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事故については報道されている。
「その日の夕方、松岡はプライベートで車を運転していた。そして、虎ノ門の交差点に差し掛かった際、ブレーキを踏む足が緩んで信号待ちをしていた前の車両に突っ込んでしまった」
( → 「松岡茉優」運転の車が追突… “新CM女王”が加害者で蒼ざめた人々 | デイリー新潮 )
これで疑問なのは、「自動ブレーキは作動しなかったのか?」ということだ。
そもそも、記事によれば、「昨年出演したCMはJR東日本にユーキャン、アフラックなど実に9社を数える。これは石原さとみや北川景子に並ぶ数字」とのことで、非常に高い年収があるはずだ。たぶん年収数億円。とすれば、自動車も高額の高級車であったはずだ。自動ブレーキが付いていないということは考えられない。なのに自動ブレーキが作動しなかったとすれば、「自動ブレーキの不作動」という機械的な問題が推定される。
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そこで「自動ブレーキの不作動」についてググってみたところ、そういう事例は多いとわかった。年間 72件もある。
→ 【年間事故じつに70件超!】 なぜ?? 自動ブレーキが作動せず事故の代表例 6選
この記事には興味深い話がある。「自動ブレーキが作動しにくい状況」というのがあって、そういう状況では、衝突事故も起こりがちなのだ。たとえ政府の試験で好成績を上げていても、現実の状況では自動ブレーキダサどうしないことがある。
たとえば、「夕方の雨天」という状況では、現行型セレナが衝突事故を起こしたそうだ。
JNCAPで2016年に満点を獲得した現行型セレナ。通常は60km/hで歩行者も感知、停止できる性能を持つ。しかし、ワイパーを高速で動かしても前方が視認しにくくなるような雨量では、40km/h程度でも衝突
また、「逆光の太陽が眩しい道路」という状況では、ステレオカメラ方式でも不作動になることがあるそうだ。これは、単眼カメラ方式でも同様だろう。(ミリ波レーダーならば避けられるが。)
なお、さらに、次のような事例があったそうだ。
「 BMW で運転していたら、前方で渋滞が発生。BMW では自動ブレーキが不作動。そこで自分でブレーキをかけて車線変更したら、後方からレクサスが追突しかけてくる。それを逃れて左側に車線変更したら、レクサスは前走車に追突。また、レクサスの後ろからレガシィが押しよせてきて、それが BMW に追突。
いずれも「ちょっとした接触」ぐらいでは済まさず、かなり大破(中破)している。安全ベルトをしていなかったら、大怪我をしていたと思えるような破壊状態だ。BMW の運転手は、命は助かったが、鞭打ち症だ。
つまり、この事例では、BMW とレクサスとレガシィの3台がいずれも自動ブレーキ不作動だった。それも、まったくの不作動だ。
状況を見ると、トンネル内であるようだ。「トンネル内ではどうして不作動なのか?」と疑問に思ったが、写真を見て、推察が付いた。その直前の「夕陽の画像」に似ている。つまり、トンネル内で走行していると、ずっと先の方に明るい出口があるから、その出口が太陽のようにまぶしくなる。そのせいで、カメラに ハレーション が起こって、認識不能になるようだ。
この問題を回避するには、ミリ波レーダーが十分に作動すればいいのだが、それがうまく作動しなかったのだろう。ステレオカメラのレガシィはともかく、BMW とレクサスにはミリ波レーダーが搭載されていたと思えるのだが、ソフト的な制御の問題か何かで、うまく作動しなかったのだろう。
とすれば、「自動ブレーキはまだまだ未完成だ」ということになる。
そして、そういう状況では、「自動運転車」なんて、まだまだ遠い先の技術だ、ということになる。ハンドル操作とアクセル操作がどれほど向上しようと、最重要のブレーキがまともに作動しないようでは、どうにもならないからだ。
とりあえずは、自動ブレーキとして、「ステレオカメラとミリ波レーダーを複数搭載する」というふうにして、大幅にコストをかけることが必要となるだろう。
現状の自動ブレーキはまだまだ未完成品だ、というしかない。松岡茉優のおかげで、そのことが判明した。
[ 付記 ]
冒頭の記事によれば、
「松岡がブレーキ不適による物損事故を起こしたのは事実です。事故によるケガ人はおらず、松岡が飲酒していたという事実もありません。事故の後、すぐに警察が入って保険会社に引き継がれ、示談ではなく通常の保険処理で済んだため発表は控えていた。関係者の方々には真摯にお詫びさせて頂いております」
とのことなので、問題は大きくないようだ。
「むしろ自動車保険のCMで体験を話すべきでは」
「事故を起こしても今まで通りの生活ができているなら、むしろ保険会社の面目躍如ではないか」
との声もある。
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