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前項では、トヨタの業績はとても好調だ、と示した。
→ 自動車産業の現状: Open ブログ
一方、トヨタの決算が出たが、とても好調である。
トヨタ自動車が8日発表した2019年3月期決算(米国会計基準)は、売上高が前年比2・9%増の30兆2256億円となり、日本企業として初めて30兆円を超えた。
本業のもうけを示す営業利益は2.8%増の2兆4675億円。
一方、最終的なもうけを示す純利益は、前年に米法人減税の影響で一時的に利益が押し上げられた反動などで24.5%減の1兆8828億円となり、2年ぶりの減益となった。
トヨタは、米法人減税の反動のため、当初から減益を予想。
( → トヨタ売上高、日本企業初の30兆円超え 19年3月期:朝日新聞 )
前期は特別減税で一時的に利益がかさ上げされたので、前期比では純利益が減っているが、営業利益は堅調に増えている。業界が(中国景気悪化で)減少基調になる逆境のなかで、これは立派だ。
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しかし、である。トヨタはろくに税を払っていないはずだ。そう思って、決算書を見たら、案の定だ。
項目 (前年:円) 本年:円
税金等調整前当期純利益 (2,620,429) 2,285,465
法人税等 (504,406) 659,944
両者の比率 (0.192) 0.288
( → 決算報告 | 投資家情報 | トヨタ自動車株式会社 公式企業サイト )
最後の1行が、実質的な法人税率(税負担 ÷ 利益)である.その値は、前年が 19.2 %、今年は 28.8 %。
まともに払えば、35〜40 %ぐらいは払っていいはずだが、それよりもずっと低い。さらに、数年前には、もっと低い割合だったし、ほとんど税金を払っていない年もあった。
もはや、税逃れのやり放題だ。ひどいものだ。
【 関連項目 】
では、どうしてこんなに納税額が低いのか(どうやって税のがれをしているのか)……という話題は、前に述べた。
→ 日本もタックスヘイブンだ: Open ブログ
方法は、海外で低率の納税をすることで、日本での納税額を減らしているのだ。
いわば、日本にいながら、タックスヘイブンを利用するようなものだ。日本そのものが仮想的なタックスヘイブンみたいになっているわけだ。
これはすべて、自民党の定めた税制度のおかげ。こうやって、自動車産業は税のがれをして、それで浮いた金をいっぱい自民党に献金する。かくて、win-win の関係になって、両者ともどもハッピーになる。
[ 余談 ]
トヨタと自民党はハッピーだ。
しかし、かわりに、税金を国庫から奪われる国民は、踏んだり蹴ったりだ。トヨタなどが納税しなくなった分を、消費税の増税でまかなうことになる。……差し引きすれば、トヨタが払うべき税金を、国民がかわりに払って上げるわけだ。自分はひもじいまま。

そして、それで不当な金を得た会社のおこぼれを、自民党がもらう。

円安で海外の販売価格を下げて売れ行きが良くなったというわけではなさそうで(具体的なデータを持っているわけではありません)単に帳簿上の円換算利益が増えただけ