2019年02月13日

◆ 児相と児童養護施設

 児相の問題を解決するには、児童養護施設の問題を解決することが必須だ。 (落とし穴を指摘する。)
 
 ──
 
 児童相談所(児相)の問題を解決すべきだ、という声が高い。
 その方法として、朝日新聞あたりは「児相の職員がしっかりやれ」というふうに叱咤する。一方、私は「人手不足が原因だから、予算を増やして、人員を増やせ」と主張した。
  → 小4虐待死の真犯人: Open ブログ
  → くら寿司と児童相談所の問題: Open ブログ

 しかし、児相の問題は、児相だけを改革すればいいのではない。同時に、児童養護施設も解決する必要がある。
 なぜか? 次の問題があるからだ。
 「虐待された子供を保護して、児童養護施設に収容しても、その子供自身が、虐待する親の家に帰りたがることが多い」

 このことは、次のようにも説明されている。
 保護した子どもから恨まれることが多い(虐待児が親への愛着があり家に帰りたいということはよくある。)
( → 今だからこそ児童相談所の現状を知ってほしい。お願いします。

 ではなぜ、こういうことが起こるのか? 虐待する親の家は、地獄も同然だが、どうして子供は、地獄のようなところに戻りたがるのか? もちろん、親(特に母親)にすがりたい、という気持ちもあるのだろうが、しかし、どうして虐待するような父親のそばに帰りたがるのか? 

 ──

 その理由は、こうだ。
 「虐待する親のいる家は地獄だが、児童養護施設はそれよりもひどい地獄であることが多い」


 具体的に言えば、いじめ・レイプ・虐待などだ。家に戻れば地獄だが、児童養護施設もまた地獄なのだ。そのことは、次のような証言からわかる。(児相の出身者)
  → 「刑務所みたいな所だった」研修で児童相談所の緊急一時保護施設に行ったら想像以上の環境だった話
  → 児童養護施設で育ったけど何か質問ある? : みそ速報
  → 児童養護施設出身の女だけど質問ある? : 質問ある?
  → ねほりんぱほりん「児童養護施設で育った人」回が話題…反応まとめ
  → 施設で育った元美人市議が語った「明日ママより過酷な現実」

 最後の記事には、こうある。
 私のいた施設はドラマより過酷でした。中学2年生の時くらいのことですが、当時同じ施設に入っている子で、私が“きょうだい”と思っていた年下の中学生の女の子が、20代の男性職員からレイプされました。しかも中学を卒業するまで。子供たちが使わない職員トイレに連れ込まれて。その職員が出勤する時は毎回です。その子ができない日(生理)にも、トイレに連れ込んで「口でやれ!」と。

 これぞ、文字通りの地獄である。こういう現実があるのだ。
 なのに、「児相がしっかりと働いて、虐待する家の子供を児童養護施設に収容すればいい」(一時 or 長期の保護)というような提案は、現実を理解していないというしかない。「地獄から救いましょう」と言って、別の地獄に放り込んで、それで解決したと思うのは、あまりにも浅はかだ。(現実を知らないにもほどがある。)

 もちろん、児童養護施設のすべてがそうだというわけではない。しかし、かなり多くの児童養護施設がそうなのだ。とすれば、被害に遭う児童が多いのも当然なのだ。

 ──

 では、どうしてこういうことが起こるのか? 理由はこうだ。
  ・ 児相は公的機関だが、児童養護施設は民間施設だ。
  ・ 民営である児童養護施設では、質が担保されていない。
  ・ 児童養護施設にかける公的費用も少額だ。
  ・ 児童養護施設の施設数自体が少ない。


 仮に、以上の問題が解決されれば、次のようになる。
 「虐待された子供は、児童養護施設を好きに選べる。ひどい児童養護施設に入ったら、そこを出て、別の児童養護施設に移れる」
 この場合には、ひどい児童養護施設は、客(子供)が来なくなるので、倒産する。結果的に、市場原理で、ひどい児童養護施設は淘汰される。

 現実には、そうなっていない。虐待される子供の数はあまりにも多く、児童養護施設の数はあまりにも少ない。こうなると、被害児童が施設を好きに選ぶこともできない。レイプされても、そこを出ることはできないのだ。……ま、アウシュビッツのようなものですね。

 こうして、現代の奴隷収容所のようなものができる。そこに被害児童を放り込めば事足れり……と思い込んでいるのが、朝日新聞やその他のマスコミだ。
 そこで、「そうじゃない」と指摘するのが、本サイトだ。「王様は裸だ」と指摘するように。



 [ 付記 ]
 この話は、「賃金が安いと、職員のレベルが低下する」ということが原理なので、くら寿司の職員の話とも共通する。
  ・ くら寿司と児相    (前項)
  ・ 児相と児童養護施設  (本項)

 という関係だ。この3件は、問題の根っこが同じであるわけだ。(低賃金による悪影響。職員の質の劣化)
posted by 管理人 at 23:38| Comment(2) | 一般(雑学)5 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
城の復元とかオリンピックよりこっちを優先して解決すべき、と素直に思います。

>児童養護施設は民間施設だ。

知りませんでした。民営の保育園、幼稚園の延長なんでしょうか。そうなると収入は公金からだけです。あとは寄付?
これでは「賃金が安いと、職員のレベルが低下する」の上、設備や消耗品にも事欠くのは当たり前です。運営者の所得が気になるところです。ただ、”じゃ、やめる。”と開き直られたら他に引き受けてがないのも事実でしょう。つまり、「賃金が安いと、職員のレベルが低下する」だけでなく、「費用が少ないと運営体そのものレベルが低下する」ということでもあります。

加えて、こういった施設は外部の目に晒され難い閉じた環境に、自らに何の落ち度もない社会的弱者が集められている、ということです。声を上げても外部に届かない...

そういう意味ではくら寿司のように炎上が起こる一方で、同時に内部告発もある環境のほうが健全かもしれません。
Posted by 作業員 at 2019年02月14日 09:37
 児童養護施設は、民営のものがほとんどだが、公営のものも少しはある。
 神奈川県の例では、公営は1割弱。
  → http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f532424/

 (2件あるが、いずれも児童養護施設ではない児童施設。純粋な児童養護施設は、民間のものだけ。)
Posted by 管理人 at 2019年02月14日 20:29
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