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記事はこうだ。
富山県警上市署は31日、北アルプス池ノ平山(標高2561メートル)付近で遭難した男性2人を救助したと発表した。
31日午前10時5分ごろ、富山県警のヘリコプターが、池ノ平山山頂から北に約200メートル離れた「大窓の頭」付近で、スノーマウント(かまくら)と2人を確認。県警山岳警備隊員が救助した。2人とも元気そうだったという。
2人は同じ山岳会の所属で、剱岳(標高2999メートル)を目指して30日までの登山届を提出していた。25日に携帯電話から遭難したとの通報があり、天候が回復するまでスノーマウントで救助を待っていた。
( → 遭難者2人を救助 通報から6日後 北アルプスで富山県警 - 毎日新聞 )
県警山岳警備隊は26日から連日、ヘリによる救助を試みたものの、寒波襲来に伴う悪天候で現場に近づけず、地上からも接近できない状況が続いていた。
( → 遭難の2人、6日ぶり救助 北ア・池ノ平山、命に別条なし - 富山県のニュース | 北國新聞社 )
「地上からも接近できない」という点が疑問に思えた。そんなに遠い(高い)地点にまで行ったのだろうか? 場所はどのあたりなのだろうか? 調べたら、判明した。下記にある。(地図付き)
→ 白萩川から大窓・大窓の頭への日帰り山行
この山行の最終目的地が、「大窓の頭」だ。「大窓」という一帯のなかで一番高いところが「大窓の頭」だ。この先にはもっと高い山頂(池の平山)があるのだが、そこは容易には到達できない急峻であるらしい。だから、「大窓の頭」が最終目的地となる。
( ※ 山頂は 2561メートル。「大窓の頭」は 2500メートル。)
→ 画像「大窓の頭から見た池の平山 北峰」
しかも、「大窓の頭」に至る途中も、かなりの難路である。
大窓から大窓の頭への登りも、前半は登山道らしく整備されていますが、後半は踏み跡も少なく、藪こぎも沢山出てきます。
ともあれ、この難路を経て、最終目的地に到達したわけだ。そして、そのすえに、遭難した。
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つまり、山頂の直前にまで来たら、「目的地はすぐそこだ。何が何でも到達したい」と思って、とうとう到達したが、その先では下山できなくなったわけだ。
呆れる。最終目的地の手前で引き返す判断力があれば、十分に引き返せたのだが、そうしなかった。残っているわずかな力を、下山するために使わず、山頂に向かう(つまり遭難する)ために使った。
これでは、「わざと遭難した」とすら言える。ひどいものだ。
ま、ヘリコプターを6日間ぐらい飛ばしたらしいので、ヘリの代金が相当多額になっているはずなので、その代金を払ってほしい……と思ったのだが、このヘリコプターは、民間のヘリコプターではなく、県警のヘリコプターであるそうだ。
警察は26日から27日にかけて3回、ヘリで救助を試みましたが、悪天候に阻まれて救助ができない状態になっています。
( → テレ朝news 2018年12月27日 )
げげっ。だとすると、税金で負担するのだろうか?
警察、消防、自衛隊のヘリは無料だが、民間ヘリは当然有料。 救助費用は遭難者が負担することになる。 日本山岳救助機構合同会社のサイトによれば、民間ヘリの東邦航空の場合、捜索・救助料金は1時間あたり46万5000円。 遭難現場が明確にわかっていれば、救助が1時間前後で完了するとして、費用は50万〜80万円ぐらい。
( → 山岳遭難時の救助費用はいくらかかる? 手がかりないと膨大に│NEWSポストセブン )
まさしく公費負担だ。こうなると、税金泥棒だな。
こういう無謀な遭難者には、きっちりと代金を請求するべきだろう。現状では「犯罪を税金で推奨する」というふうな感じになっている。(自傷の犯罪)
今回も 300万円ぐらいを支出したことになる。関係者の人件費も含めると、1000万円近くを出費したと思えそうだ。
というか、本来、警察は「救助しません。救助してほしければ、民間の救助隊に頼んでください」という方針を出すべきだろう。犯罪事件でもないのに、警察が出るべきではないね。まして、自傷事故なんだから。
( ※ そもそも冬山に登るのが自殺的行為だ。危険の尻ぬぐいぐらいは、他人に頼らず、自分で準備しておけ。)
なお、雪山の遭難に対応している保険もある。
→ 特長と補償内容 / 日本費用補償少額短期保険
1年 4000円で雪山遭難に対応してもらえるのだから、これに加入しておくべきだろう。
警察は、費用を保険会社に請求するといいだろう。限度額は 300万円ということだが、500万円ぐらいを請求してもよさそうだ。(超過分は自己負担。)
こうでもしないと、無謀な遭難が続発しそうだ。
( ※ 結局、事故の最大の予防策は、救助代を高額に徴収することだ。現状では、遭難したときの無料サービスなんかをしているから、遭難事故が起こりがちになる。)
で、こういった話は自己責任論でまとめられる話です。80歳を越えてエベレスト登頂に挑む冒険家?とか、ISに拘束され、後解放されたジャーナリストも批判されて然るべきと考えます。ところが煽動して報じる側は...大事な飯の種ですから。ここに最大の問題が潜んでいるのではないでしょうか。
「助けは不要」というのであれば、構わないと思うんですけどね。
ただし後者では、実際には、日本政府がカタール政府に金を払ったらしい。
彼は「助けなくていい」と事前に言っていたんだから、「方針を撤回します」というふうに反省文を出すべきなのに、前言を撤回しないままだ。単に普通に謝罪しているだけで。
こういった意見が出ると強硬に封殺しようとする力が現れます。その力の発生源に問題が潜んでいるんじゃないかと。
類似するシチュエーションとしては、遊泳禁止の海で遊ぶことによる海難事故でしょうか。
遊泳禁止の海では遊ばないように判断すれば、事故は回避できますので。
・雪山登山はエキサイティングだ!(勝手にしてくれ)
・助けてー(知るか)
日本海側の富山県ですから湿雪なんでしょうけど、登山靴を濡らしてしまったのでしょうか。
登山家なら考えにくいヘマですね。
禁酒法の如く冬山登山禁止法を制定するわけにもいかないでしょう。
植村直己や野口健のようなチャレンジする若者の芽を摘むことになってしまいますからね。
警察が登山届を閲覧して無謀と判断した場合、登山計画の変更(もっと安全なルート、目的地に)を指導するようです。