2018年10月18日

◆ プラスチックと環境汚染税

 プラスチックによる環境汚染が進んでいる。これへの対策として、環境汚染税を導入するといい。

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 プラスチックによる環境汚染が進んでいる。これへの対策としては、生分解性プラスチックの利用がある。前項で述べたとおり。
  → 生分解性プラスチックの処理方法: Open ブログ

 さらに、もっと別の素材も使われる。代表的なのは紙だが、他の新素材もある。朝日の記事で紹介されている。
 素材ベンチャーのTBM(東京都)は石灰石を主原料にした新素材を使った商品開発を進めている。石灰石は海で分解されないが、環境に害を与えず、生分解性プラより安いのが特徴だといい、2014年に特許を取得した。 すでにこの素材を使った弁当容器やクシの販売を始めた。に商品を増やしていき、20年には素材の生産能力を現在の6倍の3万6千トンにする計画だ。

 書籍などの「紙離れ」に苦しむ製紙業界も、「脱プラ」の動きに活路を見いだそうとしている。 王子ホールディングスは9月20日、水蒸気や酸素を通さないよう紙の表面に薬品を塗った包装紙をつくったと発表した。スナック菓子の包装紙に使われるフィルムと同等の性能があり、粉洗剤や食品を包むことができるという。

 日本製紙は、紙の臭いで飲料の風味を損なわず、強度を高めた紙製ストローの開発を進めている。馬城文雄社長は「『紙でできることは紙で』という意識で、紙の素材の可能性を多面的に引き出していきたい」と話している。
( → 脱プラの流れ、商機あり 植物主成分・紙製…新素材に力:朝日新聞 2018-10-17

 このように、プラスチックなしで済ませる技術が次々と開発されている。
 しかるに普及が進まないのは、コストがかかるからだ。通常のプラスチックの数倍のコストがかかっている。これでは利用に二の足を踏むのも仕方ない。ストローぐらいならば、1個あたりの単価は低いが、もっと大きなものだと、コストの問題が生じる。

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 そこで提案したいのが、税による推進だ。
 いわゆる「環境税」というのは、環境の改善一般を広くとらえている。なかでも代表的なのが「炭素税」だ。(これはノーベル経済学賞を受賞したばかり。)

 本項では、環境税のなかでも特に限定して、「環境を汚染するものに課税する」という形で課税することにしたい。それが「環境汚染税」だ。(環境税の一種。)

 本項では特に、プラスチック全般に課税することを推奨したい。その特徴は、次の二点である。

 (1) 環境を汚染しないと認定したものには課税しない。具体的には、上記の「生分解性プラスチック」「紙」「石灰石を主原料にした新素材」などだ。これらは分解されて環境を汚染することがないので、環境汚染税は課税されない。そのことで、コスト的に有利になり、普及しやすくなる。

 (2) 環境を汚染すると認定されたもの(普通のプラスチック)については、生産時には課税されるが、回収時には課税分(の一部)が還付される。ここで、生産者と回収者は、別々であっていい。具体的には、課税されるのはプラスチックの生産者(プラスチック製造会社)であり、還付されるのはプラスチックの回収者(プラごみを回収する自治体やリサイクル業者)である。
 この際、回収の種類は問わない。マテリアルリサイクル、ケミカルリサイクル、サーマルリサイクルなど、どんな種類であってもいい。どんな種類であろうと、プラスチックが回収されて消滅すれば、環境の汚染はなくなるからだ。
( ※ ここではエネルギー的な無駄については問わない。1カロリー分のプラスチックを回収するのに、2カロリーのエネルギーを投入するのであってもいい。これは、エネルギー的には無駄ではあるし、炭酸ガスも余分に排出するが、環境汚染をなくすという目的には合致するからだ。……この意味で、環境汚染税は、炭素税とは趣旨が異なる。)

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 以上のような環境汚染税を提案する。
 税率は、かなり高率でいいだろう。金額ではなく石油の使用量に応じて、プラスチックに課税する。課税の率は、金額で 100% ぐらいであってもいい。つまり、100円ショップで販売している 100円のプラスチック容器が 200円になるぐらいの税額だ。(ただし同じ量なら、高額のプラスチック容器でも、同じく 100円の課税となる。)

 ここで注意すべきことがある。「これはエネルギーの利用には課税されない」ということだ。つまり、ガソリンや灯油や重油(発電用)などには課税されない。これらはプラスチックを排出することはないからだ。課税されるのはあくまでプラスチック(固体)だけなのである。
 ※ ガソリンや灯油や重油は、液体であるし、燃焼後も気体になるので、固体には該当しない。
 ※ 固体だと、砕かれてマイクロプラスチックになるので、環境を汚染する。

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 以上で、「プラスチックによる海洋汚染を防ぐために環境汚染税を導入する」という案を示した。
 これは、「地球温暖化を阻止するために炭素税を導入する」というのに匹敵する案だろう。その意味では、ノーベル賞を受賞してもいいぐらいの案だ。(炭素税の二番煎じふうではあるが。)

 朝日の記事では、紙や新素材などが紹介されていたが、そういう新技術の開発だけでなく、そういう新技術を普及させるための社会的な制度もまた、劣らず重要なのである。



 【 追記 】
 あとで思い直したが、課税分の全額を還付する必要はない。一部を還付するだけでいい。
 なぜなら、全額を還付すると、額が高くなりすぎるからだ。ゴミが金券みたいな扱いになって、ゴミの奪い合いみたいな紛争を生じやすい。だから、回収時の額は、あまり高額でない方がいい。
 とはいえ、低すぎると、ゴミがそこらに放置されてしまう。放置されるのを防ぐには、金券みたいな扱いになって、みんながこぞって拾いたがる方がいい。
 というわけで、高すぎず、低すぎず、うまく適当な水準にすることが望まれる。

posted by 管理人 at 23:59| Comment(0) | エネルギー・環境2 | 更新情報をチェックする
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