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SiC や GaN の半導体技術が進んでいて、これが社会に激変をもたらしている、という話を、前に述べたことがある。(電気自動車やハイブリッド車の進歩など)
→ 日産ノートのハイブリッド: Open ブログ
さて。最近、さらに大幅に進む新たな半導体が出現した。酸化ガリウムだ。詳しくは下記。
→ 世界を一変させる日本発、画期的半導体 京都大学初のベンチャー、酸化ガリウムの新技術
一部抜粋。
シリコンの約3400倍、素晴らしい省エネ効果を実現している炭化ケイ素と比べても約100倍である。酸化ガリウムの性能は文句なしに圧倒的なのだ。
ただしこの数字は、単純な計算ミス。「 100倍」とあるのは、正しくは「 10倍」である。記事を読めばすぐにわかる、簡単な計算ミスだ。
ま、100倍でなく 10倍でもすごい。このように性能が画期的で、しかもコストは低いそうだ。そのおかげで、あと数年もすれば、この画期的な新技術が普及しそうだという。
こうなると、電気自動車は太陽光発電なども、かなりコストダウンが進みそうだ。同時に、技術が社会に広く普及することになりそうだ。
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なお、酸化ガリウム自体は、前からあったのだが、それを半導体にする技術がなかった。このたび、その技術が新開発されたので、酸化ガリウムの半導体が実用化されるに至った……というのが、冒頭の記事の趣旨。
[ 付記 ]
ただし、ガリウムは稀少元素で、資源量が限られている。将来は、資源不足の問題が起こるかもしれない。需要が増えると、コストアップ要因にもなる。そこがちょっと問題だ。
ガリウムは自然界では単体としては存在せず、元素またはその化合物を抽出する一次原料としての高品位のガリウム鉱物もまた存在しない。地球の地殻には約 16.9 ppm 含まれている。
世界全体の生産量は、2006年のガリウムの生産量は234トンで、採掘からは100トン未満が得られ、残りは電子部品の製造工程でのスクラップなどからリサイクルされると推定される。日本はガリウムの最大の需要国であり、例えば2006年の日本のガリウム需要は168トンであり、これは世界の需要の約72%を占めている。また、日本でのスクラップ回収から得られる量は90トン以上と、大きな比率を占めている。
( → ガリウム - Wikipedia )
白色 LED でも窒化ガリウムが使われるので、ガリウムは大幅に不足しかねない。「大幅不足」という将来予測もある。
※ ただの予測なので、紹介はしない。
[ 参考 ]
SiC :シリコン・カーバイド:炭化ケイ素
GaN :窒化ガリウム ( 白色 LED にも使われる。)