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(1) F35 を 100機購入
F35 を 100機購入する、という動きが出た。
政府は最新鋭ステルス戦闘機「F35」を米国から最大100機追加取得する検討に入った。取得額は1機100億円超で計1兆円以上になる。現在導入予定の42機と合わせて将来的に140機体制に増える見込み。現在のF15の一部を置き換える。中国の軍備増強に対抗するとともに、米国装備品の購入拡大を迫るトランプ米大統領に配慮を示す狙いもある。
( → F35戦闘機 最大100機追加取得へ 1兆円、政府検討 :日本経済新聞 )
100億円というが、それで済むはずがない。今の F35 だって、 100億円以下という触れ込みで決めたが、実際には 150億円を払っている。
今回も 100億円(総計1兆円)という触れ込みで決めて、実際には 200億円(総計2兆円)ぐらいを払うはだ。詐欺師というのは、そういうもの。口先でだます。
それにしても、中身がブラックボックスで、ライセンス生産もできないようなものを、大金を払って言い値で買うしかないとは、舐められたものだ。
( ※ 今後、値上げを通告された場合には、無条件で受け入れるしかない。そういう契約条件になっている。既報。)
(2) F2後継機の共同開発
F2後継機について、欧州から「(新型タイフーンを)共同開発しよう」という提案が寄せられた。完全な共同開発で、ブラックボックスなしで、情報はすべて開示されるという。
→ (聞きたい)F2後継機、何を提案? 英BAEシステムズ最高技術責任者、ナイジェル・ホワイトヘッド氏:朝日新聞
最高技術責任者へのインタビュー記事。彼いわく:
タイフーンの場合、英国、イタリア、スペイン、ドイツのパートナー企業は透明な決定過程の下、平等な決定権を持っている。日本との共同開発でも同様だ。
以前、日本政府にタイフーンを提案したときはブラックボックスが一切ないことを英政府が保証した。今回も同じだ。
これなら、国産開発と同等以上の好条件だ。日本の防衛力の向上をめざすのなら、これしか選択肢はない。
しかしながら、日本の首相は、名うての売国奴だ。日本を守ることよりも、トランプに尻尾を振ることが狙いだ。

【 関連項目 】
新型タイフーンの共同開発……という案については、本サイトでも1年前に言及した。
「ユーロファイターを大量に導入する」
こう聞くと、反論が出そうだ。
「ユーロファイターなんて、古すぎて、駄目だ」
しかし、これは早計だ。私もそう思ったこともあるのだが、ユーロファイターは、いつのまにか、次々と進化している。ここ数年、ずっと新規開発と発展が続いている。最新型は、ユーロファイター2020と呼ばれるものだ。(開発中。)
( → 巡航ミサイルを導入するべきか?: Open ブログ 2017年12月06日 )
それでも、「ユーロファイターは F35 よりも性能が劣る」という人も出てきそうだ。
だが、そもそも F2後継機は F35 に匹敵する必要がない。ユーロファイターを共同開発したからといって、F35 がなくなるわけじゃない。
また、ユーロファイターはステルス性が劣るが、日本の優秀なステルス技術を導入すれば、F35 以上に高性能なステルス機にすることも可能だろう。
( ※ その場合は、前翼(カナード)をなくす必要があるので、旋回性などは大幅に劣りそうだが、改変モデルとしてステルス性を高めた機種にしておけば、それなりに有効だ。)
実は、近代の空中戦では、戦闘機の性能はあまり重視されない。ドッグファイトをするよりは、対空ミサイルで遠方から撃墜する。対空ミサイル任せだ。そのためには、ステルス性だけがあればいいのだ。
ユーロファイターは、そのままだと対空ミサイルが剥き出しになりそうで、ステルス性が弱そうだから、本体内に対空ミサイルを収納するように、本体を改造したタイプも必要だろう。そこまでやると、本体設計そのものを日本が任される必要も出てくる。
