2018年09月11日

◆ 北海道地震の土砂崩れ

 北海道地震の土砂崩れの被害は、なぜ起こったのか? その理由を探る。
 
 ──
 
 北海道地震の土砂崩れの被害は痛ましい。高齢者が死んだだけでなく、若い少女も犠牲となった。顔写真入りで報道されている。
  → 奪われた、親友も町も 厚真 北海道地震:朝日新聞
 現地の土砂崩れのひどさは、画像でもわかる。
  → 厚真 土砂崩れ - Google 検索
 
 ここで疑問が湧く。北海道は平野部も多い広い土地だ。広島のように平野部の狭い土地とは違う。広島ならば山裾の危険な土地に住まざるを得ないこともあるだろうが、広い北海道でどうしてわざわざ危険な山裾に住んだのか? 
 これについてのヒントが、冒頭の記事に見つかる。引用しよう。
 とりわけ被害が大きかったのは、34人が暮らす吉野地区だ。死亡と心肺停止を合わせて17人。広い土地にもかかわらず、民家が集まって立っていた。「町の初期に、発展の中心になった場所だからでしょう」と宮坂さんは言う。
 町のホームページによると、明治3年に新潟から移り住んだ人が原野を切り開いて小屋を建て、明治17年に北部も開墾したのが旧厚真村の始まりとされる。
 この町で生まれ育った農家の日西善博さん(65)は、地震当日にヘリで救助され、土砂崩れの状況を上空から見た。「あんな景色は生まれて初めて。緑の山林があるはずが、粘土層と赤土が見えて、ショックな光景だった」

 現場の写真は、次の記事に見つかる。
  → 北海道震度7:軽石層一気に崩壊 厚真町の土砂崩れ - 毎日新聞
 ここに、「北海道厚真町吉野周辺の土砂崩れの前と後」と題した写真があるので、現地の状況がわかる。
 現地の航空写真は、Google マップで見つかる。



 見ればわかるように、田畑のある広い平地部がある。そのうちで北西の山裾に集落がある。つまり、安全なところはいくらでもあるのに、最も土砂崩れが起こりやすいところを、あえて選んで集落にしているのだ。
 それはなぜか? 
 Google で地形図を表示するとわかるが、集落があるのは、山裾のうちでも、最も山が高い場所のそばだ。
 ここまで理解すれば、推測も付く。こうだ。
 「集落は北西からの風をよけるために、山裾に場所を定めた。広い平地部は、強い北西の風に吹きさらされるので、そういう場所を選ばなかった。それが、北海道の開拓の時期に、集落の祖先が決めた方針だった」

 再掲すると、記事には次の話がある。
 明治3年に新潟から移り住んだ人が原野を切り開いて小屋を建て、明治17年に北部も開墾したのが旧厚真村の始まりとされる。

 この時点で、冬の風よけの場所を選んだのだろう。だから集落は山裾にあるのだ。
 そして、この際、土砂崩れというような心配はしなかった。また、このあと 100年以上の時間がたつ間にも、「山裾は危険だ」という一般認識は、北海道では生じなかった。実際、これまで、たいして土砂崩れは起こらなかった。今回の土砂崩れは、「台風21号で大量の水を吸った土壌」と「大地震」という二重のパンチに見舞われたからだ。そういうことは、これまでなかった。だから、これまで大きな土砂崩れは起こらなかったし、土砂崩れの危険性が認知されることもなかった。(北海道では。)

 ──

 とはいえ、現実には、土砂崩れは起こった。「台風と大地震のダブルパンチ」という稀な現象があったからだとはいえ、実際にその土砂崩れは起こった。
 そして、その理由として、「火山灰地」ということが指摘されている。
崩れ落ちてむき出しになった地層や、土砂の流れ方などを調べた。
 固い岩盤の上に、噴火による火山灰などが降り積もった層があり、地震の強い揺れで地表と一緒に2〜3メートルが一気に崩れたと見られる。
 小山内さんは、土砂が流れ出した範囲が想定よりも広かったと指摘。「火山灰は粘りがないため、簡単にバラバラになり、秒速10メートル以上の速いスピードで流れ出した可能性がある」と話した。
 国交省土砂災害研究室の野呂智之室長は「崩れ方の特徴は、阿蘇山の火山灰が崩れた熊本地震のときと似ている」と語った。
( → 土砂崩れ、秒速10m超で流出か 火山灰の層が広範囲に:朝日新聞

