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これは朝日新聞の記事で判明した。
関係者によると、ゴーン前会長は「米国の自動車大手3社の最高経営責任者(CEO)の報酬を平均し、自分は20億円くらいもらっていいと思った」としたうえで、「社員のモチベーションが落ちるかもしれないので、合法的に一部は開示しないで済む方法を考えた」と供述。
( → ゴーン前会長、仏での高額批判意識か 報酬過少記載容疑:朝日新聞 )
「20億円くらいもらっていいと思った」そうだ。ここで「20億円」というのは、GM がかつてゴーンを招こうとしたときの金額だ。「現在は日産とルノーで 10億円ぐらいをもらっているようだが、GM の社長になれば 20億円を上げるから、GM においで」というふうに招かれた。そのときの数値だ。
で、その数値を覚えていたから、「だったら日産でも 20億円をもらってもいいさ」と思ったのだろう。
以上は、私の推定だった。前からずっとそう推定していた。で、そのことがまさしく、上の記事で実証されたと言えるだろう。
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ただし、注意。ここでは「ゴーンは足し算ができない」ということが前提となる。
仮に足し算ができるのなら、こうなるはずだ。
9億円 + 10億円 = 19億円 (≒ 20億円)
ここで、9億円はルノーからもらっている額だ。同じ朝日記事に、こうある。
ゴーン前会長が、会長兼CEOを務める仏ルノーから得た報酬は、直近の15〜17年はいずれも約9億円。15年分の報酬が諮られた16年4月のルノーの株主総会では、54%の株主が「高額すぎる」と反対した。
10億円は、日産からもらっている額だ。(既報)
だから、あわせて 19億円をもらっていることになる。足し算ができれば、それがわかるはずだ。
ところが、ゴーンは、「20億円をもらいたい。だから、ルノーからの9億円のほかに、日産からも 20億円をもらいたい」と考えた。これは、ゴーンが足し算をできないことを意味する。仮に足し算ができるなら、「9億円と 20億円の合計は 29億円になる」とわかるはずだからだ。(しかるに、その計算ができない。)
そもそも、ルノーと日産の合計生産台数は、 1000万台に遠く及ばない。三菱の分を足して、ようやく 1000万台になるだけだ。その意味でも、1000万台近くを生産する GM と同規模とは言えなかったのだし、ルノーと日産の社長を兼務しても、20億円をもらえる視覚などはない、とわかる。ルノーと日産と三菱の三つの社長(会長)の報酬を足し算して、20億円になるのなら、それでようやく、つじつまが合う。たとえば、こうだ。
9億円 + 10億円 + 2億円 = 21億円
最後の2億円は、三菱からの分だ。この三つの報酬を合わせて 21億円になるのなら、つじつまが合う。
しかしゴーンは、そうしなかった。日産だけから、20億円をもらおうとした。さらには、個人住宅(豪華社宅)の分まで、日産に払わせた。(前項)……これらの合計だと、25億円ぐらいになりそうだ。
結局、足し算もできない阿呆が、コストカットなどを目指したわけだ。どうしようもないね。呆れるしかない。