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キズナアイという Vtuber( YouTuber のバーチャルアイドル版)が、 NHK の番組に登場した。ノーベル賞の解説をする番組のアシスタント役。
これをめぐって、キズナアイがエロっぽいとか何とかの記事がいくつか出た。(はてなブックマーでも話題になった。)
→ はてなブックマーク - 不完全な「キズナアイ」として生きる NHKノーベル賞解説サイトの炎上
→ はてなブックマーク - 社会学者千田有紀のキズナアイ批判の悪質な印象操作。日本の社会学の危機的惨状
→ はてなブックマーク - キズナアイ騒動で分かった事。フェミ達の目的は萌えキャラの撲滅
ついでに、萌え絵の変遷というのも話題になった。
→ 児童文庫のカバー、挿絵の変遷から考える「大人は子供たちの欲しがるものを少し信頼してあげよう」ということ
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さて。それはさておき。
話題はいろいろとあるのだが、「萌え絵とは何か?」ということが、十分に定義されていないようだ。そこで、私なりに、萌え絵の定義を与えたい。これはまた、「萌え絵とは何か?」という本質を探る問題でもある。
(1) 一般漫画との違い
一般の漫画やイラストとの違いは、次の点だと言えるだろう。
・ 大きな目 (きれいな目)
・ かわいらしさの強調。
これらの点については、下記ページで解説されている。
→ 萌え絵と汎用的なイラストって何が違うの? 広告系イラストレーターの私が考える「役割」の違い ?
ただし、これだけなら、少女マンガとの区別が付かない。上のことは基本要素ではあるが、これだけでは足りないのだ。
(2) 少女マンガとの違い
少女マンガとの違いは何か? 実は、これは、かなり難しい。少女マンガでも、大きくてきれいな目があるし、かわいらしさも強調されている。しかしこれらは萌え絵ではない。では、どこが違うのか?
まず、少女マンガの例を見る。Google で画像を調べる。
→ わたなべまさこ - Google 検索
→ ガラスの仮面 - Google 検索
事例。
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これらは現代の萌え絵とは明白に異なる。では、どこが異なるのか? 次の三点だろう。
・ 黒目ばかりが大きく、白目がない。
・ 睫毛がやたらと大きくて長い。
・ 鼻がちゃんと描かれている。
一方、萌え絵には、次の特徴がある。
・ 黒目は大きいが、白目もある。(黒目は四角いことも。)
・ 睫毛は描かれない。(まとめて黒い横線となる。)
・ 鼻がちゃんと描かれていない。
特に特徴的なのは、目の上側が黒い横線となっていることだ。これで目の幅が指定されるので、白目の部分も生じる。(少女マンガでは、この白目の部分がないことが多い。)
この際、目の下側では、黒目のすぐ下側では黒い横線が短く描かれることも多い。横線の両端は切れているわけだ。
このような萌え絵の代表(または元祖)としては、「ああっ女神さまっ」を上げていいだろう。
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「ああっ女神さまっ」の絵は、当時としては革新的なものだったと思う。それで、以後は、この絵を真似た漫画家が続出した。こうして萌え絵のブームが生じたと見なせる。つまり、萌え絵とは、「ああっ女神さまっ」の絵を源流とする、一大潮流であるわけだ。
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なお、「ああっ女神さまっ」が萌え絵の元祖であるというのは、私の記憶による漠然とした印象であったが、調べてみると、はっきりと事実であるらしいと確認できた。それは、「ああっ女神さまっ」のシリーズの全巻を見ることでわかる。
→ 「ああっ女神さまっ」全巻
※ 各巻のページで「なか見!検索」を見ることで、
内容の画像を確認することができる。
これで確認すると、1〜7巻では、萌え絵になっていない。昔ながらのキャラデザインだ。
8〜9巻は、移行期であり、中間的な絵だ。
10巻以降は、萌え絵になっている。11巻では明らかに萌え絵となっている。(特に巻頭表紙)
要するに、7巻までは萌え絵ではないが、10巻以降は萌え絵となっている。ゆえに、この時期に作風が変化して、萌え絵の描き方を確立した、と言えるだろう。ということは、この作品(または作者)が、萌え絵の元祖である、と認定できるわけだ。
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「ああっ女神さまっ」も 99円で買えるそうだ。
利用するには、クーポンを発行してもらう必要がある。それには、下記ページで。
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※ クーポンを使わないと定価の販売となる。注意のこと。
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Amazonで「プライム」というサービスがあるが、年間 3900円のほかに、月間 400円 というサービスも出現した。今年の6月8日からだそうだ。
→ Amazon.co.jp ヘルプ: Amazonプライムの会費について
月間 400円 だと、年間 4800円。したがって、年間を通じて加入するのは損だが、1〜3カ月ぐらい、試しに加入するのならば、悪くはないだろう。使ってみて、無用だと思えば、退会する。必要だと思えば、年間プランに切り替える。(切替は難しくない。)
なお、最初に無料体験というのもあるから、それの期間(1カ月)でやめてしまうのなら、料金は1円もかからない。
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プライムに加入すると、「お急ぎ便」を無料で何度でも使えることになる。これは、ユーザーにとってはありがたいが、運送業者にとってはひどい無料奉仕になるね。
ヤマトの労働者がひどい目に遭っているのは、たぶん、Amazonの「お急ぎ便」のせいだな。
( ※ 「だから使うのをやめろ」と言っているのではない。各人が使うのをやめたって、何も変わらない。ヤマトがこんな契約を拒否すればいいだけのことだ。)
→ プライムに加入するページ
シンプルな質問ですが、管理人さんはNHKが「ガラスの仮面」を採用したら萌え絵扱いされなかったとお考えですか。ズレていたらすみませんが、フェミニスト(と一括りにしていいかわかりませんがとりあえず)の人々の琴線がどこにあるかもきっと管理人さんの関心事だと思いまして。
なお、ワタクシは藤島さんの絵がとても好きですが、そこにエロスを感じているかいないかという議論は、モナリザに対する問いと同様にナンセンスかなと思っています。
フェミニストの騒動は、私は関心ありません。はてなブックマークでの騒動も、私は無関心。傍観。
たいていのフェミニストは、非モテのブスだから騒いでいるだけ。かわいそうに、と思うだけだ。私はブスの主張には興味がない。
個人的には、元祖はCLAMPかと思いますよ。
http://j.mp/2ODT7C0
ああっ女神さまっ(11)は、単行本が 1994年10月18日
http://kc.kodansha.co.jp/product?item=0000031790
※ 連載はもう少し前。
前者よりも後者の方が早い。
なお、 カードキャプターさくら の最新版の絵は、本項で示した 萌え絵 の特徴がピッタリと当てはまる。絵柄がモデルチェンジしたんですね。
初期バージョンでは萌え絵ではなかったので、最新バージョンでは萌え絵にしたのでしょう。
→ https://middle-edge.jp/articles/fk8iv
萌え絵の先駆者ないし源流は、高橋留美子と見なしてもいいだろう。
高橋留美子の絵をいっそう洗練した形にしたのが、「ああっ女神さまっ」だと言ってよさそうだ。ここで萌え絵が確立した。これ以後はすべて亜流と言える。