 流れ出した土砂には、白っぽい火山灰が多く混じっていた。井口さんは、元からある火山灰が台風21号による雨で崩れやすくなり、地震の揺れが加わって崩壊したとみる。 京都大防災研究所の釜井俊孝教授(応用地質学)は「火山灰の中の軽石が引き金になったのでは」と指摘する。雨の水を含みやすい軽石が、地震の揺れによってすべりやすくなり、軽石層から上の層が流れるように崩れたとみている。
 同じような土砂崩れは過去、十勝沖地震で青森県八戸市周辺や、熊本地震でも発生しており、釜井さんは「日本各地で起こりうる」と指摘する。
( → 火山灰と台風21号が土砂崩れに影響か 震度7の厚真町:朝日新聞

 北海道厚真町の土砂崩れで崩落した地層について、専門家らは火山噴火による軽石層だと指摘している。地震の揺れに弱い性質があり、大雨も影響した可能性がある。
 石塚グループ長は「崩れた場所には大きな石が見られない。地下の岩盤までは崩れず、表面の軽石層だけが崩落したと推定できる」と話した。
( → 北海道震度7:軽石層一気に崩壊 厚真町の土砂崩れ - 毎日新聞

 ここでは、火山灰の地層があったことが重要な要因だと指摘されている。
 「だったらその場所だけの特定要因だな」
 と思う人も多いだろう。だが、違う。火山灰の地層というのは、日本の平野部では一般的に見られることなのだ。というのは、日本の平野部はほとんどすべてが火山灰からなる地層でできているからだ。代表的なのは関東ローム層。
 この件は、次項で述べる。

 ──

 ともあれ、「火山灰の土地が危険である」というのであれば、日本中のほとんどすべてが該当する。従って、どのような場所であれ、山裾というのは危険なのだ。「これまでは土砂崩れが起こらなかったから、今後もずっと安全だ」などと思ってはならない。もし思えば、今回の被害者のようになる。
 山裾はどこであっても危険だ、という知見を、広く共有する必要がある。



 【 関連項目 】

 次項を参照。関東ローム層の話。



 【 追記 】
 山裾に集落ができたのは、そこでは水源が得られるからだろう、という説もある。コメント欄( 2018年09月14日 00:36 / 2018年09月14日 00:51 )

 まあ、だからといって、本項の話が揺らぐわけではないが。話の趣旨は同じだが、少し別の情報が追加されたことになる。
posted by 管理人 at 23:13 | Comment(22) |  地震・自然災害 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 1.厚真町の冬は、北北西の風が多いが、同じくらい北北東の風も多い。

 2.近隣の山際にない家も、仙台平野の「いぐね」のような防風林を設けていない。

 3.厚真町は、稲作が盛んで、胆振総合振興局管内で最大の作付面積を誇っている。

 4.厚真町では基本的に道路に沿って集落がある。道路が、山の近くを通っていると山側に家をつくり、反対側が耕地となる。山と道路が離れると、山際に家を建て、その手前が耕地となる。道路が平地の真ん中を通っていると、道の両側に家をつくり、その先が耕地となる。

以上の理由で、風を避けるために山際に家を建てたわけではない。機械化された大農法を行うために、耕地をなるべく広くとる必要があり、山の近くを道路が走っている吉野地区では、山際に家を建て、反対側を広い耕地とした。山と道路が離れても、山際に家を建て、その手前を耕地とした。
Posted by 王子のきつね at 2018年09月12日 11:41
 道路と集落は、順序が反対でしょう。山裾に沿って一列に集落ができたから、それに沿って道路ができた。初期の開拓地では、道路よりも集落が先のはず。そもそも、自治体ができていないのに、道路を作ってくれる自治体はない。

 機械化された大農法も同様。開拓の当初は機械はなかったはず。人力と牛と馬だけでしょう。

 広い耕地の周辺部を選ぶというのは、合理的な理由だが、それならそれで、南東部のあたり(山裾であるにしても、低い山裾のあたり)を選べばいい。なのに、あえてことさら高い山のそばの山裾を選んだ。
 広い耕地の周辺部を選ぶということ自体は、当たり前のことだが、そのあと、360度のうち、特に北西部の高い山の裾を選んだことには、それなりの理由があるはずだ。(それが防風だ。)

