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特に論評するつもりはないのだが、興味深い話を見つけた。
この犯人の犯行理由は、白人社会を侵略する有色人種を許せないから、ということであるそうだ。
実行犯のタラント容疑者のものとみられる74ページの犯行声明文がインターネット上に投稿されている。非白人の移民が欧州などの国々で人口を増やすことを「白人へのジェノサイド(集団殺害)」などとして危機をあおっている。2017年4〜5月に西欧を旅行した体験を挙げ、「フランスで訪ねたどんな小さな街にも侵略者がいた。非白人が多いというのは誇張だと思っていたが、実は全く控えめな言い方だったとわかった」と強調。その際「暴力的で革命的な方法が、現在の危機に対する唯一可能な解決策だ」と悟ったという。
( → 「白人危機」あおる声明 NZ乱射、銃5丁所持 豪州人の男、殺人罪で起訴:朝日新聞デジタル )
では、この犯人はどうして、欧州でなくニュージーランドで事件を起こしたのか? 事件を起こすのなら、欧州でやればいいのに、ニュージーランドでやるのは筋違いでは? ……そう思っていたが、記事の続きにはこうあった。
ニュージーランドには犯行の計画を練る間に一時的に住んでいただけで、「世界の最も遠いところでさえ侵略者がいる」ことが示せると考え、犯行場所に選んだという。
ほほう。これはおもしろいですね。なぜか? それは、ニュージーランドやオーストラリアは、もともと先住民のものであったからだ。
ここでは、侵略者は白人なのだ。なのに、その歴史を知らないのだろうか?
かくて、歴史的無知に基づいて、侵略者である白人を先住民と見なした。そのあとで、有色人種を侵略者と見なしたわけだ。
これじゃ、まるで、自分で鉄砲をぶっ放しながら、「鉄砲で撃たれた!」と騒いでるようなものだ。
うーん。むちゃくちゃですね。ほとんどギャグだ。これほど馬鹿げた事件は、滅多にないね。
[ 余談 ]
似た愚行。
・ トランプ大統領による、非常事態宣言。(国境の壁)
→ 参考記事
・ 安倍首相による、データ取り扱いの提言。
→ 参考記事
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先住民を「アボリジニ」と記しましたが、これは間違いだったので削除しました。
アボリジニは、オーストラリアの先住民。
ニュージーランドの先住民は、マオリ族(マオリ人)でした。
両者は区別されます。
https://oshiete.goo.ne.jp/qa/1826502.html