2018年09月01日

◆ 過疎地の路線バス

 過疎地の路線バスの維持が困難だという。赤字もさることながら、運転手の低賃金が深刻だそうだ。

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 過疎地の路線バスの維持が困難だという。特に赤字が問題となっている。この件は、前にも述べた。(両備バス・めぐりん)
  → 全国の赤字路線を廃止するべきか? ←両備: Open ブログ

 一方で、運転手の低賃金も深刻であるそうだ。ひどい低賃金。
 かといって、賃金を上げようとすると、赤字という壁にぶつかる。赤字を解消しようとすると、バス料金を値上げするしかないが、そうすると乗客が減ってしまうので、かえって赤字が拡大しそうだ。
 となると、残る道は、路線の廃止しかない。困った。……という話。詳しくは、下記。
  → もう働けません!入社4年で約半数が辞めるって… | NHKニュース

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 そこで、考えてみた。
 なぜ赤字か? 乗客が少ないくせに、大型バスにするからだ。車両価格・燃料費・人件費のすべてがコストアップする。
 ならば、小型バスにすればいい。それで解決した例もある。前出の、岡山の「めぐりん」だ。
 めぐりんの使用車両は、マイクロバスで、日野・ポンチョというもの。これを使えば、かなりコストダウンになりそうだ。

 ただ、もっと調べてみると、あまり解決策にはならないらしい。コストの6割は人件費であって、車両価格の占める割合は小さいからだ。車両価格を下げるだけでは、たいして改善策とならない。また、(安価な)中古の大型バスをやめて、新車のマイクロバスを買うと、かえってコストアップしかねない。
  →  路線バスって、マイクロバスではいけないのでしょうか? - 知恵袋
 
 そこで、さらに考えた。マイクロバスよりももっと小さいものではどうか? たとえば、ハイエースだ。調べてみると、ハイエースワゴンというものが該当する。
  → トヨタ ハイエース ワゴン | トヨタ自動車WEBサイト

 これはミニバスと呼ばれるそうだ。ミニバスの方がマイクロバスよりも小さいわけだ。(逆転している名前だが。)
 ミニバスは大量生産されるハイエースを使えるので、車両価格も安い。さらに、別の利点がある。大型車の免許が不要だということだ。
 2007年(平成19年)の改正法施行前に普通自動車免許を受けた者は、改正後は「中型車 (8t) 限定」の条件を付された中型自動車免許を所持しているとみなされる。
( → 中型自動車 8t限定中型免許- Wikipedia

 普通自動車免許だけで、ハイエースのミニバスを運転できるわけだ。
 ただし、条件がある。乗車定員10人以下であることだ。
 問題は運転免許。車の重量は8トン未満なので一見、中型免許(8トン車限定)でも運転できそうに思いますが、実はNG!
 中型免許(8トン車限定)では、乗車定員10人以下と定められているので、15人乗りのものは運転できません。15名乗りのいわゆるミニバスを運転するためには、中型免許限定なし(11人以上、29人以下の車両を運転可能)もしくは、大型免許(乗車定員30人以上の車両を運転可能)が必要ということですね!
 ちなみに日産レンタカーで調べてみましたが、キャラバンは10名定員まで。それ以上の場合はマイクロバスのシビリアンを借りることになりそうです。
( → マイクロバスとミニバス、どちらがお得?

