2018年08月10日

◆ サマータイムは可能である

 「サマータイムは不可能である」という話が話題になっている。そこで、これを否定して、「サマータイムは可能である」と示す。

 ──

 「サマータイムは不可能である」という話が話題になっている。スライドショー形式。
  → サマータイム実施は不可能である

 話の趣旨はこうだ。
 「社会的な大混乱なくサマータイムを実施することは不可能である」


 絶対に不可能だというわけではなくて、大混乱なしでは不可能だと言っている。換言すれば、強行すれば社会的な大混乱が不可避である、と言っている。
 これに対しては、圧倒的な賛成論がある。はてなブックマークでは肯定意見がほとんどだ。
  → はてなブックマーク

 ──

 しかし、厳密な論証をするのであれば、完全な意味ではそれが成立しないとわかる。つまり、工夫をすれば
 「社会的な大混乱なくサマータイムを実施することは可能である」
 と言えるのだ。
 そこで問題は「工夫をすれば」ということの内容だ。以下ではそれを具体的に示そう。

 基本はこうだ。
 「サマータイムを実施するが、その範囲を限定することで、社会的な大混乱を回避することができる」


 なぜか? それは、今回のサマータイムの目的が、省エネとかなんとかではなくて、「オリンピックのマラソンの開始時刻を早めること」だけであるからだ。

 したがって、次のように範囲を限定することができる。
  ・ 実施日は、8月9日のみ。
  ・ 実施地域は、東京都のみ。

 こういう形で限定すれば、限定的なサマータイムは実施可能だ。(社会的な大混乱なしに。)

 なぜ社会的な大混乱がないか? それは、たいていの人が、このサマータイムを無視できるからだ。無視できないのは、オリンピックの担当者だけだ。あと、ついでに、役所も名目的に付き合ってもいい。
 とにかく、オリンピックと役所だけが、サマータイムを忠実に実行する。一般の社会は、サマータイムを無視して、日本標準時(JST)をそのまま使う。これなら、社会的な大混乱はなしで済む。もちろん、コンピュータや家電などを切り替える必要はない。電車の時刻表も書き換える必要はない。世の中のほとんどは現状通りだ。ただし、オリンピックの会場内では、サマータイムで時間が進む。それだけだ。(あと、名目的に、役所も付き合う。あくまで名目的にだ。)

 ──

 さて。このように実施するとなると、一つの国に二つの基準時刻が存在することになる。しかし、それは問題ない。たとえば、米国やロシアでも複数の標準時がある。(国土が東西にあまりにも広いので。)……こういうのと同様に、日本にも複数の基準時刻があってもいいはずだ。結果的に、東京都内だけで、別の基準時刻があることになる。(しかも、東京都民も、たいていの人はそれを無視する。)
 また、実施日は(マラソンのある)8月9日だけであるから、影響が大きくひろがるということもない。当然、不具合もほとんどない。

 それでも、オリンピックの会場内では、サマータイムに従う。当然記録はすべてサマータイムに従う。また、東京都庁の公的記録もそうなるだろう。こうしてサマータイムはちゃんと実現するわけだ。(それを使う人はほとんどいないが、それは制度とは別問題だ。)

 というわけで、制度としてのサマータイムは、実現可能なのである。案外、この案が最善かもしれない。つまり、
 「8月9日に、東京でだけ、サマータイムを実施する」
 という案がベストかもしれない。これなら、サマータイムを唱えた安倍首相の顔も立つし、大反対している理系の人々にとっても安心できる。(社会的には何も変わらないも同然だからだ。)

 なお、東京都内の学校などで、サマータイムに縛られることが不安なところがあれば、「本校はサマータイムに従いません」と校内で決めればいいだけだ。企業もまた同じ。そのくらいの自由はある。(実は、たいていの学校は夏休み中で、問題なし。)

