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富士フイルムは、フィルムから電子カメラへと時代が激変するなかで、見事に自分自身を変革することで、生き延びた。それはどうしてか……という記事が話題になった。
→ 売上の6割を占める主力事業を5年で失った富士フイルムが、破綻しなかった秘訣|徳力基彦
変革を実行した古森会長自身の講演をまとめたもの。これを読んだ人にも好評だ。
→ はてなブックマーク
ただ、私は前からこれを知っていたので、私なりに最大の核心を言うなら、こうだと思う。
「変革を実行できた経営者も立派だったが、それを見事に実行した社員も立派だった。そして、社員がそれを実行できた最大の理由は、社員が優秀だったからだ。そのまた理由は、富士フイルムが高賃金だったからだ」
バブル期以前で言えば、高賃金の日本企業(外資系を除く)には、三つあった。
・ ソニー
・ キヤノン
・ 富士フイルム
この三社は高賃金で有名だった。だから優秀な技術者がいっぱい集まった。他社よりも1〜2割給料が高ければ、他社よりも5割も 10割も優秀な人材が集まる。こうして、これらの企業は時代を生き延びた。
実は、ソニーには「出井」というトンデモ経営者がいて、(次のストリンガーと相まって)ひどく業績を悪化させたのだが、それでも何とか、ソニーは荒波を越えて生き延びた。最近ではまた名門企業として復活した。やはり、優秀な人材がいたおかげだろう。
というわけで、冒頭の記事のように、細かな理由がいろいろとあるように見えるが、実際は、「すべては人」というふうに、人材の効果だと思える。そして、その人材をもたらしたのは、高賃金だったのだ。
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一方、低賃金の会社からは、どんどん人材が逃げ出す。沈没する船から人が逃げ出すようなものだ。
→ 6年勤めたNTTを退職しました(はてブ)
→ NTTの株価総額が世界一だった時に、Microsoftに転職(はてブ)
前者は、NTT から Google に転職した人。
後者は、NTT から Microsoft に転職した人。
いずれも、エリートと言える優秀な人材だ。それが、低賃金に喘いで、他社に転職する。
優秀な人材を無駄にする日本企業……という感じで、はてなブックマークでも話題になった。
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ま、いろいろと話題になった記事があるので、上記で紹介しておいた。
【 関連書籍 】
富士フイルムの変革を断行した経営者の本。(自著・他者)
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人材をいかに安く使い倒すか、ということしか頭にない。
外国人労働者しかり。裁量労働制しかり。
大資本と、強力なマーケティング能力と、優秀な外注に、ソニーの収益は支えられています。