2018年10月25日

◆ 仮想鉄道(環状線)

 鉄道の環状線は、現実に建設するのでなく、仮想的に建設するといい。これならコストはゼロで済み、しかも有用だ。

 ──

 鉄道の環状線を建設しよう、という構想がある。東京の環状道路の「環八」「環七」の下に、環状地下鉄をつくろう、という構想だ。
 そもそも、東京の鉄道は、(山手線の外へ)放射状に延びるものが多いので、それと交差する形で、環状線があると便利だ、というわけだ。
  → 東京の環状道路「環八」「環七」の下に環状地下鉄構想 そのメリットと課題は | 乗りものニュース


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 現状では、放射状の路線の一つから、別の路線に映るには、いったん山手線に戻る必要がある。それでは面倒だ。金も時間もかかる。





 だから、このような環状線の鉄道は、(長い距離を短絡できるので)、あれば有益だろう。

 ──

 ただ、私も前にこれと同じことを考えたことがある。その結論は、「コストがかかりすぎて無理」となる。なぜか? このような環状線に乗る乗客は、数が少ないからだ。

 似た例では、次のような路線がある。
  ・ JR武蔵野線
  ・ JR南武線
  ・ JR横浜線
  ・ 東急大井町線


 いずれも乗客は少なめだ。いくらか乗客が多いのは、川崎や横浜など、大都市の近辺だけだ。そこから離れると、とたんに乗客は少なくなる。

 すでにある路線でさえ、これほど少ないのに、今からさらに新設で環状線を建設しても、ろくに乗客がいないのは目に見えている。特に、通勤客がほとんど見込めないのが痛い。
( ※ 環状方向に職場と住居がある、ということは、ほとんどない。放射状方向なら、職場と住居があることは多い。都心と郊外を結ぶ形になる。
( ※ 似たようでも、横浜市の「ブルーライン/グリーンライン」という新設地下鉄は、郊外から都心へという通勤用の路線なので、十分に乗客がいる。だから黒字化している。)

 ──

 結局、鉄道の環状線は、乗客が少ないので、黒字化しそうにない。大赤字になると見込まれる。
 似た例はある。大阪の今里筋線だ。これも、大阪の中心部を通らない路線だが、収支は大幅赤字だ。
 2017年度決算における経常収支は約38億円の赤字、営業収支は約44億円の赤字、営業係数は231.0である。経常損失は当時の大阪市営地下鉄全線で最も大きい赤字であり、営業係数も唯一200を越えている。
 また、2014年度の一日平均輸送人員は64,385人である。輸送人員は開業以降一貫して増加傾向にあるが、当時の大阪市営地下鉄全線で最も輸送人員が少なく、2番目に少ない長堀鶴見緑地線(161,093人)の半分にも満たない。
( → 大阪市高速電気軌道今里筋線 - Wikipedia

 こういうふうに大赤字になることが確実なのだ。
 そもそも、原理的に言って、乗客数が少ないのだし。
  ※ 理由は上記の

 ──

 というわけで、(乗客が少なくて)大赤字になりそうなので、環状線の建設はまず無理だ。実行すれば、とんでもない愚行となる。

 とはいえ、その一方で、環状方向に行く人にとっては不便で困ることになる。特に、時間はともかく、お金がかかるのが困る。「短い距離を行くだけなのに、鉄道がないせいで、自分たちばかり大損している」という感じになる。
( ※ 特に、職場はともかく、学校への通学で、こういう形になる人はいそうだ。学校は、都心でなく校外にあることが多いからだ。)

 ──

 そこで提案しよう。
 「環状線を仮想で建設する」


 その意味は、こうだ。
 「料金を計算するときには、実際の路線で計算するのではなく、仮想の環状線を通ったものとして計算する」


 こうすると、距離が(短絡で)短くなった分、乗車の料金は大幅に安くなる。実際に乗る路線は、従来通りなので、乗る時間は変わらないのだが、払う料金だけは、大幅に安くなる。
 これが私の提案だ。

 ──

 この提案は、実際に環状線を建設するのに比べて、いくつかのメリットがある。
  ・ 建設費はゼロである。新規の赤字は発生しない。
  ・ 新線を建設すると、従来路線で減収になる、というデメリットが生じない。
  ・ 利用者にとっては、不公平に高額の出費を抑えられる。
  ・ 新制度は、「不当な高料金を相殺する」という意味なので、正当な割引だ。
  ・ 新制度で鉄道会社に減収が生じても、対象者が少ないので、多額にはならない。


 というわけで、環状線を現実に建設するよりは、それを仮想的に設置するだけの方が、いろいろと好都合なことが多いのである。

 ※ 現実には建設せず、路線図においてのみ、建設するわけだ。



 [ 付記 ]
 「放射線の路線で U ターンふうに通った場合には割引する」
 という制度だけで十分に思えるかもしれない。
 しかしこれは、放射線の路線(二つ)が近いときにはいいが、放射線の路線(二つ)の角度が、 90度 とか 120度とか、180度みたいに、かなり離れている場合には、問題が生じる。
   ※ たとえば、荻窪から草加市に行く場合。
 そういう場合にまで、一律で大幅割引するのは不適切だ。
 ここはやはり、「仮想の環状線があるものと見なす」という発想の方が、合理的だ。それなら料金を適切に決めることができる。
 


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posted by 管理人 at 22:58| Comment(0) | 自動車・交通 | 更新情報をチェックする
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