2019年01月19日

◆ ゴーン不正の動機は?

 ゴーンが大金を奪ったが、その動機は何か? たぶん FX という投機に手を出したことだろう。

  ※ 途中に 【 訂正 】 を挿入しました。
    計算ミスをしたので、数字を改めました。

 ──
 
 ゴーンが大金を奪ったことが、新たに判明した。これまでも 13億円を奪っていたが、新たに 38億円を奪っていたことが判明した。
  → サウジアラビアの知人を介して 13億円
  → オマーンの友人を介して 38億円
 後者の記事を一部抜粋しよう。
 ゴーン前会長はオマーンの日産販売代理店のオーナーと長年の友人で、09年1月20日付で、個人的に3千万ドルを借りる貸借契約書を交わした。その後、子会社の「中東日産」(アラブ首長国連邦)に指示し、複数年にわたってこの販売代理店に500万ドル前後ずつを送金させ、総額は約3500万ドルに上った。原資はCEO(最高経営責任者)直轄の「CEOリザーブ(予備費)」で、「販売促進費」名目で支出された。

 正規の業務費用でなく、裏金みたいな予備費から支出していることからして、不正な送金であることはバレバレだ。かくて 3500万ドル(同約38億円)を奪った。先の 13億円と合わせて、50億円以上となる。
 では、50億円以上の金を奪う必要が出たのは、どうしてか?
 これは、デリバティブという投機における保証金だ、と報道されている。
 2008年のリーマン・ショック時に自身の資産管理会社の損失約17億円を日産に付け替えていた疑いがあることが判明。
 資産管理会社が銀行との間で契約した通貨のデリバティブ(金融派生商品)取引。08年のリーマン・ショックで損失が発生し、担保としていた債券の時価が下がり、担保不足に陥ったという。銀行側は担保の追加を求めたが、前会長は、損失を含む権利を日産に移すことを提案。銀行側は最終的に受け入れ、日産が肩代わりする形になった。
( → ゴーン容疑者、17億円借金丸投げ!? リーマン・ショックの損失を日産に付け替え - zakzak

 これで 50億円もの損失が発生したわけだ。では、なぜ?
 以前の報道では、「給料を円で受け取ったのをドルにするときの為替損失を避けるため」というふうな弁解が示されたことがあったが、これはおかしい。このような為替差損ならば、「受け取るドルが目減りする」(のを避けようとする)というぐらいのことであるから、損失が発生したとしても、給料の1割ぐらいでしかないはずだ。「手取りが減る」というだけであって、赤字が発生するはずがない。
 とすれば、ここでは、「実際に受け取る金額の何十倍もの金額を投機に回していた」ということになる。つまり、レバレッジを利かせていたわけだ。( FX ではレバレッジを利かせることができる。)
 50億円もの損失が発生したとなると、2.5億円の金で 20倍のレバレッジを利かせていた、というふうに推定される。
 【 訂正 】
 50億円もの損失が発生したとなると、投機額はその5倍ぐらいだったと推定される。たとえば、投機額が 250億円で、20%の下落が発生して、50億円の損失。
 250億円という数字は曖昧だが、ざっと見て、200〜300億円ぐらいの投機額があったと推定される。そのためには、10億円ぐらいの元金に対して、25倍ぐらいのレバレッジを利かせればいいわけだ。


 こうなると、もう、完全なギャンブルですね。で、ギャンブルをして、莫大な利益を見込んだのだが、裏目に出て、莫大な損失をかぶってしまったわけだ。ギャンブルの失敗。

 では、そのギャンブルは、どんなものだったか? 「2008年のリーマン・ショック時の損失」と報道されているが、実際に銀行から要求が来たのは 2009年だ。
 そこで、ドル・円のレートを調べてみると、この時期には、極端な円高があったとわかる。(下図は Yahoo ファイナンス。)


dol-yen.png


 極端な円高で大損を被ったのだから、ゴーンは「円安」に賭けていたとわかる。つまり、こうだ。
 「リーマンショックで日本経済は弱体化するだろう。日本経済はクソだから信用できない。ゆえに円安に賭けておこう。巨額の金でレバレッジを利かせておけばいい。そうすれば絶対確実にボロ儲けできるぞ」

 ゴーンは日本人や日本経済というものを見下していたのである。「こんな黄色人種の経済力なんて、ゴミみたいなものに決まっている。リーマンショックに耐えられるはずがない。ボロボロになるに決まっている。だったらこんな植民地みたいな国の敗北を予想して、ボロ儲けできるぞ」と。

 ところが、あにはからんや。リーマンショックのときには、日本経済よりも米国経済の方がボロボロになってしまったのである。ここでは「危機に強い日本経済と円」という感じで、大幅な円高になってしまったのだ。この時期には、最高値では「1ドル 87円」まで円高になってしまった。(グラフを参照。)
 かくて、巨額の損失がのしかかった。

 ──

 以上がゴーンの不正の動機だろう。その本質は、「ただのリスクヘッジの失敗」ではない。「巨額の投機の失敗」だ。「巨額のギャンブルの失敗」だ。
 そして、その根底には、「日本経済への侮蔑」があった。それは一種の人種差別意識だ。そういう差別意識が、彼の財布と人生を破綻させたのだ。



 【 関連項目 】
 似た話を前に述べたことがある。(ゴーン1人でなく)フランス人(フランス政府)が、日産を植民地化しようとしたことが、背景ないし舞台裏としてあった……という話。
  → ゴーン事件の舞台裏: Open ブログ
posted by 管理人 at 12:31| Comment(3) | 自動車・交通 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
  ※ 途中に 【 訂正 】 を挿入しました。
    計算ミスをしたので、数字を改めました。
Posted by 管理人 at 2019年01月19日 17:43
 参考記事。
  → なぜリーマンショックが円高に? 金融危機の円買いの理由とは
    http://a-i-u.jp/aiu0000786-post/
Posted by 管理人 at 2019年01月19日 23:59
2008年当時、ゴーン氏は日産株を300万株ほど保有していたそうです。
2009年には、300円を割り込みますから、ゴーン氏は株損にあせったのかもしれません。
Posted by senjyu at 2019年01月20日 11:50
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