2019年02月26日

◆ 地方の技能実習生をなくせ

 地方の技能実習生が、東京へ逃げ出す事例が頻発している。いっそのこと、地方の技能実習生をなくす方がいい。

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 地方の技能実習生が、東京へ逃げ出す事例が頻発している。地方では低賃金なので、それをイヤがって、賃金の高い東京へ移りたがるわけだ。
  → 「実習生に明日は逃げられるかも」 SNSで都会の情報:朝日新聞
  → 「現代のタコ部屋」民家に10人以上が…不法就労の背景:朝日新聞
  → 5年間で延べ2万6千人失踪 ― 外国人技能実習制度は異常すぎないか
  → ルポ・技能実習生が「逃げる」ということ(1)「失踪」と片づけていいのか? 借金漬けの移住労働と低賃金
  → あるベトナム人技能実習生が失踪を決意するまで 100万の借金返せず、貯金の夢も絶たれ

 こういう状況があるが、現状ではこれを法的に禁止しているので、逃げ出した技能実習生は不法滞在の扱いになってしまう。これはまずい。

 ──

 そこで提案しよう。地方の技能実習生を廃止するといい。そのためには、次のようにするといい。
 「技能実習生には、全国一律で、最低賃金を定める。これを下回る額の賃金しか払えない地方企業は、技能実習生の採用を禁止する」


 こうすれば、全国のどこでも一定の(低すぎない)賃金が得られるので、技能実習生が逃げ出すこともないはずだ。

 なお、このような「賃金の底上げ」(最低賃金よりも高い賃金)については、前にも述べたことがある。
  → 技能実習生の実態: Open ブログ
 このときの話では、「全国一律」ではないので、地方ごとに賃金差が生じることになる。
 しかし本項では、新たに「全国一律」という形で、「地方から東京へ」という移転(逃亡)をなくすわけだ。

 上記のことは、技能実習生制度のあとに制度化された、新たな制度(特定技能)にも当てはめるべきだ。もちろん。

 ※ なお、地方でも高賃金を払える企業があれば、その場合には技能実習生を雇用できる。それはそれで問題ない。



 [ 付記1 ]
 参考となる記事がある。技能実習生が「ホタテの殻を剥く」という作業をしているが、それは現代の奴隷工場みたいだ、という話。
  → 災害危険区域に外国人実習生寮 南三陸の水産加工会社、海辺で10人生活

 「低賃金の彼らがいなければ、ホタテ産業はもはや成立しない」
 ということらしい。
 しかし、低賃金の奴隷を使うことによってのみ成立するような企業は、滅びてしまってもいいのである。というより、滅びる方がいいのだ。
 こういう企業が滅びれば、安価なホタテの供給は減るので、供給の減少から、市価は上がる。市価が上がれば、低賃金の奴隷を使っていない人々は、恩恵を得る。

 結果的には、こうなる。
  ・ 低賃金の奴隷を使っていた企業は滅びる。
  ・ 供給が減り、市価が上がる。
  ・ 自力でやっていた労働者は、収入増になる。
  ・ 消費者は、高い値段を払う人だけが買える。

 これでいいはずだ。

 [ 付記2 ]
 農業だけでなく、コンビニでも、技能実習生が安価な労働力としてこき使われているそうだ。
  → コンビニから消える「日本人アルバイト」。外国人40%の地域も - まぐまぐニュース!
  → コンビニ「24時間」の灯を守る留学生、人手不足で過酷労働…法定時間オーバーの可能性も - 弁護士ドットコム
 コンビニや外食店で、レジに立つ外国人を目にしない日はなくなった。 彼らをなくしては、24時間や深夜営業のサービスはなりたたない。
( → (波聞風問)巨額買収 人も成長も外から入れないと 堀篭俊材:朝日新聞

 こういうことであるなら、「だったらやめてしまえ」と言うしかないね。低賃金のブラック労働は、維持する必要はないのだ。
 ここでは、店を閉じるか、高給を払うか、どちらかだ。外国人にブラック労働を押しつけようというのは、奴隷制の維持と同じ発想だ。許されない。