実は、日本の戦闘機技術は、MRJ の三菱だから、全然たいしたことはない。そのまま F2 を設計していたら、まともに飛ぶかどうかもわからない。( MRJ みたいに、延期に次ぐ延期になりかねない。) だから、本体の構造設計は欧州に任せて、日本は得意なステルス技術だけに専念した方がいい。その意味でも、共同開発は、願ったり叶ったりだろう。
【 追記 】
F2後継機 については、三菱が「共同生産」を訴えるべきだ。そうすれば、自社で国内生産ができるし、自社技術を高めることもできるからだ。
また、完全国産だと、MRJ みたいに不具合が多発して、日本中から大批判を浴びる羽目になりそうだが、共同生産ならその危険もない。
三菱は現在、MRJ が事業化できずにいるし、F-35 はただの組み立て生産だけで、国産か比率がすごく低い。まともに仕事ができていない。こういう状況で、欧州との共同生産に進めば、自社で国内分を生産するだけでなく、国外分を輸出することもできそうだ。
こうして、欧州との共同快活で、三菱は航空事業を立ち直らせることができる。その方向で、政府や自民党に働きかけるべきだろう。
( ※ 武器輸出は、欧州向けなら、すでに可能となっている。イギリスとのミサイル共同開発は、すでになされている。 → 日本における武器の輸出・国際共同開発について )
【 関連動画 】
同じ1兆円使うなら管理人の言う通り欧州と共同開発が正道だと思います。
同じ間違いを何回もしでかす三菱重工と関連会社。
H2Bは大丈夫か?
タイムスタンプは 下記 ↓
高機動で変幻自在な動きをするからステルス性を獲得できるのであって、ただステルス塗料とか機体の形を工夫すればいいというのはそれこそ太平洋戦争の水準です。
ゆえに三菱重工がステルスが得意なんてことはまったくなく経験がゼロなので未知数、というのが正解です。これはユーロファイター社も同様。F35とはゼロと1の無限大の差があります。
設計して、モデルを作ったあとで、電波暗室で実測するんです。
日本には電波暗室がないし、米軍は使わせてくれないので、心神ではフランスの電波暗室を借りることになった……という話が前にあった。
→ http://j.mp/2P7PsMU
この意味ではすでに共同開発みたいなことにはなっている。日本が一方的に頼っているだけだが。
> 高機動で変幻自在な動きをするからステルス性を獲得できる
そんなことはないです。初代の F117 は、ほぼ直線運動だけです。それでいてステルス性能はほぼ最高です。
そもそも、変幻自在な動きをしたら、すぐにレーダーに捕捉されてしまいますよ。
レーダーからは最も見つからないように、機首をレーダーに向けているときに限り、見つからないんです。腹を見せたら、すぐに見つかってしまいます。
高機動のためのカナード翼やベクターノズル、外に装着したミサイルは、レーダーに写りやすくなります。F-22やF-35はステルス性を確保するために機動性を犠牲にしています。
F-117に至っては名称こそファイターだけど、運用は戦闘爆撃機だし。
高機動で変幻自在な動きを《 しない 》からステルス性を獲得できる
ですね。それならわかります。
すなおにみたらあんな機体、今のレーダーの性能ならくっきり映ります。
その一方で空力安定性は非常に悪い機体であることが見てとれます。
あの機体は非常に「筋の悪い」機体で人が操縦桿で操作するだけではまともに飛ばせないようにつくってあるんです。制御系がいかれればあの機体は即墜落なんですね。
そのように不安定にすることで高機動にしてあるんです。
さらにあの機体、単体ではだめで編隊にしておかないとまともにステルスになりません。
いままでの常識で語れない機体なんですね。
その理屈だと、その話はそっくりそのまま F-117 に当てはまるので、 F-117 は高機動ということになる。しかし、それは不成立。
ステルス機は単に不安定なだけであって、高機動ではありません。ドッグファイトではタイフーンにボロ負けすることが判明している。
日本がこれに加わると良いと思います。