 道を理由とするのであれば、むしろ、道を何本も作って、集落を固める方が合理的。たいていの集落は、そういうふうにして固まっている。

 なお、北北東の風が多いという点には、「風向が大事」と答えておきます。冬の激しい厳しい風は、北西からのもの。どっちが多いかではなく、どっちが厳しいか。
 冬には西高東低で、冷たい北西の風が吹くことが多い。
  http://j.mp/2QjUlEx  http://j.mp/2CKYVZF
Posted by 管理人 at 2018年09月12日 12:00
道央圏には、支笏火山・恵庭岳・樽前山の火山灰層が分厚く堆積していますから、どこでも同様のことが起きる危険性があるということですね。
Posted by けろ at 2018年09月12日 14:35
>初期の開拓地では、道路よりも集落が先のはず。

北海道の開拓は、あらかじめ区画(100間=182m×150間=273m)を決め、300間×300間に6戸の割合で入植させる方式を取った。厚真町も南の平野部では基本的にはこの区画で入植が行われている。吉野は谷あいにあるので、おおよそ160m×80mで区画されている。

>自治体ができていないのに、道路を作ってくれる自治体はない。

道路建設は、開拓使、三県、北海道庁が行いました。

1869(明治2)年〜1882(明治15)年は開拓使(北海道開拓使)
1882年〜1886(明治19)年は札幌・根室・函館の三県と北海道事業管理局
1886年からあとは北海道庁

ちなみに、今の地方自治制度は戦後につくられたもので、戦前・戦中の地方行政は中央に任命された官吏が行っていた(地方議会議員は選挙で選ばれた)。
Posted by 王子のきつね at 2018年09月12日 17:32
>冬の激しい厳しい風は、北西からのもの。

厚真町はそうでもない。仙台と比べてごらん。

2017年の気象データ(気象庁)

【厚真町】
 |平均|最大風速  |瞬間最大風速
月|風速|風速|方 向|風速|方 向|
--+----+----+------+----+------+
*1|*2.2|10.4|南  |19.4|南  |
*2|*2.6|10.3|北北西|16.4|北  |
*3|*2.3|11.1|北西 |17.9|北北西|
*4|*3.3|13.7|東南東|23.1|東南東|
*5|*2.6|10.3|北  |16.2|南南西|
*6|*2.8|*9.4|南南東|14.1|南南東|
*7|*2.0|*7.2|南  |11.5|南  |
*8|*1.8|*6.8|南南東|11.1|北  |
*9|*2.4|11.7|東  |19.9|東  |
10|*2.5|12.1|北北西|20.8|西北西|
11|*2.9|13.0|南  |21.9|南南西|
12|*2.3|12.4|南南西|20.4|南  |

【仙台市】
 |平均|最大風速  |瞬間最大風速
月|風速|風速|方 向|風速|方 向|
--+----+----+------+----+------+
*1|*3.2|11.1|西北西|20.7|西北西|
*2|*3.7|11.9|北西 |21.5|西  |
*3|*3.4|12.9|西北西|23.5|西  |
*4|*3.4|14.6|西  |30.4|西  |
*5|*2.7|12.4|西北西|23.0|西南西|
*6|*3.0|*9.6|南  |15.4|西  |
*7|*2.2|*7.7|北北東|11.9|北東 |
*8|*2.6|*7.8|北  |16.4|東南東|
*9|*3.0|17.2|南東 |28.3|南東 |
10|*2.9|15.4|北  |22.1|西北西|
11|*2.8|10.1|西北西|19.1|西北西|
12|*3.0|13.5|西北西|26.2|西北西|

「最大風速」は10分間の平均風速の最大値
「最大瞬間風速」は瞬間風速の最大値
Posted by 王子のきつね at 2018年09月12日 17:33
山裾に住んだのは、農地を多くしたいから、そして、危険とは考えていなかったから。本州でも、山裾の集落は多いです。
Posted by あおぞら at 2018年09月13日 14:36
 風向ですが、北西の風は、大陸の冷たい風が押し寄せるので、厳しい。南東の風は、南側の太平洋方向からの風なので、暖かくて、温和だ。
 どっちを避けるべきかは、自明でしょう。こんな寒い土地では。
Posted by 管理人 at 2018年09月13日 22:05
当時と現在では生活における基本的なインフラが異なることを全く理解していない。

