2018年12月05日

◆ 水道事業の民営化の本質

 政府は、水道事業の民営化という方針を打ち出したが、批判されている。では、どこが問題か?

 ──

 安倍政権は、メチャクチャばかりをやっているが、最近では「水道事業の民営化」という方針を打ち出した。
 自治体が水道事業の運営権を民間企業に委託する「コンセッション方式」の促進を盛り込んだ水道法改正案は四日の参院厚生労働委員会で、与党や日本維新の会などの賛成多数で可決された。五日の参院本会議で可決される見通しで、与党は六日の衆院本会議で採決し、成立させる構えだ。
( → 東京新聞:水道「民営化」法、成立へ 参院委可決

 しかしこれは、さんざん批判を浴びている。
  → 水道「民営化」の海外失敗例、調べたのは3例のみ:朝日新聞
  → はてなブックマーク

 で、民営化の将来像は、すでに実施済みの英国に見られる。(失敗例)
  → 水道代が高すぎてトイレ流せない……英貧困家庭を直撃 - BBCニュース
  → はてなブックマーク

 ──

 この問題の本質は何か? こうだ。
 「民営化は、市場原理の働くところでは、成功する。しかし、市場原理の働かない地域独占事業で実施すれば、ただの独占企業が成立するだけだ。企業は暴利を得るようになり、住民は金をむしり取られる」


 具体的な手口は、こうだ。
 「子会社に経費を高値で発注して、利益を子会社に移転する。こうして水道会社本体の経営を赤字にして、水道料金の値上げを正当化する」


 結果的に、金は次のように流れる。
  住民 → 水道会社 → 子会社 → 着服者

 最後の「着服者」というのは、水道会社の経営者と同一だ。こうやって、水道会社の経営者が、住民の金をむしり取るわけだ。

 ただし、最後にもう一つ、次の経路がある。
        着服者 → 政治家

 つまり、賄賂だ。別名、政治献金。実は、これが狙いで、安倍政権は「水道事業の民営化」を実現しようとしているのだ。

 ──

 以上を端的に言えば、「政府は水道会社に買収されている」ということだ。
 「そんな馬鹿なことがあるものか」と思う人もいそうだが、事実は小説よりも奇なり。次の事実がある。
 これまでの審議では、水道などの公共部門の民営化を推進する内閣府民間資金等活用事業推進室で水道サービス大手、仏ヴェオリア社日本法人の出向社員が働いていることも発覚した。
 社民党の福島瑞穂氏は「すさまじい利益相反。企業のために役所は働いているのか」と批判。内閣府によると、昨年4月に政策調査員として公募で採用し、海外の民間資金の活用例調査をしているという
( → 水道法改正案、週内成立へ 参院委可決 民営化、懸念やまず:朝日新聞

 水道業者の社員が政府に出向して、法律作成に関与しているわけだ。比喩的に言えば、暴力団の団員が、暴力団取締法を制定するようなものだ。メチャクチャの極み。
 ま、それというのも、安倍政権自体が「犯罪者による犯罪者のための政権」なんだから、当然だと言えば当然だが。

 ──

 なお、世界各国の実例は、下記で報告がある。
  → 日本人は知らない「水道民営化の真実」フランスと英国で起きたこと

 先に述べた懸念が、まさしく現実化していることがわかる。
 で、こういう「真実」がバレると困るから、政府は、調査したうちで「成功」の3例だけを公開して、残りの「失敗」の例を全削除したのだろう。それが「3例だけを報告」ということの実態だ。



 【 関連サイト 】
 私が本項を書いたのは、本日の朝だったが、その後、本日の午後になって、下記ページが公開された。
 → 水道民営化が失敗する本当の理由

 ここには、独占のことも記してある。
 民営化に適さない業種の条件は幾つかあり、そのうちのひとつが「自然独占」です。これは「初期投資が大きくて、規模が大きくなるとコストが下がる」業種のことで、規制をしなくても自然に独占状態になってしまいます。
 このような業種では、新規参入には多額の初期投資が必要で、しかもコスト面で不利な競争を強いられます。ですから、新規参入が困難で、独占になってしまうのです。水道事業もこれに当てはまります。独占になると競争原理が働かず、値上げし放題なので、「公営による非効率より、民営化で独占利潤の発生によるデメリットの方が大きい」ということになります。

 私の話と共通する点も多いようだ。

 ※ 私の話は、経済原理の話だけでなく、他の話もいろいろとあるので、情報は豊かだ。



 [ 付記 ]
 続報。




 下記も。
  → 民間参入促す水道法改正案 衆院厚労委で可決 | NHKニュース



 【 関連動画 】



posted by 管理人 at 22:59| Comment(4) | 一般(雑学)5 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
1 管理人さんは法律を読みましたか?
(水道法改正の目的はご存知ですか)
2 欧州の事例について成功例と失敗例の数(もしくは比率)をご存知ですか?
3 水道法改正は「民営化」と呼んでいいのですか?
  施設は地方政府(自治体)の資産で売却することはないので、
 「官民連携」と呼ぶのが正しいと思いますが。
Posted by 通りすがり at 2018年12月06日 00:11
1 とりあえず、今読みました。
  http://j.mp/2Poag2G
  https://diamond.jp/articles/-/176012
  https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000179020.pdf

2 それは政府が調べて隠したこと。すぐにわかるくらいなら、政府は調べないし、隠しもしない。

3 正確には民営化でなく PFI ですね。運営権の売却。関空ふう。野放図な独占による価格の釣り上げは、建前上ではできないかもね。
 だけど現実には、世界各国では、PFI はたいてい失敗しています。コストダウンを目的とした大幅なサービス低下。どれほどサービスを低下させても、放置される。水道業者で言えば、配管の放置により、断水や漏水が頻出し、最後は大赤字を残して会社倒産かな。その間に経営者は莫大な配当と報酬を手にして、すたこらさっさと逃げ出す。
 私が経営者だったら、100億円をもらって、事業を大幅赤字にして、120億円の負債を残して、会社を倒産させますね。これは合法。120億円の負債は自治体(住民)にツケ回しすればいい。だまされる方が悪い。そういう制度設計なんだから。

 ちなみに、太陽光発電も同様で、莫大な利益を稼いだあとは、赤字を国民(電気消費者)にツケ回しをしている。設備投資をすることもなく、権利だけを書類上で転売して、ボロ儲けをしている人もいる。すべて合法。詐欺は合法化されている。

 こういう(詐欺による)ボロ儲けを実現するためには、国会審議は困るし、だから強行採決をする。
Posted by 管理人 at 2018年12月06日 07:02
水道の利権を市町村がもってることで
建築申請を取らないとか申請内容を守らないとか
違法に建築した場合
公共水道の接続を許可しないことで
違法建築へのプレッシャーになっている
電気やガスは金を払えばつないでくれるからね
Posted by 老人 at 2018年12月06日 12:28
>管理人さん
問題点がよくわかりました。
レスありがとうございました。
Posted by 通りすがり at 2018年12月07日 00:13
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