2018年08月17日

◆ ヘリコプター墜落の謎

 ヘリコプターが墜落した原因が不明だ。どうして墜落した?
 
 ──
 
 群馬県の防災ヘリコプターが墜落した状況が、いくらかわかってきた。
 事故は17日で発生から1週間になる。ヘリが墜落直前、山肌からの高さ200メートル前後で飛行していたとみられることが、GPSを使ってヘリの位置が確認できる「動態管理システム」の記録からわかった。
 記録によると、ヘリは午前9時59分ごろに予定の折り返し地点より手前で急旋回を始め、同10時1分に通信が途絶えた。墜落現場周辺は2千メートル級の山岳地帯で起伏も激しいが、ヘリは直前の約2分間、高度2167〜2201メートルの範囲で上下動していた。最後の記録の高度は、山肌からの高さ約215メートルにあたる。
 この間、速度も時速約20〜約145キロの範囲で急加速と急減速を繰り返した。墜落現場周辺の斜面の木々が水平に切り取られていることから、機体は水平に近い体勢で斜面に突っ込んだとみられる。
( → 墜落ヘリ、直前に低空飛行 音声記録なく原因解明は難航:朝日新聞 2018-08-17

 まったく支離滅裂としか言いようがないような、メチャクチャな運行をしていたことになる。これについて、専門家の分析もある。同じ記事の別版。
第一工業大学の楠原利行教授(航空工学)の話
 動態管理システムの記録が途絶える直前の約1分強に機首方位を43〜331度と大きく変化させ、山肌からの高さも上下し、最後は200メートル前後になっている。一般的には飛行しない危険な高度だ。天候が悪化して引き返す際、山を覆う雲に入ってしまい、自機の姿勢や方位などを把握できない「空間識失調」に陥った可能性がある。地上との平衡感覚がつかめず、ヘリを制御できていなかったと考えられる。経験豊かなパイロットでも陥りかねない現象だ。
( → 墜落ヘリ、直前に低空飛行 音声記録なく原因解明は難航:朝日新聞デジタル

 「空間識失調」を疑っている。しかしこれは妥当ではあるまい。
 仮にそうであるならば、高度を高く上げるはずだが、現実には高度を下げている。ありえないことだ。
 また、「空間識失調」なら、単に(高度や速度を変えずに)迷走すればいいだけであって、急激に高度や速度を上げたり下げたりする理由がない。
 ゆえに、「空間識失調」は説明としては無効だ。
 では、いったいどうしてこうなった? 

 ──

 私が事故を聞いた当初に思ったのは、こうだった。
 「積乱雲の中に入って、激しい上昇気流と下降気流にもてあそばれて、操縦不能になった」

 ただ、その後の情報を聞くと、これでは説明不十分だと思えるようになった。実際には「操縦不能」ということどころか、もっとひどい迷走をしているからだ。
 操縦不能であるならば、一方的に速度を下げていくはずだ。しかし現実には、急激な上下動や急加速・急減速など、無駄な動きが入っている。これは「操縦不能」ではとうてい説明が付かない。

 ──

 いろいろ考えたすえ、説明可能な唯一の説明は、こうだ。
 「操縦士(機長)が、意識を失ったか死亡したかで、操縦者がいなくなった。かわりに別の誰かが操縦しようとして、あちこちの装置を動かした。しかし操縦方法がわからないまま、迷走して、高度を落として、そのまま地上に激突した」
 
 これならば、すべての事実に符合する。ゆえに、これが真相だと思う。
 なお、副操縦士がいなかったことは、次の記事で判明している。
「乗務していた社員2人は知識と経験があるベテラン。事故原因に思い当たるところはない」と述べた。
 同社が派遣していた機長、天海(あまがい)紀幸さん(57)と整備士、沢口進さん(60)
( → 【防災ヘリ墜落】東邦航空、派遣の2人は「知識と経験があるベテラン」 機体の不具合報告なし

 つまり、パイロットと整備士だけである。パイロットが意識をなくした場合、かわりに操縦できる人はいない。

 思えば、高齢のパイロットが操縦するヘリコプターはものすごくたくさんある。そのうちの一つで、たまたま心不全になることは、たまにはあってもおかしくない。

( ※ 断定できるほどではないが、強く推定できる。)



 [ 付記 ]
 では、そういうことがあった場合への対策は? あるか? あることは、ある。
 ヘリコプターに「自動操縦装置」を搭載して、最寄りの空港に自動着陸させることだ。技術的にはそんなに難しいことではないと思う。
 どちらかと言えば、(技術的には)自動車の自動駐車の方が難しそうに思える。しかし、実現済みだ。











 なお、普通の飛行機の自動着陸装置は、とっくの昔に実現している。(すごく高価だが。)

 ──

 ただし、この対策は、既存の機種への対策とはならない。
 既存の機種への対策は、落下傘で飛び降りることぐらいかな。しかし重くてかさばる落下傘を、大量に搭載するのも無理っぽい。素人には使い方もわからないかも。
 となると、死ぬしかないのかもね。私だったら、墜落の直前に、ドアをあけて飛び降りるだろうけど。

posted by 管理人 at 20:12| Comment(6) | 一般(雑学)5 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
おお、メッチャあり得そう
Posted by かーくん at 2018年08月18日 07:17
>私だったら、墜落の直前に、ドアをあけて飛び降りる

と、同じ速度で地面に激突して死にますなぁ

「エレベーターのワイヤが切れて落下した時、地面に衝突する寸前にジャンプすれば助かる」のと同じ理屈でしょ、それ
Posted by 深海 誠 at 2018年08月18日 08:50
現場は樹木だらけの森林です。
  https://www.youtube.com/watch?v=9iqSCY_KhkU
Posted by 管理人 at 2018年08月18日 10:59
山岳地域、峯・谷、立木の重なるサイトでのヘリの飛行は非常に困難。長野県防災ヘリの事故は峰を越えてすぐ着陸しようとして尾翼が立木に当たったと判断する。群馬防災ヘリは、加えて霧雲の中に入ったから始末に負えない。素人は上昇すればよいといううが、その時の機体重量、高度で垂直上昇できる性能があったかどうか、またパイロットは上昇しても雲の上に出られるかどうか判断に苦しんだのであろう。要は、関係者が十分,このことを知ったうえで、ヘリの運航を決めねばならない。素人が考える程ヘリの運航は生易しいものではない。
Posted by 義若 基 at 2018年08月27日 18:20
 なるほど。尾翼が破損したというのは、有力な説ですね。
 しかし、それならなぜ「エンジン停止」にしなかったのか、という疑問が生じます。エンジン停止なら、なめらかに滑空して、低速度で着陸できたはずです。高速で山面に激突するのはおかしい。
  https://youtu.be/Uujk4Mvydf8
  https://youtu.be/gAytdahjlbw
  https://youtu.be/eEuvYkdyzJQ
Posted by 管理人 at 2018年08月27日 19:20
@エンジンを止めると垂直効果に近い速度で落下する。
A尾翼は方向操縦にあるもので安定御トルクの為だけでない。
A斜めでもオートロー🄬テーションするには速度が必要、木屋美年ぶつかる
Posted by 義若基 at 2018年09月04日 15:46
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