2019年03月03日

◆ コンビニ 24時間営業は違法だ

 コンビニ 24時間営業が問題となっている。そこで、これは違法であることを示そう。

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 コンビニ 24時間営業が問題となっている。本日の朝日新聞・社説でも論じている。
  → (社説)コンビニ24時間 変化を直視し改革を:朝日新聞 2019-03-03

 しかしここでは、「どうするべきか考えよう」と言っているだけで、問題を放り出しているのも同然だ。
 そこで解決のため、具体的にどうするべきかを考えよう。(困ったときの Openブログだ。)

 ──

 前に、「 24時間営業を法的規制せよ」と述べたことがあった。
  → コンビニ24時間営業の規制: Open ブログ

 しかし、もっとうまい方法がある。いちいち立法する必要もない。現行法においても 24時間営業は違法だ、と示すことができるのだ。これなら、裁判に訴えるだけでも、24時間営業を止めることができる。
 では、どうやって「違法である」と示すか? そこが問題だ。ここでは、うまく法律を適用することが必要だが、普通に考えただけでは、「違法である」と示すことは難しい。そこで、ちょっと人の気づかない工夫で、違法であることを示そう。
 これはちょっと、テレビドラマに似ている。
 「誰もが気づかなかった特別な視点で見ることで、事件の隠された真相を明かす」
 という手法だ。いわば、謎をほぐして真相を解明する名探偵の手法だ。こういうことこそ、本サイトに求められていることだろう。
 そこで、名探偵ふうに、以下で真相を示そう。

 ──

 そもそも、24時間労働なんてものは、労基法で明白に違法化されている。ではなぜ、それが現状では合法扱いになっているのか? それは、労基法の適用を免れるように、コンビニ会社が特殊な契約をしているからだ。つまり、こうだ。
 「労働時間については何も契約しないが、店舗の営業時間については契約する。そこでは 24時間営業を義務づける」

 こういう形で、営業時間の契約をすることで、労働時間の管理に関する労基法の適用を免れている。
 これで、実質的には違法な 24時間労働が、形式的には合法とされる。(違法とならないことになる。)

 しかしながら、法律の適用というものは、形式犯を見逃さないのが原則だ。
 「形式的に合法であれば、違法行為も許される」
 というふうに素人は思いがちだが、実際はそうではない。仮にそういうことを許すと、脱法行為がまかり通る。そこで、形式よりも実質を見ることで、
 「形式的に合法でも、実質的に違法であれば、違法だ」
 と認定するのが、現実の裁判だ。

 たとえば、脱税では、脱税をする人があれやこれやと帳簿の記入をゴマ化して脱税したがるが、それを見抜いた国税庁は、「形式的には合法でも実質的には脱税だ」と判定して、徴税して、かつ、追徴金を徴収する。
 ゴーン不正事件でも同様で、ゴーンがいくら形式的にゴマ化そうとしても、その工夫そのものが脱法行為と見なされて、最終的には違法と判定されるはずだ。

 労基法でも同様だ。次のような例がある。
 「労働者を管理職に任命することで、残業手当の支給を免れるようにして、サービス残業をやたらとやらせて、残業手当の支払いを免れる」
 こういう事例はときどきあるが、すべて「違法だ」と認定される。たとえ管理職に任命したとしても、権限も賃金も与えられていない下級労働者であれば、「管理職」とは認定されない。「名ばかり管理職」とされる。もちろん、残業手当の支払いを免れるということは許されない。このことは判例ではっきりと定まっている。
  → 名ばかり管理職は違法性が高い|管理監督者との見分け方|労働問題弁護士ナビ

 実は、「名ばかり管理職」とまったく同様に扱えるのが、コンビニの店長だ。これは「名ばかり管理職」のかわりに「名ばかり経営者」と言える。
  ・ 経営者としての権限が与えられていない。
  ・ きわめて低所得である。

 この二点があるがゆえに、「名ばかり管理職」と同様に扱えるのだ。

 特に重要なのは、次のことだ。
  ・ 経営者としての権限が与えられていない。

 ここで、コンビニ会社の側は「店長には十分な権限を与えている」と語るだろうが、現実には、営業時間の権限が与えられていない。
 特に重要なのは、「労働者の労働時間の管理権限を与えられていない」ということだ。このことゆえに、「名ばかり管理職」とまったく同様の状態にある。(ゆえに違法。)

 ここでコンビニ会社は主張する。
 「契約で決めているのは、営業時間だけだ。営業時間は決めているが、労働時間については決めていない。労働時間の権限は、店長(経営者)に与えている」

 これを信じている人が多い。それゆえ、これまでは契約は合法と見なされてきた。
 しかしこれは詭弁なのだ。なぜなら、営業時間を決めれば、同時に、労働時間も決めることになるからだ。
 ここがポイントだ。このポイントに気づかない人が多いから、たいていの人は違法性に気づかない。しかしこのポイントに気づけば、違法性にも気づくはずだ。

 わかりやすく言おう。
 「営業時間を決めているが、労働時間を決めていない」
 という人に対しては、
 「労働者を労働させることなく、店を営業させる方法を示してください」
 と言うしかない。つまり、
 「では、その虎を屏風から出してください」
 と言うしかない。(一休さんだ。不可能なことを要求することで、相手が不可能なことを言っていると暴露する。相手の詭弁を暴露する。)

