自動変速機メーカーのジヤトコとアイシンAW は、実質的に合併するといい。分割・統合という形で。
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ジヤトコは日産の子会社で、アイシンAW はトヨタの子会社だから、これらが合併するということは、通常ではあり得ない。しかし、今はグローバル時代なのだから、国内での競争だけを見ていれば、世界に負けてしまう。特に、ドイツの変速機メーカーは強力だ。
そこで、ジヤトコとアイシンAW が実質的に合併するといい。このことは、通常の合併に比べると、圧倒的に利点があることがわかる。
(1) 日産のトルコンAT
日産の米国市場での苦境は、トルコンAT を使わずに CVT を使うことだ、と前に述べた。
→ 日産の不振の原因は?: Open ブログ
どうしてそうなのかというと、日産の使うジヤトコのトルコンAT の性能が劣るからだ。(10年ぐらい前の旧式のものしかない。)
日産としては、最新型のトルコンAT が、喉から手が出るほどほしい。しかし、ジヤトコはそれを生産していない。ジヤトコとしても、たいして売れもしない日産の上級車のために、いちいち莫大な投資をして新規開発する気にもなれない。こうして、鶏が先か卵か先か、という感じで、日産としては最新型のトルコンAT を入手できずにいる。
ここで、ジヤトコとアイシンAW が合併すれば、日産はアイシンAW のトルコンAT を容易に使うことができるようになる。日産としては、懸案となった難題が、一気に解決する。
(2) アイシンAW の都合
日産はそれで良くても、アイシンAW の側はそうでもないかもしれない。むしろ、「敵に塩を送る」感じで、馬鹿げていると感じられるかもしれない。
しかし、そうではない。相手はルノー・三菱と合わせて、年産 1000万台の大メーカー群だ。これが一挙にお客様になるのだから、売上げ倍増も夢ではないのだ。労せずして売上げ倍増になるのだから、こんなにうまい話はあるまい。カモがネギをしょって来たようなものだ。喜んで受け入れることができるだろう。
(3) 合併か吸収か
しかしアイシンAW の側には絶対に譲れない点がある。それは「経営兼は完全に自分たちが握る」ということだ。つまり「対等合併」なんかではなくて、「アイシンAW がジヤトコを吸収する」ということだ。
これは、合理的ではあるが、ジヤトコの側としてはメンツが立たない。「相手の軍門に降るのはまっぴらごめんだ」と思う。
かくて「合併は無理」という結論になる。
(4) 独禁法
独禁法の問題もある。アイシンAW とジヤトコが合併すると、あまりにも巨大になりすぎる。これでは、日本でも外国でも、独禁法に抵触する。
かくて「合併は無理」という結論になる。
(5) 分割・統合
困った。そこで、困ったときの Openブログ。うまい案を出そう。こうだ。
単純に合併するのではなくて、事業を分割してから統合する。両社の事業を、トルコンAT と CVT に分ける。
・ 両社のトルコンAT 部門は、アイシンAW へ。
・ 両社の CVT 部門は、ジヤトコへ。
かくて、次の二つの会社ができる。
・ アイシンAW (両社のトルコンAT 部門をもつ)
・ ジヤトコ (両社の CVT 部門をもつ)
資本構成は、どちらもトヨタと日産が分けあうが、その比率は、(現在の)アイシンAW の価値と、ジヤトコの価値に、比例することになる。(おおざっぱには、トヨタの持株比率が日産の倍ぐらいになりそうだ。)
こうして事業を統合したあとは、工場もまた統合される。
・ ジヤトコのトルコンAT 工場 → アイシンAW へ移管
・ アイシンAW の CVT 工場 → ジヤトコへ移管
ジヤトコのトルコンAT 工場は、これまで遊休していた。だが、これからはアイシンAW の技術を使ってトルコンAT を生産し、アイシンAW のブランドを付けてから、日産やルノーや三菱に納入する。
トヨタとしては、これまでは(生産台数が低いせいで)コストの高いアイシン製の CVT を使っていたが、これからは(生産台数が多いせいで)コストの安いジヤトコ製の CVT を使えるようになる。
ジヤトコとしては、販売先がトヨタに広がって、 CVT の販売対象が倍増する。そのために、アイシンAW の CVT 工場を使う。しかも、今後は CVT の商品バリエーションを増やすことになるので、多様な CVT のうちで特化した製品をアイシンAW の CVT 工場で作ることもできる。(スポーツカー向けや高級車向けなど。)
ついでだが、日産デイズの CVT は、きわめて評判が悪い。コストダウンした(副変速機をなくした)せいで、性能がかなり低下したからだ。ベストカーの最新号に書いてある。
こういう問題も、「軽自動車向けには、副変速機ありと副変速機なしの2タイプの CVT を生産します」というふうにすれば、売上げの総数を増やすことができるだろう。
今のジヤトコは、コストダウンを最優先するせいで、モデル数を絞っており、CVT のモデル数がどんどん減っている。こういう問題も、「分割・統合」という形で、CVT の販売先が倍増することで、うまく解決できるだろう。
[ 付記1 ]
文中では「倍増」と記しているが、正確には「倍増」ではない。あくまで、おおざっぱな値。文句を言う人も出そうだが、あまり細かいことは言わないでください。
[ 付記2 ]
本項は、思いつきふうの思考実験です。これが実現するかどうかは、また別の話。
実際には、実現しないでしょう。「合併すれば生き残れるが、合併しなければ生き残れない」という状況になったときには、合理的な人ならば「合併」を選ぶが、日本人がそういうふうにした例はきわめて少ない。
家電メーカーは結局、「総崩れ」という道を選択した。それが日本の伝統だ。インパールや真珠湾みたいなものか。駄目とはわかっていても、崩壊に向かって突き進む。
