2019年02月18日

◆ プラごみは世界規模で

 プラごみを世界規模で考えると、意外な事実がわかる。単にプラごみの使用量を減らせばいい、というものではないのだ。

 ──

 プラごみによる環境汚染が進んでいることは、しばしば報じられている。たとえば、下記がある。
  → プラごみ、サンゴ壊死などリスク20倍 釣り糸など絡む:朝日新聞

 これへの対策として、「ストロー廃止」や「レジ袋廃止」の運動もある。また、全般的な「プラごみ削減」の運動もある。では、それで問題は済むのか? 

 ここで、朝日新聞に、次の記事が掲載された。
  → バリ島の海にプラごみ 「リゾート台無し」嘆く観光客:朝日新聞
  → (地球異変)プラごみ、消えない脅威 インドネシア・バリ島:朝日新聞

 後者には、次の話がある。
 16年の世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)では、少なくとも世界で年800万トンのプラスチックが海に流出しているとの報告書が示された。
 米・ジョージア大などの推計によると、プラスチックごみを海に流出させている上位20カ国中、半数以上がアジアの国々だ。中国が年最大 353万トンで最も多く、最大 129万トンのインドネシアが続く。日本は 5.7万トンで30番目だ。
 日本の約4倍の24万トンが流出しているとみられるインド。人口が過密している都市部ではごみの処理が追いついていない。人口が2千万人を超えるインド・ニューデリーのごみ処理場では、ポリ袋などを多く含むごみが高さ40メートルほどに積み上がっていた。こうしたごみの山がいくつもある。雨の日にはごみが崩れると近くの川に大量に流れ込み、海へと運ばれていく。

 着色部のように、「中国が年最大 353万トンで最も多く、最大 129万トンのインドネシアが続く。日本は 5.7万トン」という事実がある。これは次のことを意味する。
 「仮に日本がプラスチックの使用量をゼロにしたところで、それは世界的にはスズメの涙にすぎない。ほとんど無効だ。世界規模で考えるのなら、プラごみの削減のためには、中国やインドネシアなどで、大量の流出が生じているのを止める必要がある」

 要するに、中国やインドネシアはザルなのだから、このザルにおける流出を止める必要がある。それを放置している限り、日本でいくらプラごみを削減しても無効なのだ。

 ──

 では、中国やインドネシアにおける流出を止めるには、どうすればいいか? 答えは簡単で、「日本のようにして減らせばいい」となる。では、具体的にはどうするか?
 それは、インドの例からわかる。
 ごみ処理場では、ポリ袋などを多く含むごみが高さ40メートルほどに積み上がっていた。こうしたごみの山がいくつもある。雨の日にはごみが崩れると近くの川に大量に流れ込み、海へと運ばれていく。

 ごみ処理システムが崩壊していることが問題だ。だから、ゴミ処理システムを完備すればいいのだ。
  ・ ゴミ収集車による組織的な収集
  ・ プラごみの焼却工場によける焼却(ゴミ発電)

 この双方を実現することで、日本のようになるから、流出は激減するはずだ。
 つまり、世界規模で流出を減らすには、先進国でいくら運動しても削減効果は乏しいが、途上国でごみ収集システムを整備すれば、少ない費用で大きな削減効果が出るのだ。
 これが正解だ。

 現実には、この正解は取られていない。かわりに、ストロー削減なんていう、馬鹿げたことをやっている。かくて、莫大な金をかけて運動しても、ザル状態(尻抜け状態)となって、世界的なプラごみの流出は防げない。
 
 問題を解決するには、「正しいところで正しいことをする」必要がある。「間違ったところで間違ったことをする」限りは、問題は解決しないのだ。



 [ 付記1 ]
 プラごみについては、もう一つ、重要なことがある。
 「水に浮くごみは、海上で比較的容易に処理できるが、水に沈むごみは、海底に沈んだまま処理できない」

 これは、次の事情による。
 「プラごみには、比重が1以下のものと1以上のものがある。軽いものは水に浮くが、重いものは水に沈む」


 具体的に言うと、比重が1以下のものは下記だ。
   ポリエチレン、ポリプロピレン


 これ以外のほとんどのプラスチックは、比重が1以上だ。つまり、水に沈む。具体的には下記だ。
   ポリスチレン、ABS樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル、PET、ナイロン、メラミン樹脂


 具体的な数値は、下記の一覧で。
   → プラスチックの比重、密度の一覧

 おおざっぱに言って、「柔らかいプラスチックは水に浮くが、硬いプラスチックは水に沈む」という傾向がある。
 硬いプラスチックでも、浴用製品などは、ポリプロピレン製であることが多く、水に浮く。ただしこれらは、硬いといっても、弾力があって、柔軟性もある。
 一方、柔軟性のない硬いプラスチックもあるが、これらはたいていが水に沈むようだ。家電や自動車に使われているプラスチックはたいていそうだ。また、飲物でも PET はとても重たくて、水に沈む。(空き瓶の PET であれば、空気が含まれているので、水に浮くが。)

 [ 付記2 ]
 私としては、プラスチックには、比重別で課税するのがいいと思う。
  ・ 比重1未満のプラスチック …… 軽い課税
  ・ 比重1以上のプラスチック …… 重い課税

 なお、内部に発泡剤などを含んで、水に浮く仕組みがあるようなら、重い課税を免れてもいいだろう。
 PET ボトルは、なるべく全廃にすることが好ましい。紙容器で足りることがほとんどだからだ。酒だって、紙容器のものが多い。まして、普通の清涼飲料なら、紙容器で間に合うはずだ。
 圧力のかかる炭酸飲料については、金属の缶にすれば問題ないはずだ。PET である必要はない。

  ※ 現実には、PET の炭酸飲料は多い。
     → Amazon 一覧
posted by 管理人 at 20:04| Comment(4) | エネルギー・環境2 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
プラごみで、排出量が多くて厄介なのは、
ストローとか?レジ袋では無くて、
タバコのフィルターであるという話もあります。
その件はお考えでしょうか?

まぁ、
プラごみとか?二酸化炭素の件とか?
射能汚染を誤魔化す愚民誘導だと思いますょ(笑)
Posted by あたし新聞 at 2019年02月18日 22:37
”私たちは環境のためにストローの使用を止めます”などとしたり顔で宣言している間抜けに、このエントリを読めと声を大にして言いたいところです。

ゴミ排出国のゴミ処理システム整備は勿論必要ですが、それでも海洋や河川へのゴミの不法投棄は止まらない、とみています。相当の、国家をあげての意識改革が必要です。
Posted by 作業員 at 2019年02月18日 22:57
地元のつくばでは、プラゴミを再利用するためのリサイクルセンターが稼働し始めました。とある市議会議員曰く、プラスチックゴミの問題を解決するんだとか。。
リサイクルセンターがなくても、収集されたプラゴミは燃焼されて水と二酸化炭素になるわけだし、どれぐらいが海洋流出するかという試算もないまま結局建設されてしまった。
同じ税金使うなら、ゴミ処理技術が未熟な国を支援するのに使ってほしかった。。。
Posted by 大学生 at 2019年02月19日 18:26
 ケミカルリサイクルのようなリサイクルは無駄だ、という話を、前に書いたことがあります。
  → http://openblog.seesaa.net/article/462613284.html

 筑波の場合は
「樹脂原料や固形燃料などに再商品化されます」
  http://www.city.tsukuba.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/005/116/plastic2.pdf
とのことなので、かなり無駄が発生しそうです。
Posted by 管理人 at 2019年02月19日 18:33
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