当時、ガス・水道・電気のインフラは無かった。ならば炊事・暖房・照明としてのマキ・シバ、そして水(井戸又は湧き水等の地下水)が大量に必要であったことは想像に難くない。
ならば、これらの入手・運搬の手間を考えた場合、住居の立地に適した場所は何処か?

特に水の入手・運搬については重労働である。これは被災等で断水を経験したた方ならば、給水所から自宅へ水を運搬することの労力が如何ほどかご存知であろうし、これが365日と考えれば、住居の近くに飲料可能な水源を求める事がいかに重要か容易に理解されるであろう。
山裾は、良質な水源(地下水)を求めるのに適した場所なのである。

ここで川の水で良いではないかと言われる方がいるかもしれないが、
 ・降雨の際に濁る
 ・動物の死骸等で汚染される
 ・水害を避けるため川面から住居へはある程度の距離・高低を有し、運搬に労力を有数する
 ・上流に集落ができればそこからの汚染(生活排水の流れ込み)
などから、川の水は農業用水としてはともかく、”そのままでは”飲料水としては決して適しているわけでは無い事を追記させていただく。
Posted by 寿限無 at 2018年09月14日 00:36
>集落があるのは、山裾のうちでも、最も山が高い場所のそばだ。

安定した地下水の確保を考えた場合、極々自然な選択であろうか。
Posted by 寿限無 at 2018年09月14日 00:51
> 安定した地下水

 なるほど。それもありそうですね。
 本文の最後に追記しておきました。

 ※ だからといって防風の要素がなくなるわけではないが。
   山裾というだけなら、北東の山の裾でもいいのだが。
Posted by 管理人 at 2018年09月14日 07:59
>山裾というだけなら、北東の山の裾でもいいのだが。

スイッチONで明かりがつく生活での考えをベースに考えるとこの様な言葉となるのであろうか?
当時の生活様式を良く検証する事をお勧めする。
そうすれば、朝から活動するためには東から昇る陽の光は大変貴重であり、東側もしくはその方面で住居の近くに山が有るとその分日の出が遅れ、不都合となる事は容易に理解出来るであろう。

更に言うならば、北側に山を得るのは防風の為ではない。
住居の北、北西方向に山が有る当う事は、山の南斜面が住居側に向いている事になる。
これが極めて重要である。
当然北斜面に対して植生も豊かで保水力・地滑り防止に有効な広葉樹等の植生も豊かで防災上も好ましい条件が有られる。
山の恵みも得られたであろう。

北側の山の山裾は住居を構えるのに最適の場所だったといえる。
Posted by 寿限無 at 2018年09月14日 08:40
>見ればわかるように、田畑のある広い平地部がある。そのうちで北西の山裾に集落がある。つまり、安全なところはいくらでもあるのに、最も土砂崩れが起こりやすいところを、あえて選んで集落にしているのだ。

この一文を見るにブログ主は平野部が安全と考えていると思われるが、これも現在の治水技術を元にした考えと思える。
当時の治水技術(能力)では北海道に限らず、河川の氾濫は頻繁に起こり得る災害だった。
通常の川の水面と高さが数メートルしか違わない平野部に住居を構えるのは、盛り土による多少のかさ上げが可能であったとしても、『川の中州でキャンプをする』のと同意の愚行だったであろう。
Posted by 寿限無 at 2018年09月14日 11:00
>寿限無さんへ

この地域の山は、支笏火山(支笏湖)の火山灰(シラス=砂)が積もってできた台地(シラス台地)を河川が削ってできているので、山際だからといって水を得るのは難しく、不透水層まで井戸を掘らなければならない。

北海道の土壌図
http://www.data.go.jp/data/dataset/mlit_20140919_0761/resource/28e97472-7204-48d4-b94e-76d1c79e2b09

