2018年11月09日

◆ 停電とガソリンスタンド

 震災などで停電になると、ガソリンスタンドも停止してしまうので、問題だ。

 ──

 先の北海道の震災では、直後に停電が起こった。そのとき、自家発電をした病院があったが、自家発電のための軽油を買いにガソリンスタンドに行ったそうだ。するとガソリンスタンドは「給油できません」という。「停電のせいでポンプが動かないので」と。
 人工呼吸患者82人、病院の発電機止めるな。
 札幌市中央区の平成会病院は入院患者82人全員が人工呼吸という病院だ。
 発電機を確かめた。ざっと見積もって燃料がもつのは残りあと6時間だ。
 向かいにはガソリンスタンドがある。非常時を考え、近くに立地していたのだ。ガソリンスタンドに駆け込んだ。
 タンクを集めて台車に載せ、開店前の店に「ありったけの軽油がほしい」と頼んだ。だが店員は「無理です。ポンプが動かせない」。
( → (てんでんこ)ブラックアウト:1 病院:朝日新聞デジタル

 何だか間抜けな話ですねえ。
 停電対策で自家発電を用意したのはいいが、自家発電のための軽油が、停電のせいで入手できないという。これじゃ、何にもならない。(尻抜けだ。)

 では、対策は? もちろん、ガソリンスタンド自身が自家発電装置を用意すればいい。
 このことは、政府もわかっていて、対策を進めているそうだ。
 経済産業省は、大規模災害で電力やガスの供給が途絶えた場合に備え、全国8千カ所のガソリンスタンドを拠点給油所に指定し、自家発電機の整備に乗り出す。
( → 全国8000カ所の拠点給油所指定へ 熊本地震では営業停止相次ぐ - 産経 2016.9.6

 これで問題は解決かな……と思ったが、よく考えてみると、上記記事は、熊本の地震の直後で、2016.9.6 という日付だ。
 一方、先の北海道の地震は、2018年9月6日という日付だ。ちょうど2年後だ。にもかかわらず、冒頭の問題が発生した。つまり、ちっとも解決していない。

 では、なぜ? そのわけは、上の記事の最後に記してあった。
 給油の対象は緊急車両を想定し、所在地は公表されていない。

 冒頭の病院が、軽油を買いたくても、どこで買えるかはわからないわけだ。「所在地は公表されていない」ということだから。
 まったく、政府は何をやっているんだ。いくら大量に整備しても、それを隠していたのでは、肝心のときに何も役立たない。
 全国8000カ所の拠点給油所を整備しても、それを官庁だけで独り占めして、民間の病院には使わせない、というわけだ。

 現実的には、「緊急車両や病院が最優先」という方針でいいが、それは、現場のガソリンスタンドが対処すれば良いことだ。
 なのに、「大量のガソリンスタンドを整備しても、民間には使わせまい」というのだから、呆れるしかない。なんという、さもしさ。

 まったく、人の命を何だと思っているんだ。



 [ 付記 ]
 ついでだが、朝日の記事も、そこまで調べて書くべきだったな。問題点を見つけたのはよかったが、掘り下げ方が足りなかった。
 だから私が、調べ方をここで教えている感じだ。
 


 【 関連サイト 】
 政府は隠蔽したがっているが、民間では自主的に調べてネットで公開している人も現れた。
  → 【北海道地震】給油できるガソリンスタンドの営業状況まとめ
 つまり、隠蔽しても(あまり)意味がないわけだ。

 一方で、営業中のガソリンスタンドには客が殺到した。



posted by 管理人 at 23:37| Comment(6) |  地震・自然災害 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
消費税増税に乗じて、キャッシュレス社会を盛んに喧伝している連中にも停電時の対策を尋ねたいところです。
Posted by 作業員 at 2018年11月10日 01:17
311のときも同じようなはなしがありましたが、そのときは病院がきちんと事前にはなしをして融通してもらってましたよ?
端的に言ってその病院の防災対策がザルだっただけでは?
まあ自家発なくてもディーゼルなら手動ポンプでも保安上それほど問題ないはずと思いますが
Posted by とおりがかり at 2018年11月10日 01:29
> 病院がきちんと事前にはなしをして融通してもらってましたよ?

 ちゃんと記事を読んでください。話をしてもしなくても、自家発電がないのでは、ポンプは動きません。「融通してくれ」といくら頼んでも、「電気がないので無理です」と言われるだけです。
 ただ、事前に予約・確約をしておくことは、たしかに大事です。そこで、そのためにも、「どこのガソリンスタンドには自家発電装置があるか」をあらかじめ公表しておくことが大切なのです。

> 手動ポンプ

 やったことがない人だと、無理でしょう。本件の例もそうだと思えます。
 なお、やったことがある人でも、すぐに疲れるので、大量にやるのは無理だそうです。
 また、女性や老人も無理っぽい。今は高齢化社会なので、もともと無理な人も多いのかも。
Posted by 管理人 at 2018年11月10日 08:13
こういう24時間電気を絶やせない医療機器のある病院には災害時の対策計画を立てることが求められています。その策定の際には、緊急時に利用できる燃料供給先の確保も含まれていて、そういう目的であれば地方公共団体も開示してくれます。
策定はいろいろ面倒で事務方さんの負担は大変なものですが。
311以降非常にうるさくいわれるようになったのに7年何やってたの?というのが素直な印象
Posted by とおりがかり at 2018年11月10日 10:00
 そもそも隠さないで最初から全面開示せよ、というのが本項の趣旨です。
 だいたい、隠す意味がない。ガソリンスタンドが開いていれば、そこに多くの客が殺到するんだから。本文最後の動画で記しているとおり。また、ネットで公表する人の例も示した。

 必要な人には情報が隠され、一般人にはどっちみち情報が公開されている。単に情強の人だけが有利になる。必要性の有無ではなくて。
 だから制度を改革すべき、という趣旨。現状のように個人の能力任せでは、能力の弱い人が困るのではなく、能力の弱い人に命を預けている患者さんが死にます。そういう問題。
Posted by 管理人 at 2018年11月10日 10:13
3.11のあとにエネオスとかそういうところが発表していましたが、大行列した車の平均給油量は10リットル以下でした。つまり必要であるためやむを得ずではなく、単なる取り付け騒ぎだったわけです。そういうのにまともにとりあっていたのでは本当に必要な車両に給油できなくなるでしょう。

管理人さんもコンビニなどライフラインにかかわる車両は通行など特別扱いにすべき、という主張だったと思いますが。給油も同じ扱いにするのが妥当でしょう。

3.11のとき私の家の近くの自家発電機があるスタンドは警察・消防・官公庁・災害協定のある機関以外すべてお断りで、いくら並んでも一般車は門前払いでしたけどね。警官隊がガードしてました。
Posted by とおりがかり at 2018年11月10日 19:36
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