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日産がゴーンへの報酬を決めた。( 10日ほど前の報道だが、目立たない記事だったので、気づかなかった。)
日産自動車は5月14日、過年度の有価証券報告書の訂正を提出した。東京商工リサーチがその変更内容として、2014年3月期から2018年3月期にかけてのカルロス・ゴーン会長の訂正報酬額を伝えた。
毎年、高額報酬が話題となっていたゴーン元会長は、株価連動型インセンティブ受領権などで増額され、開示金額は総額140億2900万円と、当初開示した報酬総額(49億3400万円)の2.8倍に膨らんだ。
( → 日産、過年度の有価証券報告書訂正 - ゴーン氏の報酬総額は140億超 )
下記にも同様の話がある。
→ ゴーン被告報酬、直近3年全国トップ10入り 日産が有報訂正 - 産経
これだけ見れば、ただの「記載の数字の訂正」だ。だから、たいしたことはないようだが、これは重要な意義を持つ。
なぜか? この数字を記載したということは、「ゴーンへの(未払い)報酬を支払うと決めた」ということだからだ。
すると、ゴーンとしては困ってしまう。なぜなら、弁護側のこれまでの主張は、
「報酬を受け取るかどうかは確定していない」(ゆえに違法ではない)
というものであったからだ。
ここで、未払いの報酬を受け取れば、報酬が確定してしまう。「確定していない」というこれまでの主張は成立しなくなる。
また、「将来のコンサルタント料としての支払いだ」という理屈も、「将来のコンサルタント契約を結ぶつもりはない」ということが明らかなのだから、ゴーンとしては、(自説に従えば)「その膨大な金を受け取る意思がない」ということになる。
記事によれば、追加で受け取る額は、91億円( 90.95億円 )だ。正規の報酬の 1.8倍だ。これほど巨額の金を、受け取り拒否できるだろうか? むしろ、この金を受け取った上で、牢屋に入った方が得ではなかろうか?
今回の金額は、報告書に記載されただけで、日産はまだ支払っていない。これから「支払います」という呈示をするつもりなのだろう。
では、その呈示を受けたとき、ゴーンはどうするのか?
・ 受け取る資格のある報酬だと認めて、受け取る。
(ただし未記載が成立するので、記載違反の有罪)
・ 受け取る資格のある報酬だと認めず、受け取り拒否。
(未記載については無罪だが、91億円の損)
そのいずれかだ。ジレンマに陥る。ここで、ゴーンがどう出るか、非常に興味深い。
【 関連項目 】
こういうジレンマに陥るように、日産は報酬の支払いを申し込め……という話を、前に書いたことがある。
→ ゴーンの未払い金は? : Open ブログ
本項は、そこで書いた話と、ほぼ同趣旨である。
ただし、上記項目では、「こうすべき」という提案だった。
一方、冒頭の記事では、それがすでに現実化しつつあると示されたわけだ。
なお、上記項目の日付は、2018年11月26日。
冒頭の報道の日付は、2019年05月15日。
したがって、私が書いた話の方が半年ほど早い。
なお、数字は少し違っている。未払い金の額は、私の項目では 80億円だが、冒頭の報道では 91億円だ。若干の差がある。(当初の 80億円のあとで、追加の支払い分が見つかったようだ。ま、たいした違いではないが。)
【 関連項目 】
→ ゴーン弁護の詭弁: Open ブログ
※ 法律用語の話。特に読まなくてもいい。
