2019年01月09日

◆ 奨学金で保証料を強制徴収

 学生への奨学金で、延滞が多いので、全員から保証料を強制徴収する、という方針が出た。

 ──

 記事は次の通り。
 日本学生支援機構の貸与型奨学金の仕組みを見直す。長期の延滞が増えて制度を圧迫しているため、奨学金を借りるすべての学生から、借入額に応じて一定額を保証料として徴収する方向で検討に入った。保証人を求める制度はなくす。
 新規に申し込む学生を対象に、支給額から保証料を天引きする方式を想定する。今は月額5万4千円の標準的な支給額での保証料が2千円程度で、これが目安になる。
 卒業後の返済が滞っている延滞金は17年度に有利子分で約500億円と、07年度の2.7倍になった。このうち64%は5年以上の長期延滞となっている。
( → 奨学金、全員から保証料 延滞増加で財務・文科省方針 :日本経済新聞

 これは、先日の別問題と関連しているようだ。
 国の奨学金を借りた本人と連帯保証人の親が返せない場合に、保証人の親族らは未返還額の半分しか支払い義務がないのに、日本学生支援機構がその旨を伝えないまま、全額を請求していることがわかった。
 最近は半分近くが機関保証を選んでいるが、約 426万人の返還者全体でみると7割近くが人的保証だ。
 法務省によると、この場合、連帯保証人は本人と同じ全額を返す義務を負うが、保証人は2分の1になる。
( → 奨学金、保証人の義務「半額」なのに…説明せず全額請求:朝日新聞 2018年11月1日

 保証人は半分しか払わなくていいと判明したので、今後は踏み倒しが増えそうだ。そこで、「ただでさえ踏み倒しが多いのに……」というわけで、保証料を強制的に徴収することにしたらしい。
 しかし、これでは「有利子で金を貸す」というのと同様だ。もはや奨学金とは言えない。どちらかと言えば「高利貸し」に近い。馬鹿げている。

 ──

 では、どうすればいいか? そこは、困ったときの Openブログ。うまい解決策がある。こうだ。
 「奨学金を返済できないのは、卒業後に就職できない人だ。つまり、 Fラン大学の学生だ。したがって、Fラン大学の学生には奨学金を与えないことにすればいい。具体的には、奨学金を貸与するときに試験で選抜すればいい」


 このアイデアは、実は、前に下記項目で述べた。
  → 奨学金の受給には試験を: Open ブログ

 いろいろと細かな話を記しているので、詳しくはこの項目を読むといいだろう。
( ※ 貸し倒れになるのは Fラン大学の学生ばかりなので、Fラン大学の学生に貸さなければ、貸し倒れ額は激減する。だから長期延滞が激増するという貸し倒れの問題は、すっかりなくなる。仮に保証料を強制徴収するにしても、ごく小額で済むようになる。)

 ──

 ただし、である。話はこれでは終わらない。もっと重要なことがある。今日の朝日夕刊で知ったが、次のことだ。
 「日本の公教育費(対 GDP比)は、3.47%で、世界 154国中の 114位」

  → 公的教育費の対GDP比率 国際比較 Global Note

 こういう情けないありさまだ。これより下にあるのは、ほとんどが途上国である。
 ちなみに、韓国は 5.25%で 45位。米国は 4.99%で59位。日本と同レベルなのは、インドネシアとタンザニアだが、この両国とも日本より上だ。

 何ともまあ、情けないありさまだ。
 で、このあと改善する見込みがあるかというと、次の件がある。
 「安倍内閣では、幼児教育を無償化する」

 これで公教育費は増えそうだ。ところが、これで公教育費が増えた分、家庭の教育費は同額が減る。差し引きして、教育費の総額はちっとも増えない。単に家計の負担が減るだけで、教育費は増えないのだ。つまり、莫大な資金を投入しながら、その金は、教育のためには使われず、金持ち家庭の負担を減らすことばかりに使われる。
( ※ 幼稚園の保育費は、金持ち家庭ほど高額だからだ。)

 その一方で、今回のように、貧しい奨学生(大学生)からは強制的に金をむしり取る。で、それで得をするのは、卒業後も仕事がなくて失業するような Fラン大学の学生ばかり。(まともな大学に通う学生は、メリットがなくて、保証料をむしり取られるばかりだ。)
 つまり、将来的な失業者を増やすために、莫大な資金を投入するわけだ。しかも、その莫大な資金は、国が負担するのではなく、奨学生が負担する。……ここでは、奨学制度を充実するかわりに、奨学制度を弱体化するわけだ。「保証料の強制徴収の分だけ、奨学金を減らす」という形で。

 まったく、安倍内閣というのは、とんでもないことばかりやるね。亡国政策をするばかり。

( ※ 公教育費に十分な額を投じれば、もともと「奨学金の貸与」という問題が発生しない。授業料そのものを大幅に引き下げることができるからだ。少なくとも国立大学については、昔の水準にまで、授業料を大幅に引き下げるべきだろう。)
( ※ このようにすれば、有為の人材が大学に通えるようになるので、国の経済的な活力も上がるし、国の体力強化につながる。……逆に、現状のようなことをしていると、国がどんどん衰退していく。亡国政策。安倍首相が得意なやつ。)

posted by 管理人 at 19:25| Comment(3) | 一般(雑学)5 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
何時も役立つ知識をありがとうございます
大学は落選した政治家の重要な天下り先ですのでお金を減らす動きは難しいと思います。
Posted by ポンポコ狸 at 2019年01月09日 23:11
>連帯保証人は半分しか払わなくていいと判明したの・・・
連帯保証人→全額
保証人→半額
Posted by ぽんた at 2019年01月10日 09:47
 ぽんた さん、ご指摘ありがとうございました。本文を修正しました。
  連帯保証人 → 保証人
Posted by 管理人 at 2019年01月10日 13:00
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