2019年01月31日

◆ 高速道 120km ・自動ブレーキ

 高速道路の最高速度が時速 120km に引き上げられる。ならば、自動ブレーキもその速度に対応するべきだが、現実はお寒い。
 
 ──
 
 高速道路の最高速度が時速 120km に引き上げられる。
 静岡県と岩手県の高速道路の一部区間で試行している時速 110キロの最高速度について、警察庁は3月1日から 120キロに引き上げる。試行開始の前後1年間で、人身事故の件数や車が実際に走る速度に大きな差はなく、交通安全に支障がないと判断した。高速道路の最高速度が 120キロになるのは初めて。試行は少なくとも1年は続け、安全が確認できれば他路線への拡大を検討する。
( → 時速120キロ超、すでに常態化 新東名など緩和の理由:朝日新聞

 記事には、以前との比較も記してある。
 警察庁は時速 110キロの試行開始の前後1年間で、車が実際に走る平均速度を調べた。新東名は試行前が上り 122.4キロ、下り 122.6キロ、開始後は上り 123.9キロ、下り 122.9キロ。東北道は試行前が上り 112キロ、下り 114.2キロ、開始後は上り 110.7キロ、下り 113.6キロだった。いずれも大きな変化はなく、東北道は 120キロに達していなかった。

 このことからして、新制度のあとでも、実状はたいして変わらないだろうと思える。

 ──

 とはいえ、それはそれとして、実際に 120km/h の時代は実現している。(制度改革の前に現実が先行している。)
 とすれば、それに対応して、自動ブレーキも 120km/h に対応するべきだろう。
 ところが、現実はお寒い。国の調査機関が実施しているのは、たかだか 60km/h までだ。
 試験車を10〜60km/h で模擬車両(ターゲット)に後方から接近させ、警報及び被害軽減ブレーキの作動状況を確認します。
 試験は、ターゲットが止まった状態での試験(CCRsシナリオ)と、20km/h で走行している場合(CCRmシナリオ)の2種類があります。
( → JNCAP|予防安全性能アセスメント - 衝突被害軽減制動制御装置(被害軽減ブレーキ)

 このような低速度だけでチェックして、それで満点を取れば「優秀車」と見なされる。たとえば、日産のセレナやノートは、満点を取って、最優秀の評価だ。
  → 日産車の評価/予防安全性能アセスメント

 ところが、日産の自動ブレーキは、80km/h までしか対応していない。つまり、高速道路の速度に対応していない。こんなに低性能なものが、満点評価になるのだ。
 このことは、前に指摘したことがある。
  → 自動ブレーキの作動速度: Open ブログ
  → 自動ブレーキ試験の欠陥/高速バス衝突事故: Open ブログ
  → 自動運転車と自動ブレーキ: Open ブログ

 なお、この問題は、日産の自動ブレーキだけに限られる。
 この問題は、根源的には、日産の技術が低いことによる。
 自動ブレーキの作動範囲が「 車速約10km/h〜80km/h 」とのことだが、こんなふうに高速域で不作動となるのは、(単眼カメラ方式を採用する)日産の自動ブレーキだけだ。
 ミリ波レーダーやステレオカメラを使う他社製の自動ブレーキなら、時速 120キロ以上でも正常に作動するのが普通だ。スバルもトヨタもマツダもそうだ。日産の自動ブレーキだけが駄目なのである。
( → 自動運転車と自動ブレーキ: Open ブログ

 ともあれ、こういう問題があるのだから、国の機関は自動ブレーキの性能をきちんとテストするべきなのだ。特に、高速度でもテストするべきなのだ。そうすれば、「高速では作動しない」という日産の自動ブレーキみたいなものは、排除されるようになり、国全体の安全性が高まる。

 ──

 ちなみに、先に「あおり運転のせいで夫婦が事故死」という事件が話題になった。高速道路上に停止していたワゴン車に、後方から大型トラックが衝突して、夫婦が死亡。
 この事故では、あおり運転をした悪質ドライバーのことばかりが話題になっていた。だが、仮に大型トラックに高機能の自動ブレーキが装備されていれば、この事故は避けられたはずなのだ。
 とはいえ、その大型トラックが、日産自動車の自動ブレーキシステムを搭載していたら、自動ブレーキは作動しなかったかもしれない。そういうことも考えられる。
 だからこそ、自動ブレーキを高速に対応することが必要なのだ。



 [ 付記 ]
 自動ブレーキでは、「システムの性能にかかわらず保険料金が同じだ」という問題もある。これでは、低性能の自動ブレーキも、十分に優遇されてしまうので、性能向上のインセンティブ(奨励)が働かない。
 自動ブレーキの保険料は、きちんと性能に対応するべきだ。特に、日産車のように、低性能のものには、保険料を倍額ぐらいに引き上げる……ということも必要だ。
 日産はゴーンのせいでやたらと「コストダウン」ばかりを狙って、低性能の自動ブレーキ(つまりミリ波レーダーが抜けているもの)を装備している。その分、保険料が高くなるようにするべきだろう。(「安物買いは高く付く」というふうにするべきだ。)

 自動ブレーキの性能に応じて保険料に差を付けよ、という件については、下記でも述べたことがある。
  → 日産の危険な自動ブレーキを排除せよ: Open ブログ
  → 高齢者の事故・自動ブレーキ・保険: Open ブログ
  → 自動ブレーキの認定制度(問題点): Open ブログ の (3)
 


 【 関連サイト 】
 冒頭の「高速道 120km/h 」については、次の記事もネットにある。

  → 最高速度120km/h、新たな高速走行の時代 | MOTOR CARS
  → 新東名と東北道 最高速度120kmへ 2区間で試験的に - FNN.jpプライムオンライン
posted by 管理人 at 19:05| Comment(3) | 自動車・交通 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 それは旧式の車種。日本でも数年前に出たスカイラインは、いまだにこの方式です。だけど、そんなポンコツの話をしても仕方がない。

 欧州向けも、近年の車種は、みんな単眼カメラ方式です。たとえば、マイクラ。
 ただし後方検知のためには、レーダーが使われている。これは自動ブレーキじゃない。
Posted by 管理人 at 2019年05月04日 13:52
> マイチェンしたエクストレイル、キャシュカイ、リーフなどはカメラとレーダー連携方式です。

 そうだとしたら、技術も装備も搭載可能なのに、日本ではわざわざ搭載していないことになる。だったら、日産はいっそう悪質だね。私の批判がますます妥当だった、ということの証明になる。

 私は別に、「日産は技術がないから阿呆だ」と言っているわけじゃない。「コストダウンの方針のせいで、搭載できるものをあえて搭載していないのがけしからん」と言っている。
 その指摘がますます妥当であったことが証明されたわけだ。ご支援、ありがとうございます。
Posted by 管理人 at 2019年05月04日 15:32
 日産は無能だから技術がない、と言っているのではない。日産は有能なのにコストカット方針で技術開発しないのがけしからん、と言っている。
(技術者を批判しているのではなく、ゴーンを批判している。)

 あなたは自分が誤読の名人だということを自覚していないの? 自分の曲解を押し通して、その曲解に基づいて、相手が間違っていると決めつけているだけだ、と気づかないの?
 とりあえず、プリントアウトして、精神科医に行った方がいいでしょう。
Posted by 管理人 at 2019年05月07日 12:05
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

  ※ コメントが掲載されるまで、時間がかかることがあります。

過去ログ