12:00
弁当ならいっそのことイートイン優遇&お持ち帰りにはデポジットで回収率を高める
でしょうか。
Posted by 横断中 at 2019年06月03日 04:43
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