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専門職大学というのが新たにできるそうだ。4年制大学と2年制の短大の中間に位置する、3年生の高等教育機関。教育内容は専門学校に似て、専門職の技能修得だが、専門学校よりは高度であるらしい。最も重要なのは、高等教育機関として認められることで、私学助成の対象となることであるようだ。
これは、朝日新聞の記事で知ったのだが、記事は無料で全文を読める。(登録すれば)
→ 「専門職大学」2大学1短大4月開学 「質の高い職業人」育つか:朝日新聞
他にも関連情報は見つかる。
→ 専門職大学 - Wikipedia
→ 専門職大学ってなに? 2019年4月スタートの新しい学校制度をわかりやすく解説
→ i専門職大学(仮称・設置認可申請中)とともに学生を育成する…
→ 次世代のプロフェッショナルを育成する“専門職大学”
産業界の意向を受けて、安倍首相が推進した……ということらしい。これだけ見ると、かなり胡散臭いのだが、動機はともかく、結果だけを見れば、悪くない(むしろ良い)ことであると思える。
もちろん、四年制大学のかわりにはならないのだが、対象となる学生が、四年制大学には入れない層であるとすれば、この低い層に、(専門学校よりも)高度な教育を与えることは悪くない。
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ただ、私としては、次のように評価したい。
「現状では、四年制大学の最底辺層は、Fラン大学に入っている。しかし、このような層は、四年制大学に入る(事務職・総合職をめざす)よりも、専門職大学に入る方が好ましい。そこで専門職の技能を修得する(手に職をつける)方がいい」
これはつまり、
「Fラン大学に入りたがる人は、専門職大学に入れ」
ということであり、
「専門職大学をつくったら、Fラン大学をつぶせ」
ということだ。
これをもって、私の結論としたい。
【 関連項目 】
→ 底辺大学をつぶせ: Open ブログ
※ ここでも「Fラン大学をつぶせ」と言っている。
→ Fラン大学の無償化: Open ブログ
→ Fラン大学が消えた?: Open ブログ
※ 上の2項目は、ただの参考記事。
【 関連サイト 】
現状の専門学校はどうか? 下記に例がある。
→ 学科・コース|専門学校 東京モード学園
就職率は 100%で、一流の就職先もいっぱいあるそうだ。
→ 内定実績【2019年3月卒業予定者】|専門学校 東京モード学園
この点では、Fラン大学なんかよりも、ずっといい。
また、アニメーター学校に入ったすえに、、アニメーターになって低賃金にあえぐよりも、ずっといい。
この学校の経営母体(学校法人日本教育財団)が、同じような分野で、専門職大学を作った。
実は私も、東京モード学園に行ったことがある。……といっても、建物に入っただけだが。なぜなら、この建物は日本で一番カッコいいビルだからだ。
→ モード学園コクーンタワー - Wikipedia
新宿に行けば、いやでも目に付くビル。
ビルの入口だけなら、誰でも入ることができる。その先では改札口みたいな検問があって、学生しか入れない。
Google やマイクロソフトの社員じゃあるまいし、新宿駅前でこんな超高層ビルに入るなんて、何てぜいたくな学生なんだ……と思ったが、高い学費を払ってもペイするほどの、優秀な就職実績があるのだろう。
と思ったが、学費は思ったよりも安い。他校と同程度だ。意外だった。
→ 【昼間コース】学費・入学手続き|入学要項・学費サポート|専門学校 東京モード学園
就学年数が違うだけ?
高校 + 専門職大学 = 6年
高校 + 短大 = 5年
高専 = 5年
→ http://j.mp/2CE1ZUX
一方で、専門技術を学ぶには有利なので、あまり頭が良くない人にとっては、一芸に秀でる効果が出て、就職に有利となる。Fラン大学生みたいに、あちこち手を出して何もできないのとは、対極だ。
専門性の高い工業系なら高専はよさそうだが、それ以外だったら、高校と専門職大学の方がよさそうだ。高校の基礎学力の分、汎用性があるし。
いわゆるFランク大学に進学する人と比較するのが失礼なレベルです。とくに国公立の高専にいく連中は普通の高校→大学のコースをたどるなら悪くても(理工系がある)MARCH、ごく標準的な高専生なら地方国公立、早慶に一般入試で入ることができる能力があります。
もちろん企業サイドもそのことをよく知っているので、卒業生も一部上場の大企業でも幹部候補として処遇されています。
工業系に限った話しか存じませんが、高専卒で東大、東工大、名大あたりに編入する学生は希少というほど少なくありません。その後、大学に残って研究者の道に進んだり、研究職として企業に採用されることもよくあります。高専卒での入社は短大卒と同じ扱いかもしれません。国公立の高専をちょっと過少評価されている気がします。
一方、東京モード学園ですがこちらは過大評価と感じます。東京や名古屋にあるあのビルを見ると、教育機関というより事業会社という印象を拭えません。就職率は100%かもしれませんが、よく見るとカタカナ職業と美容師という、一生の生業とするには心許ない職種が多いような。
同じ経営母体が運営するHAL名古屋とか医療医専の方が地に足ついている気がしますが、もう少し内実をしらべてみないとなんとも言えません。
看護師、臨床工学技士、臨床検査技師は報酬は別にして安定しています。ただしこれらの職種は大卒前提になりつつあるので専門学校の埒外になりつつあります。(看護師の上位資格である保健師や助産師は大卒でないと合格が困難になりつつある)
救急救命士は専門学校で取得できる資格ですが、採用は非常に厳しいですね。救急救命士が救急救命士らしく仕事ができるのは消防関係くらいなものですが、消防関係は基本的に高卒の体力エリートを公務員試験で採用した後に組織内で救急救命士の資格をとらせますから、救急救命士の資格をとっても採用に至らないことがほとんどです。ほかを見渡してみても医療機関で志望者が救急救命士であることを評価するところはほとんどありません。
上記日本教育財団運営の医療医専サイトで救命救急学科の主な就職先を見ると
https://www.iko.ac.jp/nagoya/course/ce
ほとんど消防本部なんですが。ただ、定員、卒業率、資格取得率等不明な部分が多すぎです。
『国家資格 合格保証制度』や『完全就職保証制度』等が謳われ、10年連続希望就職率100%とは標榜されていますけど。