2019年05月26日

◆ 列車の自動運転の極限化

 列車の制御が進化している。ATS から無線制御へ。これをさらに大幅に進化させることを提案しよう。

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 列車の制御が進化している。有線式の ATS から、無線式の ATACS(JR東) や CBTC(東京メトロ) へ。
 そのいずれも、先行車の情報を無線で取得することで、精密な運行の制御が可能となっているそうだ。
 このことで、事故が起こる危険性を下げると同時に、列車の運行間隔を短くすることが可能となる。
  → 列車の制御、新時代へ 位置情報発信、車間保つ 路線データ搭載、脱線防ぐ:朝日新聞

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 列車の運行間隔を短くできるというのは、非常に有益だ。都市圏の通勤混雑を解消する効果があるからだ。特に、他に手段がない路線(東急・田園都市線など)では有効だろう。
  → 東急社長が語る田園都市線混雑解消の「秘策」 | 東洋経済
 東急もそこそこ努力はしているのだが、若干の効果はあるものの、混雑を解消するには程遠い状況だ。

 ここで、冒頭の技術を導入すれば、東急の現状の手当てとは別に、いっそう混雑緩和の効果がありそうだ。新技術の導入は、歓迎するべきことだろう。

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 しかし、それでもまだまだ足りない。困った。そこで、困ったときの Openブログ。画期的なアイデアを提案しよう。こうだ。
 「列車の運行間隔を、極限まで短縮する。陸上の 400メートルリレーの選手のバトンタッチのように、手で触れることができそうな距離まで、先行車と後続車の距離をギリギリまで短縮する」


 これこそが極限状況だ。このような極限状況を目指して技術開発するべきだ。それに比べると、冒頭の技術はまだまだ甘い。技術発展の余地はまだまだある。

 では、具体的には、どういう技術があればいいか? そのための原理を示せば、こうだ。
 「先行車と後続車の相対速度がゼロになる状況では、衝突しても衝撃はゼロなのだから、そのときの車間距離はゼロ同然にまで縮めることができる」

 逆に言えば、こうだ。
 「車間距離をゼロ同然にまで縮めるためには、そのときの先行車と後続車の相対速度がゼロになるような状況をつくればいい」

 これはどういうことか? 従来との差を言えば、こうだ。
 「従来方式では、先行車の速度がゼロである(停止している)ことを前提として、それに衝突しないように、後続車は車間距離を保っていた。
 新方式では、先行車の速度がゼロでない(すでに発車している)ことを前提として、それに衝突しないように、後続車は車間距離を保ってばいい」

 この新方式は、400メートルリレーの選手のバトンタッチと同様である。先行車はすでに走り出しているということを前提として、ほとんど同じ速度でバトンを渡す感じになる。実際には、バトンは渡さないが、バトンを渡すような感じで、車間距離を最小限にまで縮める。

 このようなことをするためには、どんな技術が必要か? こうだ。
 「先行車との距離をミリメートル単位 or センチメートル単位で測定することのできる、精密な測距の技術」
 これは、実は、自動車の自動ブレーキ技術にそっくりだ。(単眼カメラ方式では無理だが)ステレオカメラ方式やミリ波レーダー方式を取れば、「ミリメートル単位 or センチメートル単位で測定することのできる、精密な測距」が可能となる。
 こういう技術を導入すれば、400メートルリレーの選手のバトンタッチのときと同様に、先行車と後続車の相対速度をゼロにまで持ち込むことが可能だ。(後続車の速度をコンピュータで自動制御すればいい。自動ブレーキの技術に似ている。似ているというより、そっくりそのままだ。)

 かくて、次のことが言える。
 「自動車の自動ブレーキの技術を援用すれば、列車の自動運転を極限化することが可能だ。つまり、列車の運行速度を、理論上の最大限にまで高めることが可能だ」


 朝日新聞の記事は、「新技術はすごい」というふうに称賛している感じだ。しかし、そのような新技術は、まだまだ甘いのである。本項で述べたような方法を取れば、さらに大幅に高い技術レベルにまで進むことができるのだ。
 そして、そのためには、特別な新技術を開発する必要はない。すでにある自動車の自動ブレーキの技術を転用するだけで済むのだ。
 ここで必要なものは、特別な知性や巨額の開発費などではない。「発想の転換」だけで済む。それはいわば、「コロンブスの卵」みたいなもので、意外なヒラメキのことである。



 [ 付記 ]
 効果はどのくらいか?
 山手線の運行は2〜3分に1本ぐらいで、次の列車までの待ち時間は1分間ぐらいだ。この1分間をゼロにすれば、3割ぐらいの増発が可能になりそうだ。
 とはいえ、混雑などで発車が遅れると、数珠つなぎみたいになって、それ以後は渋滞が発生しかねない。渋滞の発生を防ぐためには車間距離を保つ(≒ 変動に対する余裕となるバッファーを用意しておく)ことが必須となる。( → 渋滞学の研究成果 )
 それゆえ、ある程度は余裕を持たせておくことが必要となるが、それでも、2割ぐらいの増発は可能となりそうだ。



 【 関連動画 】



posted by 管理人 at 09:45| Comment(5) | 自動車・交通 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
乗客のマナーを向上させないと、せっかくの新技術もパーですね。利用者に起因するダイヤ乱れが多すぎますので。

・発車間際の駆け込み乗車
・満員状態からのタックル乗車
・ホームと電車の隙間へのスマホ落とし
・ドアへの荷物挟まり(雨天時は傘)
など、

あと、最近多いのが、
・急病乗客の救護

私が利用している某路線では、週の半分くらいは、ダイヤ通りに動いておりません。
Posted by 反財務省 at 2019年05月26日 13:13
 まあ、ダイヤ厳守が目的じゃなくて、混雑率の緩和が目的だから、ダイヤ通りにはならなくても、本数が増えて混雑率が下がれば、それで良しとしましょう。

 なお、仮に本数が同じだとしても、本項の方法を取れば、バッファが大幅に拡大するので、トラブル発生後に正常化する時間が大幅に早まります。

 ※ 先行車がトラブルで停止しているときに、後続車はすぐそばまで接近できる。すぐそばまで接近しても安全だから。
Posted by 管理人 at 2019年05月26日 14:03
山手線や環状線が全部繋がって動く歩道状態にするとか(冗談です)
Posted by 京都の人 at 2019年05月27日 22:26
>>ステレオカメラ方式やミリ波レーダー方式を取れば、「ミリメートル単位 or センチメートル単位で測定することのできる、精密な測距」が可能となる。

それらにそんな精度ないですね。
せいぜいmオーダーです。
それに対列車に限定するならば単眼カメラでも同様の精度が出せます。列車の大きさは既知なので。
Posted by 細波 at 2019年06月07日 23:48
> それらにそんな精度ないですね。

「測距儀 精度」「測距計 精度」で調べ直しました。たしかにちょっと大げさすぎたかも。ただし、

> せいぜいmオーダーです。

というほどひどくはない。測距儀でも 30cm ぐらい。ミリ波レーダーなら cm ぐらい。
Posted by 管理人 at 2019年06月08日 05:42
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