 以上をひとことで言えば、こうなる。
 「形骸化すれば、サマータイムは制度的に実施可能である」



 [ 付記1 ]
 「だったら何もしなけりゃいいだろ」
 と思うだろうが、それは、サマータイム反対論と同じだ。合理的な人ならばそう思うだろうが、日本の政治を牛耳っているのは非合理的な人々なのだから、合理的な意見をいくら出しても無効だ。
 一方、安倍自民は、何とか強圧的に国民をねじふせたいという願望を持つ。だから、安倍自民の顔を立てるためには、とりあえずは「サマータイムを実施した」という形だけを取る方が、政権にとっては都合がいい。
 で、それが骨抜きになって形骸化すれば、国民にとっても不満はない。「名を捨てて実を取る」というようなものだ。
 こうして、合理的な人々と非合理的な人々が、妥協できる。

 [ 付記2 ]
 「世の中を動かしているのは、合理的な人々ではなく、文系の馬鹿である」
 ということを、まず理解するべきだ。
 たとえば、福島原発はそうだった。また、夫婦別姓でも、年号強制でも、残業手当ゼロ法案でも、世間の多数意見を圧殺して、文系の馬鹿(= 自民党)が勝手に自己流の意見を押し通す。
 これが現実だ。そして、そのような現実をもたらす自民党を、過半数の人々が支持する。
 こういう現実を理解できないで、「正しいこと」だけを主張するようでは、現実無視の夢想論者と見なされても仕方ない。
 本項では「馬鹿が世の中を動かしている」という現実に則った上で、その現実に適応した対策を示した。
 このことを正しく理解してほしい。

 [ 付記3 ]
 「対象範囲をもっと限定すればいい」という案も考えられる。
  ・ 日は8月9日の午前5時から 10時まで
  ・ 場所は、オリンピック会場(新国立競技場)だけ。

 ま、それはそうなんだが、さすがにこれは露骨すぎる。こんなサマータイムは認められないだろう。ほとんど冗談の扱いとなる。無理。

 [ 付記4 ]
 「こんなアクロバティックな議論をして、いったい何が言いたいんだ?」
 と疑問に思う人が多いだろう。そこで答えておこう。こうだ。
 「頭ごなしに『不可能だ』と決めつける固い頭に対して、『工夫すれば例外的に可能だ』と柔らかな頭で答える」
 これはつまり、「この問題を論理クイズとして扱う」ということだ。頭の体操みたいなものである。
 本項を読んで、「なるほど、おもしろい」と思った人は、頭が柔らかい。「こんなの実現不可能だ。無意味だ」と思って怒り出した人は、頭が固い。


 [ 付記5 ]
 前項で述べたこと(時間の重複)を理由として、(サマータイム実施日の)8月9日は、24時のあとに、24時から26時までの2時間があることになる。
 これにならって、0時から2時までの2時間を削除するといい。
 つまり、8月9日は、午前2時に始まって、26時に終わるわけだ。(ぴったり 24時間ある。)
 ということは、結果的に、「すべての時刻は標準時に2時間プラスして読み替える」というのと同じことだ。あっけないですね。

posted by 管理人 at 23:54| Comment(12) | 一般(雑学)5 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 最後に [ 付記5 ] を加筆しました。
 タイムスタンプは 下記 ↓
Posted by 管理人 at 2018年08月11日 19:36
管理人さん提案方式ではマラソン関連の仕事(警備担当とか)を担当する東京本社と北海道支社の間で、「2020年8月9日の午後3時にTV会議をしよう」と決めたら混乱しませんかね?それとも東京本社の中でダブルスタンダードを使いますか?

時計をずらさずに読み替える方法を日本全体に拡大しても、システムの混乱は減ります。ヒューマンエラーは増えそうです。どっちにしろ混乱を招くのであれば、明らかな出費となるシステムコストの安いほうが経済界は受け入れやすいかも。ヒューマンエラーによる出費増加は、いつものように現場に押し付ければいいのです。
Posted by 名無しの通りすがり at 2018年08月12日 15:20
 その時刻がサマータイムか標準時かを、いちいち明示すればいいだけです。明示されていない場合には、不明なので未確認扱いにして保留すればいい。

 「2020年8月9日の午後3時にTV会議をしよう」
 「標準時ですか、夏時間ですか?」
 「ええと。よくわかりません」
 「確認してから連絡してください」
 「確認しました。夏時間で午後三時です」
 「はい。わかりました」
Posted by 管理人 at 2018年08月12日 16:44
「北海道には夏時間など存在しません。東京の都合を一方的に押し付けないでください。」くらいのことを、形式主義の日本の会社は言いそうですね。