今回の地震で山が崩れたのは、大雨でシラスが緩んだところに、地震の振動が伝わったからと専門家がテレビで話していた。ちなみに、今までそうならなかったのは、北海道には梅雨がなかったから、と鹿児島のシラス台地の研究者が書いていた。

沖積層も「粗粒グライ土」といって、農耕には適するが、水はけが良すぎる。だから、「客土」を日本で初めて行ったと厚真町のサイトにある。
http://www.town.atsuma.lg.jp/office/about/history/rice_making/

水が得にくいので、厚真川から離れた農地は、川に沿って「第四〜六区幹線用水路」がつくられていて、そこから農業用水を供給されている。

   ☆   ☆   ☆

地形図は国土地理院のサイトで閲覧できるし、風向と風速は気象庁のサイトで過去に遡って確認できる。土壌図だって政府が公開している。

なんで調べないで記事を書くのかが最大の謎。w
Posted by 王子のきつね at 2018年09月14日 11:25
和泉山脈の山影だから風の影響は少ないと考えて、タンカーを関空と泉佐野市・泉南市の海岸の間に止め、吹き流されて連絡橋を破壊した事件が最近あったことを追加しておこう。

ちなみに、気象予報士は素人考えにもほどがあると発言していた。w
Posted by 王子のきつね at 2018年09月14日 11:39
王子のきつねさん。
>山際だからといって水を得るのは難しく、不透水層まで井戸を掘らなければならない。

べつに厚真町に限定してコメント投稿したわけではないのですが?(厚真町限定あるいは北海道限定と取られる記述が有ったでしょうか?)

厚真町に限らず、入植時の状況がどの様なものであったか考えて下さい。
その土地に代々住んでいる人がおり、その土地の詳しい状況(河川の氾濫の有無)等の情報が取れるのならばともかく、最初に入植した人あるいは入植を推進した人がその土地(地形)をみて、どのような考え方をするかです。
有る程度の常識的な線に沿って考えるのが普通ではないでしょうか。
お聞きします。普通、山裾と平野部と井戸を掘って水源を得られやすいと考えるのはどちらでしょうか

その他も、寿限無が延べた事は一般的な考え方です。
電気が無い時代、東側に山が有れば日の出が遅れるので避けませんか?。
川の氾濫頻度が分からなければ低い土地での生活は避けませんか?
南側、東側に平野部が面していれば、日当たり良好で燃料の節約に繋がると考えませんか?



Posted by 寿限無 at 2018年09月14日 11:52
> 更に言うならば、北側に山を得るのは防風の為ではない。

 他の要因があることを示しても、防風という要因があることを否定することはできない。
 こんな初歩的な論理ミスをするのは、相手を論破しようという意識ばかりが強くて、真相を解明しようとする意識が二の次になるから。

> 東側もしくはその方面で住居の近くに山が有るとその分日の出が遅れ、不都合となる

 地図を見ればわかるが、南東方向の場所では、山の西側にも人家がある。「東側もしくはその方面で住居の近くに山が有る」としても、とくに困ることはない。これは当然で、山の高さは低いから、日照にはたいして影響しないのだ。朝の1時間ぐらい日照が少なくても、たいして問題にならない。


> 北側の山の山裾は住居を構えるのに最適の場所だったといえる。

 ならば、すぐ北方の土地がそれに該当するが、そこには人家がない。
 かわりに、西側に山のあるあたりにばかりに、多くの人家がある。

 ──

> 川の中州でキャンプをする』のと同意の愚行

 平野部を埋め尽くすほどの川幅なんて、ありえません。あったとしても、氾濫の程度(水かさ)は数十分の1に減じるから、何の問題もない。論理的に考えればすぐにわかるのに。

> 風向と風速は気象庁のサイトで過去に遡って確認できる。

 調べても結論は同じだったでしょ? 北西の風が多いですよ。あと、南東の風は暖かいから問題ない。(前出)
 また、そもそも、目的が防風か否かは、本項の主題ではない。話の一部にすぎない。
 話の一箇所だけで揚げ足取りをして、「議論に勝った」と大喜びしているのだとしたら、あまりにも子供じみている。

 本項の主題は何であるか、わかりますか? わからなければ、最後の一文を読み直しましょう。

Posted by 管理人 at 2018年09月14日 12:56
>防風という要因があることを否定することはできない。
結果的に防風の効果が得られることは否定していない。ただ、『防風』はそこに住居を構える『主な理由』になりえないと言ってるだけだ。

