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当初から懸念されていたことではあるが、まさしく懸念通りで、大きな問題が発生している。朝日新聞・声欄 2019-05-26 の投書。「移動が大変だ」という趣旨。
・ 筑地は平屋なのに、縦の階層を移動する。
・ 鮮魚と青果とで、場所(棟)が遠く離れている。
・ 仕入れにかかる時間がこれまでの2倍になった。
・ 駐車場が少なくて、有料だ。(コストもかかる)
裏付ける声もある。
場内移動が大変
市場は複数の棟がありますが、棟と棟の移動はかなり大変です。
どこへ行くにも一度ゆりかもめの駅まで戻って、次の棟へ行くような動線で、棟と棟を直接結ぶデッキは一切ありませんでした。
( → 豊洲市場の口コミ - トリップアドバイザー )
他にも同種の意見はある。
一般駐車場が遠く、施設の移動も時間がかかります。無駄な時間が多くなります ちょっと豊洲まで買い物に、という気軽さはうせます。
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築地と違ってやはり綺麗であるが、広すぎて移動が大変である。
( → 2019年 豊洲市場へ行く前に!見どころをチェック - トリップアドバイザー )
旅行者の評価は、2.5点(5点満点)であるそうだ。
図を見るとわかりやすい。

たしかに大変そうですね。
で、問題の核心をひとことで言えば、こうだ。
「利用者の動線のことをまったく考えていなかった」
動線というのは、建物の設計で最も大事な点の一つなのに、そこを考えていなかった。要するに、設計がど素人だ、ということだ。
以前の築地市場は、外国人観光客にとってお薦めスポットのベスト1になるぐらいの人気地だったが、豊洲市場は遠く及ばないようだ。「疲れるばかりだった」という悪評を背負いかねない。
いっそのこと、閉鎖した方がいいかも。(というのは極論だが。)
[ 付記 ]
とりあえずは、対策として、次のことを提案したい。
「鮮魚と青果市場を棟で分けるのをやめる。一つの棟のなかに双方を混在させる。どうせ似たような店が多いのだから、他の店でも代わりになるのだ。だったら、一つの棟で片付いた方が、利用者にとってはありがたい」
私のお薦めは、こうだ。
「安い棟と高い棟で分ける。前者は大衆的な野菜と魚を売る。後者は高級な野菜と魚を売る」
つまり、供給者の都合で分けるのではなく、利用者の都合で分ければいいわけだ。
意外な発想。コロンブスの卵。
かくて問題は解決する。失敗転じて、成功となる。困ったときの Openブログ。
あと、築地は銀座からブラブラ歩いて行ける距離も魅力で、銀座の煌びやかさから一気に別世界へワープできるような不思議な感じも良かったです。
豊洲は単なる埋め立て地の無機質な工場って感じですね。行く気が全く起きませんし。
あと、仕入れの多様化で市場そのものが古い価値観の中で形骸化していきそうです。
加えて、得意としている先見性を欠く発想でもありました。
それは、取引量・取引形態の読みです。