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アジア・パラリンピックで、選手村の設備が身障者には使いづらいという報道があった。(10日ほど前の記事)
国旗が掲げられたそれぞれの棟の出入り口にはスロープがあり、外見上はバリアフリー。だが、日本選手団の大前千代子団長は「正直に言うと、施設内は使いにくいところが多々ある」と話す。
大前さんによると、室内の洗面台は健常者向けで、車いすで使用するには高すぎる。トイレ付近にも勾配があり、車いすではブレーキの加減が難しく、壁にぶつかりそうになることもあるという。「工夫していただいているのを感じるけど、最初からバリアフリーを想定していたとは思えない」
( → アジアパラ、準備不足? バリアフリー設備「不十分」/競技日程の詳細、公表遅れ:朝日新聞 2018年10月8日 )
いろいろと不便な点がある、というのは、わかった。東京五輪でも、選手村を建設したあと、その建物をマンションとして一般向け分譲するそうだ。だから、その建物は、当初はオリンピック選手やパラリンピック選手に提供されたあとで、一般向けに販売されることになる。
そこで不思議に思ったのだが、車椅子用の洗面台なんてものが、あるのだろうか? 私は寡聞にして知らなかったので、興味を感じて、ネットで調べてみたら、見つかった。
→ アクアハート洗面|介護用品・設備 | パナソニックのエイジフリー | Panasonic
→ 車いす対応洗面(居室向け)| カウンター | パブリック向け商品 | 商品を選ぶ | TOTO
洗面器の下は、普通は戸棚があるが、そのかわりに、何もない空間にしておく。そのことで、洗面器の下に、車椅子や足を置くスペースを用意するわけだ。なるほど。
さて。問題は、高さだ。画像を見た限りは、小柄な女性も洗面器を使えるように、洗面器の高さはやや低めだ。これだと、大人の男性にはちょっと低すぎるように思える。
とすれば、パラリンピック期間だけ、洗面台は低い位置にしておいて、パラリンピック期間の終了後は、普通の高さの洗面台に付け替える……という案が生じる。
ただし、である。
私の家の洗面台も、もともと洗面器の位置がかなり低い。ここで顔を洗うと、腰が痛くなる感じもする。とすると、どこであっても、洗面台の高さはもともと低すぎるのかもね。そういうものなのかもしれない。
で、結局、どうするべきかというと、結論は出ない。部外者である私がいちいち口を出すべき問題ではないのかも。
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なお、東京五輪では、パナソニックが「福祉用洗面台」というのをオフィシャルで提供するそうだ。
→ 東京2020パラリンピック競技大会に協賛 | プレスリリース | Panasonic
パラリンピック終了後に付け替えるかどうかは不明。このまま一般向けのマンションとして販売するのかも。
[ 付記1 ]
本項は、ただの興味で調べた。
だが、家族に車椅子を使う人がいたら、「車椅子用の洗面台」というのは、いくらか役立つ情報かも。今は身障者のほか、お年寄りで車椅子を使う人も多いしね。
[ 付記2 ]
別件だが、「東京のホテルでバリアフリーにする工事がなかなか進まない。その理由は、現在の客が多すぎて、客室で工事をする時間がない」という話もある。
→ 東京五輪・パラ、大丈夫? バリアフリー進まぬ事情:朝日新聞 2018-10-18
【 関連項目 】
→ 低い洗面台に対処するには?: Open ブログ
何のリクエストもしなければ統計的に一般的な高さで付けられてしまうし、背が高い方・低い方が自宅用に設けるならちょうどよい高さをリクエストすれば良いだけの話。
古い建物だと、昔の日本人の体格に合わせた高さの所が多いことでしょう。
パラ用の選手村を事後一般販売するなら、内装リフォームの一環として取り替えたら良いかも知れませんね。
排水は蛇腹でなんとかなるのでは?