2018年10月14日

◆ 余剰な太陽光電力をどうする?

 九州で太陽光発電の量が需要を上回るという問題に対して、解決策は?

 ──

 九州で太陽光発電の量が需要を上回るので、その買い取りを拒否する(事業者に発電停止を求める)、という話を、先に述べた。
  → 余剰な太陽光電力を買い取り拒否: Open ブログ

 ここでは、「価格を大幅に引き下げて販売すればいい」という解決案を示した。その理由は、それによって水素生産を促すことだ。(エネルギーの貯蓄)
  → 再生エネの蓄電は不要だ: Open ブログ

 しかしそれは長期的な方法だ。今すぐこの方法を使うことはできない。(低価格販売の制度もないし、水素生産の設備もない。)
 では、今すぐ問題に対処するには、どうすればいいか?

 もちろん、直近の対処としては、「買い取り拒否」という方法しかない。しかしながら、1〜2年ぐらいの中期的なスパンで、別の対処策はないか? 

 ──

 この問題については、朝日新聞が1面で大々的に報道している。(ニュースというより、まとめふうのコラムに近い。)
  → 太陽光は抑制、動き続ける原発 九州以外でも起こりうる:朝日新聞 2018-10-14
 再生可能エネルギーの主力の一つの太陽光発電が、九州では13日にあふれそうになった。大停電回避のために、発電事業者とつながる送電線を九州電力が一部切り離して発電量を抑えた。離島を除き国内初で、14日も行う予定。原発4基の再稼働も背景にある。他地域でも起こりそうで、知恵を絞る時期にきている。

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 ここでは次の二点を打ち出している。
  ・ 再生エネを抑制するより、原発を止める
  ・ 九州と本州の間の連系線を強化する

 しかしながら、このいずれも駄目だ。

 (1) 再生エネを抑制するより、原発を止める

 なるほど、原発を止めれば、(供給の)ピーク時の発電量を抑えることはできる。その意味では供給対策となる。
 しかしそのかわり、発電量の全般が一定水準で下がってしまう。需要のピーク時に、発電量が不足することもある。たとえば、昼間の需要のピーク時に雨天になっていれば、供給不足になりがちだ。雨天でなくとも、夕方には太陽光発電の発電量がゼロ同然となるので、やはり供給不足になりがちだ。これでは毎日、夕方に全域停電(ブラックアウト)が発生しかねない。
 さらに、たとえ全域停電(ブラックアウト)が発生しなくとも、原発の発電量の分だけ、炭酸ガスが大幅に排出される。また、その分のコストも余計にかかる。(火力発電所の燃料代。)
 炭酸ガスやら燃料代やら、デメリットがあまりにも多すぎる。電気料金の値上げと、停電の頻発。……あまりにも馬鹿げている。自殺するために金をかけるのも同然だ。狂気の沙汰だ。
 一定の電力を発電する原発のかわりに、昼間しか発電しない太陽光発電を使うというのは、愚の骨頂というしかない。

 (2) 九州と本州の間の連系線を強化する

 九州と本州の間の連系線(関門連系線)を強化する、というのは、うまいアイデアに思える。朝日の記事でもこれを本筋として示しているようだ。
 しかしながら、残念ながら、この案は検討されたすえに、ボツとなっている。コストがかかりすぎるからだ。
 全国で電気の安定供給を担う電力広域的運営推進機関(広域機関)は9日、本州と九州をつなぐ送電線「関門連系線」の増強を巡り協議したが、十分な費用対効果が見込めないとして増強の決定を見送った。容量を現状の約270万キロワットから倍増させるには工事に概算で1570億円かかると試算した。発電動向を踏まえながら検討を続ける。
 九州では太陽光など再生可能エネルギーの導入拡大で供給量が需要を上回り、出力を抑制する事態となっている。余剰分を他の地域へ送りやすい仕組みづくりが課題で、広域機関や電力会社が対策を検討してきた。
( → 本州・九州間の送電増強見送り 費用対効果見込めず - 産経WEST

 朝日はうまい案を出したつもりでいるようだが、そんなことはとっくに専門家が研究済みなのである。その上で「実行しない」と決めたのだ。そのくらいのことはきちんと調べてから記事にするべきだった。ググればすぐにわかることなのだが。
 「企画記事を書く前にググれ」
 というアドバイスを朝日に送っておこう。
 そして、それのできない朝日にかわって、私が事実情報を教えるわけだ。

 ──

 さて。朝日の示す二つの方法はいずれも駄目だとわかった。では、どうする? ……そこで、困ったときの Openブログ。代案を出そう。こうだ。
 「九州で太陽光発電をするかわりに、関西などの地域で発電すればいい」


 つまり、電力を九州から移送するのでなく、もともと本州で発電すればいいのだ。これなら巨額の連系線などは必要ない。

 ──

 ただ、これには、いくらか問題がともなう。
 「太陽光発電の発電コストは、九州では低いが、本州ではやや高い」


 しかし、この問題は、自動的に解決される。こうだ。
 「九州では、(供給過剰時に)余剰な太陽光電力を買い取り拒否するので、発電設備の稼働率が下がる。つまり、コストアップ要因になる」


 要するに、「余剰な太陽光電力を買い取り拒否する」という今回の九電の方針によって、「九州に立地する」という方針そのものがコストアップ要因となり、九州に立地することのメリットがなくなる。それにともなって、新規の太陽光発電の建設は、九州以外に移る。

 なお、九電は、次の方針を取るといい。
 「今後、九州に新規に建設する太陽光発電所に関しては、供給過剰時の買い取り拒否では、真っ先に対象となる」


 こうして新規の建設を抑止する。すると、新規に建設しようとする業者は、(コストで不利なので)九州では建設せずに、本州で建設しようとする。こうして、
   九州 → 本州

 というふうに、建設の立地の場所が移転する。

 要するに、今回の「余剰な太陽光電力を買い取り拒否する」という方針を強化するだけで、自動的に問題は解決するわけだ。(九州でなく本州で太陽光発電の建設が進む。)
 かくて、問題は自動的に解決される。九州・本州間の連系線の強化という巨額の投資など、まったく必要ないわけだ。

( ※ なお、現在の設備については、そのうち寿命が来て、廃止されるだろう。そうなると、九州で太陽光発電が過剰になる問題自体が、自動的に消滅するだろう。)

posted by 管理人 at 08:48| Comment(0) |  太陽光発電・風力 | 更新情報をチェックする
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