ジヤトコあたりは、そうなる感じだ。
2019年05月11日
過去ログ

デイズで副変速機を省略したのは、コストダウンだけでなく、主に以下の理由からです。
要は軽自動車という制約のための合理化をはかったということです。
というより、CVT自体の製造コストは下がってますが、かなり気合が入った開発がなされているうえ、マイルドハイブリッドシステムも追加されているため、トータルコストはそんなに安くないのではないかと思います。
・衝突安全対策にボディ補強したいため少しでも軽量化したい
・サイズダウンによる室内空間拡張したい
・軽自動車は最高速度が要求されない
・上級グレードには低速加速はマイルドハイブリッドによる加速アシストがある
別に売っちゃいけない理由はないですから。
特許関係の制約は大きいでしょうが。
三菱は既にデリカでアイシン製ギアボックスを搭載しています。
それに欧州メーカーのZFなどから買ってもいい。
ただ、日産のガソリン車は今後はVC-Tエンジンになると思われ、可変圧縮制御と有段ギアボックス制御の相性がわるいことから、CVT中心の開発となるでしょう。平行して、e-powerシステムの強化と、EVの強化を行っていくと思われます。
それだけやったら、ジヤトコがどうなるの? 倒産するでしょ。日産は大損です。自分で自分の首を絞めるのも同然。
あと、そんなに大量の供給は、アイシンだけではできない。1000万台規模のメーカーに対応できない。
あと、既にエクストレイルの欧州向けはDCTとなることが発表されております。
日産の話をしているんじゃないの。間違えないで。
>「日本全体で資源配分を最適化して、日本の自動車産業を世界的に高レベルにするには」というテーマです。
だから欲しかったらアイシンからギアボックス買えばいいでしょ?
合併する必要性がない。
あなた、私の話を読まないで、本項とは関係のない日産の話ばかりをしている。また、私の話を日産の話だと勘違いしている。
ひどい誤読。
トルコン多段ATは重いでかいで、中型車以下には乗せるメリットが小さいですし、日産で台数が出るのはそういう小型車ですから。
あと、本文冒頭では会社規模を合併で大きくし、欧州メガサプライヤーに対抗するという趣旨でしたが、結局CVTのジャトコと、ATのアイシンにわけるんであれば、意味がないのでは?
とあるように、あなたも日産の話がしたくてたまらないんでしょう。
アルティマやインフィニティの CVT をアイシン製のトルコンAT に置き換えられたら、売上げ激減で、大赤字。金になるボリュームゾーンをごっそり奪われる。CVT の生産量の総数が激減して、研究開発費も出せなくなり、じり貧になる。
> 欧州メガサプライヤーに対抗する
勘違いしているようだけど、ライバルは欧州の変速機メーカーです。ボッシュなどは関係ない。
私のコメントを読んでいませんね。
>欧州の変速機メーカーです。
じゃあなおさら合併しなくてよいのでは?
合併は規模の利益のためではない。あなたは本項の趣旨(何が目的か)をまったく理解していない。別の項目の話と混同している。
毎度毎度、あなたは人の話をまったく理解していない。
とにかく、あなたは私の話を読まないから、対話が成立しない。
その分は別勘定で、なおさらジヤトコの倒産要因になるでしょ。(アイシンへの置き換えで)
なぜVC-TにCVTを組み合わせているかお考えになってはいかが?
>アルティマやインフィニティの CVT をアイシン製のトルコンAT に置き換えられたら、売上げ激減で、大赤字。金になるボリュームゾーンをごっそり奪われる。CVT の生産量の総数が激減して、研究開発費も出せなくなり、じり貧になる。
既に述べた理由で、アルティマやQX50は向こう5年はCVTでしょうね。
>しかし、ジヤトコはそれを生産していない。ジヤトコとしても、たいして売れもしない日産の上級車のために、いちいち莫大な投資をして新規開発する気にもなれない。
大して売れもしないのだから、別にアイシンのギアを採用してもジャトコにはたいした影響はないでしょう。
>合併は規模の利益のためではない。
そもそも合併のメリットが両者にないですし。
(2) アイシンAW の都合
少なくともこれらは現状でも、問題がないことがご理解いただけましたか?
ジャトコだってギアボックスの供給先は日産だけではないですよ。
私があなたの質問に答えるとしたら、本文を丸ごと引用するしかない。あるいは、「本文を読んで」というしかない。
しかしあなたは私の話をまるきり聞かないので、対話が成立しない。いったい何やっているの?
ま、あなたには何を言っても読んでもらえない、ということだけはわかりました。
>>>しかし、ジヤトコはそれを生産していない。ジヤトコとしても、たいして売れもしない日産の上級車のために、いちいち莫大な投資をして新規開発する気にもなれない。
> 大して売れもしないのだから、別にアイシンのギアを採用してもジャトコにはたいした影響はないでしょう。
揚げ足取りをしているんでしょうけど、解説すると。
ジャトコが自主的に開発するとしたら、それは現在7速AT を採用している分だけだから、ごく少数であるにすぎない。(アルティマなどが7速AT を採用するかどうかは、日産の話だから、ジヤトコには見通せない。)……これは、開発の話。自主的に開発をするか否か。
一方、アルティマなどがアイシンの AT を採用するとしたら、というのは、日産の都合。これは日産の話。日産が決めることであり、ジヤトコが決めることではない。で、日産がそうすると決めたら、量が莫大になるので、ジヤトコは倒産しかねない。
前者はジヤトコの開発の方針の話で、後者は日産の販売の方針の話。それぞれ別件です。あなたはそれを混同している。人の話をまともに理解できていない。頭のなかで、話がごちゃ混ぜになっている。