もともと地域分割方式の夏時間の提案自体が形式的ですし。
Posted by 名無しの通りすがり at 2018年08月13日 08:37
> 「北海道には夏時間など存在しません。東京の都合を一方的に押し付けないでください。」

 それ言うと、「だったら、おたくとは取引停止します」という通告が来ます。
 米国だってサマータイムを実施しているんだし、サマータイムを全面的に拒否していたら、米国相手の取引もできなくなります。

 いきなりサマータイムを実施するのは愚策ですが、サマータイムそのものを全面否定するのは方向違いです。
Posted by 管理人 at 2018年08月13日 12:09
> それ言うと、「だったら、おたくとは取引停止します」という通告が来ます。

東京本社と取引停止した北海道支社というのを想像できません。
実例がありましたら、ご教示ください。

>  いきなりサマータイムを実施するのは愚策ですが、サマータイムそのものを全面否定するのは方向違いです。

サマータイムの議論は過去何度も蒸し返されてきましたし、私が生まれる前には実際に日本で実行されています。「高緯度ではない日本におけるサマータイム」は全面否定してもいいのではないでしょうか。
Posted by 名無しの通りすがり at 2018年08月13日 17:18
 本社と支社なら、支社は本社の言うことを聞くしかないでしょう。そもそも社内で統一されているはず。
 常識的には、「 SMT か JST かをきちんと明示する」というのが統一基準となりそうです。

> 全面否定してもいい

 合理的ならそうだけど、日本を牛耳っているのは自民党だから、自民党を全面否定するのが先決。
 さもなくば、自民党の言うことを聞くしかない。彼らに権力を全面付与したんだから。
 自民党をつぶさない限りは、いくら正しいことを言っても負け犬の遠吠え。
Posted by 管理人 at 2018年08月13日 18:15
 あと、本項の提案は、民間会社は従わないことが前提です。本文中には

 「無視できないのは、オリンピックの担当者だけだ。あと、ついでに、役所も名目的に付き合ってもいい。」

 と記してある通り。この両者だけが使えばいいのであって、民間会社は無視するのが原則です。従う義務はないんですから。
Posted by 管理人 at 2018年08月13日 19:19
埼玉、千葉、神奈川から東京に通勤するサラリーマンに混乱招きそうだな。
サマータイム導入するならせいぜい東京都だけでなく、埼玉県、千葉県、神奈川県にも導入したほうが良いと思う。
Posted by まりも at 2018年08月14日 08:17
つうかマラソン競技だけは涼しい軽井沢とかでやればいいのに。
サマータイムとか面倒臭いことやらなくて済むし。
Posted by まりも at 2018年08月14日 11:53
もっとも埼玉県、千葉県、神奈川県から通勤している社員が多数いるし、サマータイム導入は現実的ではないという在京民間企業が殆どだろうね。
Posted by まりも at 2018年08月14日 11:58
> あと、本項の提案は、民間会社は従わないことが前提です。本文中には
>  「無視できないのは、オリンピックの担当者だけだ。あと、ついでに、役所も名目的に付き合ってもいい。」
>  と記してある通り。

とおっしゃいますが、「マラソン関連の仕事(警備担当とか)を担当する東京本社と北海道支社の間で」と書いたとおり民間のオリンピック担当者を考えています。東京本社は全員が警備員として駆り出されていて、北海道支社がカメラ監視の人員を出すような状況です。

まりもさん
> つうかマラソン競技だけは涼しい軽井沢とかでやればいいのに。

とおっしゃいますが、東京都が誘致したオリンピックなので、長野県にお願いするにはメンツとか予算とかいろいろ問題があります。千葉県や埼玉県、神奈川県も会場になりますが、いろいろ揉めました。

「地域別サマータイム」よりも、「日本国中をオリンピック期間だけ東京都に貸し出す」ことにして軽井沢でマラソンをやったほうが現実的ですね。
Posted by 名無しの通りすがり at 2018年08月14日 23:53
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