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大手の電力会社がダンピングしてシェアを増やしているので、新電力の売上げが激減している……という話がある。朝日新聞の記事だ。(無料で全文が読める)
→ (てんでんこ)電気のあした:10 取り戻し:朝日新聞 2019年3月23日
一部抜粋しよう。
自由化で奪われた需要を取り戻そうと攻勢をかける大手電力に対し、価格競争を続ける体力を持っている新電力はほとんどない。経営悪化から大手電力の影響下に入る新電力も相次ぐ。このままでは大手だけが生き残り、電力自由化の意味がなくなる。
しかし、本当だろうか? どうも疑わしく思えるのだが。
そこで調べてみたら、あらら。記事とは正反対の統計データが出た。

出典:新電力のシェアが13.5%に拡大
最新データでは、下記だ。
→ 新電力のシェア率、さらに増加 2018年12月時点の販売電力量で14.8%
要するに、新電力のシェアは増えるばかりである。
大手企業向けの高圧電力は、一進一退で、増えも減りもしないようだが、一方、家庭向けの低圧電力は、順調に増え続けている。総量でも、増えるばかりだ。
かくて、朝日のこの記事は、嘘ばっかり。ほとんどトンデモ記事か、誤報だ。いったい、何を調べて書いたんだろう? 呆れるしかない。
ともあれ、こんなデタラメ記事が出回っているのは不当なので、本項で指摘しておいた。
( ※ 朝日のこのシリーズ記事は、やたらとアンチ電力会社で、過激派の思想に染まっているが、どうなっているんだろう? 26日の記事では、電力会社の電力施設を没収しろ、なんていう共産主義的な超左翼理論まで紹介されているので、唖然とする。)
[ 付記 ]
ただし、朝日のこの記事で、妥当な点もある。それは、
「大手電力が新電力を相手に、ダンピング合戦をしている」
ということだ。正規価格の約半額で売り込むなんて、ひどい値引きだ。これじゃ、普通に契約している人は、損するばかりだろう。特に、小企業や家庭は、値引きする対象とならないので、正規価格で購入するしかない。ひどいものだ。
で、こちらで儲けた金をつぎこんで、大手需要家にはダンピングするわけだ。
こういう不当な競争をこそ、指摘するべきだった。朝日は経済のことがまるきりわかっていないんだな。だから問題の本質もわからない。
( ※ 環境のことばかり考えているから、経済的な問題を理解できずに看過する。……どうも、科学系でもなく、法経系でもなく、ただの文学系かな。)
自宅では新電力を利用しているのですが、大手の電力会社か、その委託会社から電話を受けました。
”料金プランを見直すから戻ってきてくれないか”
というセールスです。結局、今の条件のほうが優っていたので戻さなかったのですが。
この話と同じ頃、当該新電力会社と旧来大手との提携が報道されました。