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エアコンの室外機と室内機を結ぶ配管は、保温材で被覆されている。
ガス瞬間湯器沸かし・ガス風呂でも、室外機と室内機を結ぶ配管は、保温材で被覆されていることがある。
これらの保温材は、厚い発泡プラスチックでできていることが多い。さらにその外側がプラスチックのテープでくるまれていることも多い。
ところが、そういう保温材が、経年劣化で崩れてしまうことがある。そのあとは、保温材がなくなったあとで、内部の配管が剥き出しになってしまう。
こうなると、熱を遮断することができなくなるので、機械の機能が損なわれる。
・ エアコンの能力(冷房・暖房)が落ちる。
・ 湯沸かし器や風呂の温水が冷める。
だから、何とかして修復したい。では、どうやって?
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プラスチックのテープぐらいはどこにでもありそうだが、保温剤としての発泡プラスチックは容易には入手しがたい。
そこで、困ったときの Open ブログ。名案を示そう。
「 100円ショップのセリアに行って、発泡プラスチックのパイプを購入する」
外形が 8cm、内径が1cm ぐらいの、発泡プラスチックを売っている。下記のようなものだ。

この紫のものがそうだ。(色違いで、赤や黄色のものもある。)
これはたぶん、発泡ポリエチレンだ。発泡材。これを適当な長さに切って使う。
「内径が1cm では小さすぎる。パイプの太さは直径3cmぐらいあるから、パイプが収まらない」
と思う人が多いだろう。しかし、大丈夫。こうするのだ。
「円のうち、3分の1ぐらい(扇形)を切り取って、残りの3分の2ぐらいを使う」
すると、3分の1の部分に(何もない)空間ができるから、ここにパイプを収める。
つまり、パイプの全体を被覆するのではなく、パイプの片側だけを被覆する。残りの片側は、壁に密着している。
つまり、3分の2の部分(発泡材)と、壁とで、パイプを挟むようにして、被覆するわけだ。
(発泡材) (パイプ) (壁)
という感じで、挟むわけだ。これでOK。
[ 付記1 ]
実際にやるときの手順では、次のようにする。
(1) パイプでは崩れた部分と、崩れてない部分があるので、きれいにそろえる。ところどころ、崩れてない部分が残っていたら、それを剥がす。きれいに剥がして除去してから、その上に紫の発泡材をかぶせる。
(2) かぶせるときには、ゴム糊で接着する。
※ イオンで 100円弱で売っている。
(3) 壁の側に付いている保温材は、剥がさずに残しておくこと。注意!
(発泡材)■(パイプ)■(壁)
↑ ↑
除去 残す
[ 付記2 ]
この状態では、保温材である発泡プラスチックが風雨に打たれて、劣化しやすい。
そこで、発泡プラスチックの上に、アルミ保温シートをかぶせるといい。(これもゴム糊で接着する。)
アルミ保温シートは、表面がアルミなので、風雨に耐える能力がある。また、剥がしやすいので、5年ぐらいして劣化したら、アルミ保温シートだけ剥がして交換すればいい。これで、何十年も持つ耐久性が備わる。
アルミ保温シートも、セリアで 100円で売っている。
※ 上記の画像の下半分。
[ 付記3 ]
効果はあるか? 十分にある。
瞬間湯沸かし器の配管(1メートル)に使ったところ、出る湯の温度が 1〜2度ほど上昇した。熱効率が5%〜10%ほど向上した感じだ。(逃げる熱が減った。)
はっきりと体感できるほどの差が生じた。
これは 11月中旬(外気温 15度)での数値。
真冬(外気温 3度)ならば、もっと大幅な効果がありそうだ。
[ 付記4 ]
崩れていなくても、そろそろ崩れかけているところもある。そこには、アルミ保温シートを貼りつけるだけでいい。これで、崩れるのを予防できる。
【 追記 】
「断熱用のテープはホームセンターで売っている」
という指摘がコメント欄に寄せられた。品物は下記。
→ 配管 保温材の販売特集【通販モノタロウ】
これも一案だ。(ただし、自宅のそばにはない人も多いだろう。100円ショップなら、容易に見つかりそうだが。)(上記サイトでは、通販もしているが、配送料は 500円。)
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ただし、この方法は、作業に手間がかかる。なぜなら、もともとある被覆部(パイプと壁の間に残っているもの)を、すべて撤去する必要があるからだ。これは、接着剤が付いているので、撤去が難しい。ごりごりにこびりついているものを、きれいに撤去することには、難儀する。
また、下手をすると、パイプに直接付いている薄いテープを、いっしょに剥がしてしまうことになりかねない。こうなると、薄いテープを貼り直すというふうに、別の作業が追加される。また、薄いテープを新たに購入する必要がある。そこまでやると、メチャクチャに時間がかかる。
本項で述べた方法なら、作業の手間はほとんどかからないし、時間も短時間で済む。また、断熱材はきわめて厚いので、断熱性も高い。簡単で効果が高くなる。また、事後の耐久性も高い。(アルミで被覆するからだ。)
コストが安いことのほかに、手間の簡単さと、性能の高さから、本項の方法をお薦めしたい。
※ 見映えはどうか? 別に、見映えは悪くないが、事後、そこだけがアルミで光って目立つ。そこだけが特殊な感じがする。家の裏側ならば問題ないが、家の表側だと、外から目立ちすぎて、まずいかもしれない。
百均製品とは1mあたりの価格と相談したらいいでしょう。
配管内部の流体温度によっては、保温材の材質を選ぶ必要(主に耐熱性の観点から)がありますけど。あとは防火上の観点から「燃えにくい・燃え広がりにくい」材料にするとか。