 人々は一休さんの知恵がなかった。だから、会社側の詭弁を聞いて、あっさりだまされた。実質的には労働時間を決めているのに、「営業時間を決めているだけだから、労働時間については決めていません」という会社の言い分に同意してしまった。しかしそんな言い分は、詭弁なのだ。ただの法律ペテンなのだ。
 これが真相である。

 ──

 会社側は営業時間を指定することで、労働者の労働時間も指定している。そのことで、店長を実質的に「会社側の管理下にある労働者」として扱っている。
 ここでは、会社側は店長を
  ・ 労働者として扱う
  ・ 経営者として扱う

 という二通りの仕方で扱っていることになる。実質的には「労働者」として扱っているのに、形式的には「経営者」として扱うことで、労働時間の規制から逸脱させている。
 しかし、そういうことは、「名ばかり管理職」と同様で、ただの脱法行為なのだ。違法な犯罪と同然なので、厳しく取り締まられるべきだ。

 ──

 かくて、現状の状況では良くない、とわかった。

 では、この問題を根源的に解決するには、どうすればいいか? 次のいずれかだ。
  ・ 店長をコンビニ会社の支配下にある労働者として扱う。
  ・ 店長をコンビニ会社と契約している経営者として扱う。


 (1) 労働者として扱うのなら、店長にも労基法を適用して、24時間労働などを規制するべきだ。サービス残業や最低賃金についても規制するべきだ。
 (2) 経営者として扱うのなら、営業時間についての権限を経営者に委ねるべきだ。24時間経営がイヤだという経営者には、それを認めるべきだ。(というか、そもそも認める必要もない。コンビニ会社には、各店の営業時間に関与する権限がもともとない。)

 上の (1)(2) のいずれであってもいい。どちらであっても、24時間営業の問題は解決する。

 一方、現状は違う。
 「労働時間については、残業時間の規制のない経営者として扱うが、営業時間については、時間決定権のある経営者として扱わない」

 つまり、経営者と労働者の、つまみ食いである。会社側は自分に都合のいいところだけ、経営者の面と、労働者の面を、都合よく取り上げている。それでいて、自分の側の義務を果たさない。労働者に与えるべき権利を与えようとしないし、経営者に与えるべき権利を与えようとしない。(労働時間の権利を与えないし、営業時間の決定権を与えない。)
 こういうヌエ的なつまみ食いこそ、二枚舌というものであり、ペテン的な行為なのだ。れっきとした脱法行為であると言えよう。
( ※ 都合のいいときだけ、男になったり、女になったりするようなものだ。スケベな痴漢みたい。)

 というわけで、以上によって、会社側の行為が脱法行為(違法行為)であることが示された。 (証明終)



 [ 付記 ]
 違法性を明らかにするには、会社側が不当利得を得ていることを示すのもいいだろう。コンビニ会社は 30%もの高い利益を得ているが、こういう高い利益を得ていることからしても、それが違法行為であることの裏付けとなる。傍証ふう。
( ※ 利益率が低ければ、特に悪質と見なされることもないかもしれないが。)


convini.png
出典:コンビニ大手3社を比較してみる





 【 関連サイト 】

 コンビニでなくマクドナルドの店長における「名ばかり店長」の違法性についての判例。
  → 管理監督者に関する日本マクドナルド事件判決とは? | 未払い賃金・残業代請求ネット相談室
 
posted by 管理人 at 19:52| Comment(5) | 一般(雑学)5 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
オーナーに営業時間についての決定権を認める一方で、同商圏に本部直営店でドミナント戦略をとられたらひとたまりもないなと。

“変態セブン”が生まれた背景に、地獄のドミナント戦略 (1/6)
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/1809/25/news050.html
Posted by 作業員 at 2019年03月03日 22:49
 直営店なら、最賃制が適用されます。最賃以下で働いているオーナー店に、勝てるはずがない。

 上記記事で、頭のおかしくなった人が出てくるのは、睡眠時間がないから。営業時間短縮で、ちゃんと眠れるようになれば、頭も治ります。
Posted by 管理人 at 2019年03月04日 00:12
実際、岡山県労働委員会が、セブンイレブンの店主は事業者ではあるが独立性が薄いとして、労働組合法上の労働者であると判断していますね。
https://www.mhlw.go.jp/churoi/meirei_db/mei/m11368.html

ファミリーマートについても東京都労働委員会が同様の認定をしています。
https://www.mhlw.go.jp/churoi/meirei_db/mei/m11486.html
Posted by とーりすがり at 2019年03月04日 09:30
>直営店なら、最賃制が適用されます。最賃以下で働いているオーナー店に、勝てるはずがない。

本部が採算度外視して消耗戦に持ち込んで、営業時間を短縮した(=本部の意向に反する)FC店の持続的経営を困難にして”自主的な”契約解除に追い込む、と言う話です。永続的ではないので、直営店での店員の最賃制を適用可能です。

ある意味スケープゴートにされかねないわけです。

類似の話:セブンーイレブンに「店奪われた」と、最古参オーナー(https://ameblo.jp/souldenight/entry-12096889548.html)
Posted by 作業員 at 2019年03月04日 10:17
少し古い記事ですが、セブンイレブンは、何がなんでも24H営業形態を維持させたいようです。

ttps://diamond.jp/articles/-/199000?display=b
Posted by 反財務省 at 2019年05月16日 11:59
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