( ※ 朝日の記事は、「今の日本は外国人労働者が必要不可欠だ」と言いたがっているように見えるが、そんなことはないのだ。低賃金奴隷が 24時間営業という仕事をする必要はない。深夜営業の店などは、閉めてしまって差し支えない。昼間だって、今のコンビニは多すぎるから、半減してしまっていい。)
( ※ コンビニが減れば、1店あたりの売上げは増えるのだから、高賃金を払ってもやっていける。逆に言えば、高賃金を払える店だけが生き残って、あとの半分はつぶれてしまってもいいのだ。「今の日本は外国人労働者なしではやっていけない」というようなことはない。「今の日本のブラック企業は、外国人労働者なしではやっていけない」というだけのことだ。そして、そんなものは、さっさと滅びてしまっていいのだ。)

 [ 付記3 ]
 「外国人労働者がいないと、地方では人手不足だ」
 と言われるが、地方には人手不足なんかない。次の記事を読めばわかる。
  → 一度辞めると再就職先がない…地方在住・20代の悲鳴 | 日刊SPA!
 一部抜粋。
 月の給料は8万円と交遊費すらままならなかったが、修業だと自らを奮い立たせ耐え忍ぶ日々を続けた。しかし、先に悲鳴を上げたのは体のほうだった。
 現在は近所の農家の畑仕事を手伝い、月10万円程度の給料でやり繰りしている。
「労働時間は一日20時間ほどで、仕事が終われば家で3時間ほど寝てまた仕事に、という生活でした」
「本当はバイク屋に戻りたいですが、地方では仕事がない。東京で仕事を探そうにも貯金もできないし引っ越すお金もない」

 地方で「人手不足だ」と言っているのは、最賃割れの超低賃金で雇用したがる雇用主だけだ。時給 500円ぐらいで雇おうとするが、そんな給料でも来るのは(技能実習生を除けば)皆無に近い。そこで「人が来ない、人手不足だ」と言う。しかしそれは、「人手不足」ではなくて、「奴隷不足」だ。
 地方ではこれが標準だ。だから地方には外国人労働者を回す必要はないのだ。外国人が奴隷として働くから、その影響で日本の賃金も切り下げられる。
 このようなブラック企業は倒産する方がいい。そのせいで業界全体が縮小してしまったもいい。それで供給が細れば、市況が良くなる(市価が上がる)ので、業界の賃金も上がるはずだ。(たとえばホタテ業。上記。)
posted by 管理人 at 20:25| Comment(7) | 一般(雑学)5 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
いつも世界を見る標となる鋭いご指摘ありがとうございます。

いつも大変参考にさせていただいているので、たいていの誤字脱字はスルー出来るのですが、「高賃金」が「こうちんちん」はさすがに目に留まってしまいましたので、修正された方がよいかと思います。
この書き込みは削除していただいて結構です。
Posted by 生涯学生 at 2019年02月26日 21:47
 ご指摘ありがとうございます。
 コメントは消すには惜しいので、残しておきます。おもしろいので。
Posted by 管理人 at 2019年02月26日 23:24
 最後に [ 付記3 ] を加筆しました。
 地方には人手不足なんかない、という話。
Posted by 管理人 at 2019年02月27日 06:48
技能実習は技術を習いにきたんだから、実習生には金を払ってもらっていいくらいだね。また、日本の美点(文句を言わず、組織のために死ぬまで働く)もきちんと学んで欲しいものだ。日本語学習は当然自己責任で。
Posted by エア経営者 at 2019年02月27日 08:00
 「技能実習は技術を習いにきた」
 というのは名分ですが、実際には技術は習得していない、と言われています。

 ホタテの殻剥きは、そんな技術をいくら修得しても、祖国では無意味だ、と上記記事で指摘されています。
 大葉を束ねてパック詰めするのも別に技術はいらない、という話も。
  → https://www.asahi.com/articles/ASM2V5H54M2VOIPE01M.html
Posted by 管理人 at 2019年02月27日 12:52
管理人様、コメントありがとうございました。
「地方創成」というのはふるさと納税の名分ですが、実際には地域からの税の簒奪と地域バブル誘発による地方劣化、
「政策立案の基礎データ」というのは統計の名分ですが、実際には恣意的な政策を正当化するためのでっち上げ、
こんなばっかり。
Posted by エア経営者 at 2019年02月27日 21:15
一つ上のコメントに欠字があります。
地域からの税の簒奪→他地域からの税の簒奪
失礼しました
Posted by エア経営者 at 2019年02月27日 21:39
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