 ハイエース・ワゴンというミニバスで、席数が 10席のものならば、普通自動車免許で運転できるわけだ。その分、普通の人でも運転手になれる。こうして「運転手不足」という問題は、一挙に解決可能となる。
( ※ 普通の大型バスは、大型免許を持っている人に限られるが、ミニバスならば、免許を持っている誰もが運転できるからだ。)

 実際、この流れで、ミニバスを使った路線バスが運行されているそうだ。
  → 富山地方鉄道が一部路線の大型バスをミニバス(ハイエース等)に置き換える
  → 富山地方鉄道 ハイエース : バスフォトコレクション
   ※ 画像によると、料金は大人 200円。

 さらに拡大される可能性も。
  → 黒部地区の路線や観光路線に導入する可能性が高い

 なお、この程度の乗客だと、バス停は使わないで済みそうだ。路線上であれば、どこでも好きなところに止めてもらえるだろう。

 また、便数を少なくして、パートタイマーの高齢者などを雇用することもできそうだ。短時間勤務であれば、比較的低賃金で雇用することもできそうだ。また、パートタイマーであれば、拘束時間(待機時間)がすごく長いという問題もなくせるだろう。



 [ 余談 ]
 自動運転車が普及すると、路線バスは無人化できそうだ。
 ( ※ 一般の場合とは違って、特定の路線だけならば、技術的なハードルは低い。)
posted by 管理人 at 09:32 | Comment(8) | 一般(雑学)5 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
大型ではないとはいっても旅客を運送するわけなので二種免許は必要でしょう。タクシー運転手経験者でないとダメでしょうね。
そこで種別免許所持者数をみると
http://www.jikosoren.jp/bus_jikyo/siryou/kyo-menkyo.pdf

普通の二種免許所持者数が少ないという…
Posted by とおりがかり at 2018年09月01日 10:07
すでにどこかで特区として認められていたような記憶がありますけど、タクシーをオンデマンドで呼ぶものを路線バスに準じるものとして認め、補助金を出していくというシステムがもっとも既存インフラを有効利用してヘタな工夫をしないで済むシステムなんじゃないですかね。

タクシー会社と大口契約をすれば、タクシー会社としても固定収入源が得られるわけで悪いはなしではないでしょう。
Posted by とおりがかり at 2018年09月01日 10:11
> 普通の二種免許所持者数が少ないという…

 タクシー運転手がやたらと増えすぎて困っている状態(供給過剰)だから、高齢のタクシー運転手をパートタイマーとして引き抜けばいいんじゃない?

 ※
 運転手が過剰なのは、賃金が大幅に低下したことからわかる。
 ただし求人倍率は高い。これは、運転手の過剰以上に、タクシー台数が過剰であるため。車を遊ばせるとさらに大損なので、赤字を減らすために求人する。
 人も車も慢性的に供給過剰。小泉行革の失敗例。
Posted by 管理人 at 2018年09月01日 11:55
> タクシーをオンデマンドで呼ぶものを路線バスに準じるものとして

 それは利用者数が極端に少ない路線の場合。
 本項は、バスがちゃんと運行できるような利用者数が見込める路線の場合。
Posted by 管理人 at 2018年09月01日 11:57
京都大学教授・藤井聡さんにインタビューした「クルマ、地方疲弊の重大原因の一つ」という記事を読みましたが、車への過度の依存を止めなければ、地方創生はありえないと。
そのうち、路線バスや電車不足が深刻な問題になりそうです。
その前に、地方はますます衰退し、都市部への人口流入に拍車が掛かるかもしれませんが・・・
Posted by 名無し at 2018年09月01日 14:12
そもそも、地方に住むだけの魅力がないと、わざわざ住む理由がありません。

生活する上で必要なモノや情報は、都市(もっと言えば、東京)に集まりますので。
Posted by 反財務省 at 2018年09月01日 20:41
無人運転を実用化すればいい。
技術的にはすでに可能です。人間をひっかけないようにするには、道路を使う人間すべてにRFIDタグを埋め込んでおけばいい。
Posted by INOUE Akihiro at 2018年09月03日 19:31
> 無人運転を実用化すればいい。

 最後の [ 余談 ] に記してあります。

> 人間をひっかけないようにするには、

 動くもの・止まっているものに近づいたら自動停止する、というシステムができています。単眼カメラだと精度が低いが、自動運転車だと、カメラは 10個ぐらい使うのが普通です。
Posted by 管理人 at 2018年09月03日 22:25
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