下記項目の最後に 【 追記 】 を加筆しました。
→ 電機産業の没落: Open ブログ
※ 電子機器メーカーの「パイオニア」の没落という話です。その文章を、下に転載しておきます。
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【 追記 】 ( 2019-04-18 )
パイオニアが香港ファンドに売却された。
→ http://bit.ly/2DlRW7a
部門ごとに分割して売却すれば問題なかったのだが、どうしても会社の一体性を保つことにこだわったので、全株を香港ファンドに売却するそうだ。
朝日新聞が昨日からの3回連続シリーズで報道している。
→ https://www.asahi.com/articles/DA3S13980776.html
これで私が思ったのは、「だったら香港ファンドが一括買収してから、分割売却すればいい」ということだ。それを試算した人もいる。
一括購入費用 1000億円
分割売却収入 3200億円
差額 2200億円
→ https://www.orangeitems.com/entry/2018/12/11/000500
というわけで、買ってすぐに分割売却すれば、2200億円を丸儲け、となる。頭いい。
じゃなくて、こういうことを自分でできなかったパイオニアが、馬鹿すぎる。
上記サイトでは、「そんなことを許すな」と息巻いているが、香港ファンドは悪いことをしているわけじゃない。最も合理的に行動しているだけだ。つまり、価値が最も発揮されるようにしているだけだ。それが最も無駄がない。
なのに、あえて一括活動をすることにこだわるには、あえて 2200億円の無駄を出すことに等しい。馬鹿げている。そんなことも理解できないのが、現経営陣だ。
朝日の記事を見ると、パイオニアの経営陣がいかに馬鹿であるかが、はっきりとわかる。こういう馬鹿経営者に任せるよりは、利口な会社に任せる方が、はるかに無駄をなくすことができるのだ。そのためには、事業ごとの分割が最善なのだ。そして、その場合に、会社(および株主)は最大の利益を得ることができる。
駄目経営者は「現体制の一体化」という名や形を求めるあまり、最も無駄の多い道を選び、最大損失を出す。そして、それを止めるだけで、香港ファンドはボロ儲けができる。ここでは、香港ファンドは悪をなすのではなく、愚者の愚行を止めることが本質だ。
2019年04月18日
過去ログ
Macからですと飛べるのですが、仕様でしたらすみません
パイオニア経営上層部にはほんとうにガッカリです。
私自身はパイオニアのサイバーナビを長く愛用していますが
コモディティ化しきって先細りしかないカーナビになぜ「選択と集中」してしまったのか疑問でした。
プラズマディスプレイにいちはやく見切りを付けたあたりでは中々の経営陣だなと思っていたのですが。
ファンとしての偏った視点かもしれませんが、技術は間違いない会社ですし
カロッツェリアブランドそのものには魅力が残っていると思うので
上手く再生してくれることを願っています。
ご指摘ありがとうございます。リンクを修正しました。
> プラズマディスプレイにいちはやく見切りを付けた
いやいや。遅かったです。松下よりは早くやめたようだが、私はその数年前から、「プラズマなんかは見込みがないんだから、こんなのにこだわっていると倒産するぞ」と危惧していました。プラズマは液晶よりも高価格で画像が見にくい。当初はほぼ互角だったが、その後はどんどん差が付いて引き離されるばかり。なのにいつまでもプラズマにこだわっていた。
パイオニアは中小企業なので、単独で生き残るのは難しいし、それだけの価値もない。技術者は優秀なので、技術者を集団で売却する方がずっと有益です。
東芝メディカルもキヤノンに売却したのが最善だった。それと同様。
サンスイ、ナカミチ、赤井電機の道を辿るのか、或いはオンキョーやティアック、ケンウッドのように一応踏みとどまって存続できるのか...
アイワみたいに他社に吸収されるのが一番いい。人や資産が最大限に生かされる。ブランドを残したければ、ブランドを売却すればいい。これもアイワと同様。
アイワは元々ソニーとの資本の繋がりがあったのでソニーによる吸収に至ったのだと思います。それでも吸収後、消滅した記憶があります。現在二代目法人として復活しているようですが、ソニーの関連会社の子会社?でしょうか。辛うじて”アイワ”の名が残っているという印象です。
紆余曲折あったアイワの軌跡の中で、どの時期のアイワを指しての提言でしょうか。
質問する前に、Wikipedia を見よ。
見た上で”紆余曲折”という表現を使っているわけですが。
で、アイワが傾いてソニーが吸収した事例は、果たして”人や資産が最大限に生かされた”好例なんだろうか、と。
ソニー内で”アイワ”ブランドは結局消滅しました。又、「最新のデジタルがわかる技術者がたった10人程度しかいなかった」
とWikipediaにある中で、旧アイワの人や資産がどう生かされたのか、やはり関心のある処です。