更にゆうならば、ブログ主の「山裾というのは危険」との主張に対しても別に異を唱えているわけでは無い。
ただ、当時の人は”いい加減な理由で、平地では無く山裾に居を構えた”のではなく、その位置を選択するに足る十分な理由があったはずであり、その理由は当時の生活様式から推測可能と述べた次第である。

ブログ主が
>集落は北西からの風をよけるために、山裾に場所を定めた。広い平地部は、強い北西の風に吹きさらされるので、そういう場所を選ばなかった。それが、北海道の開拓の時期に、集落の祖先が決めた方針だった
と述べたので、当時の状況を考慮した見解を述べさせていただいた。

>山の西側にも人家
そりゃ現代のインフラ水準ではどこに住居を構えても不都合はないだろう。
インフラが整備され人口が増えれば当初の集落以外に住居が増えるのは当たり前の話である。
Posted by 寿限無 at 2018年09月14日 17:08
>寿限無さん

>べつに厚真町に限定してコメント投稿したわけではないのですが?

「北海道地震の土砂崩れ」って記事のコメントですよ。北海道や厚真町に限定しないコメントにどんな意味があるんでしょうね。


>お聞きします。
>普通、山裾と平野部と井戸を掘って水源を得られやすいと考えるのはどちらでしょうか

山裾だったら谷=沢のところ(谷戸)。山裾だって、尾根からは水は得られません。

平地だったら、扇状地のいちばん端(扇端)か、川の近く。河岸段丘の段丘崖も水が得られやすいです。


>その他も、寿限無が延べた事は一般的な考え方です。

一般論は無意味だ!といいたいところですが、答えましょう。

>電気が無い時代、東側に山が有れば日の出が遅れるので避けませんか?。

夕方、遅くまで仕事ができますよ。

>川の氾濫頻度が分からなければ低い土地での生活は避けませんか?

川の近くには自然堤防という微高地があるので、そこで生活します。

>南側、東側に平野部が面していれば、日当たり良好で燃料の節約に繋がると考えませんか?

南半球でも南側は日当たり良好ですか?
西側は、西日が当たって暖かいので、冬は燃料の節約になりますよ。

あなたが書いているのは、一般論ではなく、あなたが一般論だと思っていることです。
Posted by 王子のきつね at 2018年09月14日 17:38
>本項の主題は何であるか、わかりますか? わからなければ、最後の一文を読み直しましょう。

これのこと?

>山裾はどこであっても危険だ、という知見を、広く共有する必要がある。

これも、斜面の角度や地質(土壌)、尾根か谷(沢)かでちがうんだけどね。

ふつう高さの3倍の距離で崩れるので、1/3より浅い斜面なら崩れないんじゃないの?

ローム層の崖は、シルトと粘土が25〜40%含まれているので、大雨が降ってもなかなか崩れない。厚真町はシルトと粘土が15%未満のシラス土壌。

水が集まる谷の部分は土石流の危険性があるが、尾根の部分は崩れる危険性は低い(しかし、斜面の角度は尾根の方が大きい)。
Posted by 王子のきつね at 2018年09月14日 18:10
> 大雨が降ってもなかなか崩れない。

 本文をちゃんと読みましょう。「大雨 プラス 大地震」です。
Posted by 管理人 at 2018年09月14日 18:54
>南半球でも南側は日当たり良好ですか?
なるほど、こりゃ一本取られた。
Posted by 寿限無 at 2018年09月14日 19:23
>「北海道地震の土砂崩れ」って記事のコメントですよ。北海道や厚真町に限定しないコメントにどんな意味があるんでしょうね。
ブログ主の結論が、
>日本中のほとんどすべてが該当する。従って、どのような場所であれ、山裾というのは危険なのだ。
とあったので、今回被害があった箇所に限らず、山裾を居住地をして選択するに足る理由に対する見解ですね。
もちろん、”昔の人が”という前振りが付きます。現在のインフラ環境で、”水源の確保が”とか”日の出の時間が”とか言って居住地を決める人なんていないでしょうから。
Posted by 寿限無 at 2018年09月14日 19:44
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