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少子化の原因については、いろいろと言われている。その主な理由は、高等教育費が高騰していることだろう。
そう思って、調べてみたところ、まさしくそうだと判明した。いくつかの記事を紹介しよう。
「今より子どもは増やさない、または、増やせない」と回答した人に、その理由を尋ねると、日本・韓国・アメリカでは「子育てや教育費にお金がかかりすぎる」がトップとなっています。
ただし、アメリカで子どもを増やせないと回答したのは全体の13.5%ですから、教育費負担の問題が、それほど深刻ではないことがうかがえます。それに対して、日本と韓国は全体の約半数が子どもを増やせないと回答しており、その理由を教育費負担と答えたのが日本は約4割、韓国は7割以上に上っていることからも、その深刻さがわかります。
( → 日本の少子化は、高い教育費が原因!?|ベネッセ教育情報サイト )
これは、内閣府の国際比較調査だ。こうして、公的な調査によって、冒頭の推測が確認されたわけだ。
では、具体的にはどのくらいの金額となるか? 子供一人あたりで言うと、公教育なら 1345万円。私立だと、さらに 500万円以上アップだという。
→ 一般的によく言われる日本の少子化問題の7つの原因
ひるがえって、フランスだと、激安で済むそうだ。
フランスの国立はどうなのかと言うと、国立の学校には学費(学生一人当たり年間10,000〜14,000ユーロ=147〜206万円:2014年12月11日時レート)の大部分を国家が負担しており、個人の負担は年間数百ユーロ(数万円)の登録料のみなのだ。ちなみにその恩恵を受けている学生の割合は、高等教育を受けている学生の約60%にあたる。
ちなみに、教育支出の公財政負担の割合は、高等教育段階に置いてOECD平均が69.2%のところ、日本は34.5%。いかに世界に比べて日本は家計からの教育費負担が多いかがうかがえる。
( → [Ulala]【日本の高い教育費が少子化の原因】〜仏・大学の学費、数万円! )
なお、「教育費の負担が高いと、少子化になる」ということの理論分析もある。
→ 低所得化や教育費の高騰は少子化をもたらすか?
ついでだが、いろいろと詳細な調査をした学術的な報告もある。(論文か白書ふう)
→ 親の教育費負担意識と少子化 - 国立社会保障・人口問題研究所 [PDF]
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さて。以上から何がわかるか? こうだ。
財務省は、国家財政の健全化のために、高等教育の分野で授業料を値上げした。そのことで、収入を増やそうとした。
なるほど、それで目先の収入は増えた。「授業料収入の増加」という形で。
一方で、高等教育費の負担に耐えかねた国民は、子供の数を減らそうとした。そのせいで、少子化が急激に進行して、人口が減少して、生産年代の労働力(労働人口)が大幅に縮小した。かくて、経済力が縮小して、国家の税収も減ってしまった。
要するに、目先の収入を増やそうとしたせいで、長期的には収入を減らしている。これでは、朝三暮四の猿だ。
( ※ いや、猿以下だ。朝三暮四の猿は、損得なしだ。財務省は、得しようとして、損している。)
猿知恵以下。
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【 参考 】 Amazon おもちゃバーゲン
【 関連項目 】
日本の公教育費が国際的に見てきわめて低いことについては、前項の後半で述べた。
→ 奨学金で保証料を強制徴収: Open ブログ
その続編として、本項がある。
【 関連サイト 】
日本の GDP 成長率と、平均賃金の伸び率が、いずれも先進国中で最低レベルであることは、下記ページのグラフで示されている。
→ 平成経済を振り返れば一目瞭然「消費増税、やれば日本は即終了」
どうしてこういう低い伸び率になっているかというと、やはり、少子化の影響が大きいだろう。人口が減れば、GDP は減るし、経済は(高齢化ゆえに)弱体化していくものだ。
運営費交付金だけでは理科系の大学は運営できず、もはや我慢の限界にきていることがわかりますね。
これが国立大医学部に波及すると、日本では金持ちしか医者になれなくなりますよ。
そこまでいかなくとも、とにかく結婚したくないという人が増えてるなぁと、周りの状況を見ていても思います。
この流れを「政策」で何とかしようとしても無理でしょうね。
益々、少子化・未婚(晩婚)化が進みそうな感じがしています。
企業の設備投資に対する減税のように考えるわけです。
高収入になった人は将来奨学金の返済分が節税できる制度が望ましいと思います。