2018年08月04日

◆ 北陸で大地震はあるか?

 北陸で大地震はあるだろうか? 過去の歴史を調べてみる。

 ──

 東北地方では、大地震は起こらないと思われたのに、起こった。そこで、あとで歴史を調べると、1000年以上も前の平安時代に貞観地震というのがあったと判明した。人々はすっかり失念していたようだが。

 では、関西電力の大飯原発と高浜原発に影響するような大地震は、北陸地方では起こるだろうか? これについて、歴史を調べてみた。

 まず、ググってみたら、次のページが見つかった。
  → 北陸の地震(歴史) | 日本の地震

 地震専門のサイトによるデータだ。これでデータはわかった。あっけなく、あっさりと判明。

 ──

 ただし、このデータだけを見ても、ピンと来ない。そこで、このデータを、私が地図上にマッピングしてみた。マグニチュードの値を、地図上に記す。


hokurikumap1.jpg


 かなり多くの地震が起こっているとわかる。しかし、昭和になってからのものも多く、そのうち大部分はたいして被害が生じていない。(マグニチュード 6.5ぐらいのもの。)

 ただし、例外が二つある。濃尾地震(1891)と福井地震(1948)だ。

 (1) 濃尾地震

 濃尾地震(1891)は特大の地震で、広い範囲に被害を及ぼした。上の画像では  という字で示してある。
 さらに範囲を示すと、下の画像がある。(出典:Wikipedia )

nobi_earthquake.png


 Wikipedia から引用しよう。
 濃尾地震(のうびじしん)は、1891年(明治24年)10月28日に濃尾地方で発生した、日本史上最大の内陸地殻内地震。
 死者は7273名、負傷者17175名、全壊家屋は14万2177戸を数えた。震央近くでは、揺れにより山の木が全て崩れ落ち、はげ山になったなどと伝えられる。
 濃尾地震の震度分布は大森房吉により求められ、名古屋など愛知県から岐阜県、福井県を貫く広い範囲で震度6相当となっている。だが、当時の震度階級は4段階で最大でも震度6相当であり、根尾谷を始め、岐阜県西部から愛知県にかけて家屋倒壊率が90%を上回る地域もあり、震度7と推定される地域も美濃から尾張(一部越前、三河)にかけて分布している。
( → 濃尾地震 - Wikipedia

 このような巨大な地震が起こったわけだ。しかも、内陸部で起こったことから、直接的な被害があったことになる。この点では、沖合に震源があった東日本大震災と違って、津波よりも地盤崩壊の危険の方が大きいだろう。

 (2) 福井地震

 福井地震もあった。原発にとっては、より危険度が高い地域の地震だ。画像では 7.1 という字で示してある。
 
 Wikipedia から引用しよう。
 福井地震(ふくいじしん)は、1948年(昭和23年)6月28日16時13分29秒に発生し福井県を中心に北陸から北近畿を襲った地震である。福井大地震ともいう。
 大正関東地震(関東大震災)、兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)、東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)などと並ぶ、日本の災害史上最悪クラスの震災となった。2015年現在も東日本大震災、阪神・淡路大震災に次ぐ戦後3番目の規模の震災である。死者の大部分が、当時あわせて人口15万前後にすぎなかった福井市および現在の坂井市、あわら市に集中しており、その被害率は、日本の近代史上でも類をみない。特に現在の坂井市部分では、死者が人口の5%という(同じ際の福井市が1%、後年の大震災時の神戸市が約0.3%)大惨禍となった。
 福井平野では、全壊率が60%を超えるなど被害は甚大だった。

( → 福井地震 - Wikipedia

 非常に大規模な地震であったとわかる。あまり話題になっていないのは、人口が多くなかったせいで、死者の総数があまり多くなかったからだ。死者の比率を見れば、ものすごく高いとわかる。

 で、原発は? この福井地震の震源地とは、目と鼻の先だ。
 前項の図を再掲すると、こうなる。


kansai-jiko.jpg
出典:美浜の会からの転載


 この画像で「福井県」と大きく書いてある文字の少し南あたりが震源地であるようだ。すると、敦賀原発はすぐ隣だし、大飯原発や高浜原発も近い。震源地で 3000ガルを超えれば、原発で 700ガル を超えることも十分にありそうだ。そして、細管破壊から、原発のメルトダウンへ。放射性物質の飛散。地域一帯の壊滅。

 こんなことをめざそうというのだから、日本政府は狂っているね。……ま、狂っているから、東日本大震災で福島原発事故が起こったわけだが。
 ただ、あのときは「過失」ふうだったが、関西の場合は「故意」に近い。地裁が原発を止めたのを、わざわざ解除しているからだ。( → 前項 )

 自殺志願か。あるいは、関西壊滅を企てる、関東人の陰謀か。……ま、関東人が陰謀しているというよりは、自民党の陰謀かもね。



 [ 付記 ]
 大飯原発の耐震性は 700ガル。( → 前項 )
 一方、東日本大震災では、最大値で 4000ガルで、2000ガル以上の土地もたくさんあった。詳しくは下記。
  → 福島原発事故の原因は津波か?: Open ブログ



 【 関連項目 】

 → 原発事故は再来するだろう: Open ブログ (前項)

posted by 管理人 at 20:29 | Comment(9) |  地震・自然災害 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
『アンダーコントロール』って言い切る人がいる限り、その土地の危険性の軽重に関わらず、原発は再稼働しますよ(笑)
Posted by 反財務省 at 2018年08月04日 22:23
>東北地方では、大地震は起こらないと思われたのに、起こった

宮城では94年頃から数年ごとに大きな地震が起きてますね。
だから、いずれ起こりそうな気配はしてました。
個人的に、神戸(95年の阪神淡路)と、この前の北大阪地震はビックリしました。
特に神戸は地震が無い地域と言われてただけにショックは大きかったです。(私自身は神戸のお隣・芦屋市で被災し、自宅が半壊でした)
そして、歴史史料に見当たらなかった大阪を震源とする地震。絶対に大阪で地震が無いと思ってましたが・・・これもショックでした。
まぁ、人類が自然災害を記録し始めたのは、地球の歴史からすれば、つい最近の事。だから、いつどこで・どういう災害が起きるか絶対分からないですね。
Posted by 名無し at 2018年08月04日 23:49
>自殺志願か。あるいは、関西壊滅を企てる、関東人の陰謀か。

こういう書き方はやめたほうが良いですね。
関西とか関東とか、アホな大型掲示板の煽り合いみたいで気持ち悪いです。
(管理人さん特有の・・・悪気のない書き方でしょうけどw)
Posted by 名無し at 2018年08月04日 23:53
> 煽り合いみたい

 私が関東人だから、自虐ネタになっているんですけど。
 あと、明らかに現実ではないし、ギャグなんですけど。
Posted by 管理人 at 2018年08月05日 00:02
700ガルという耐震基準というのは
誰がどうやって決めたんでしょうね?
ぬる過ぎですよね。
Posted by コンティニュアス at 2018年08月05日 11:48
 細管が壊れるのが 700ガルで、それ以上は細管を強化できなかった、ということではないかな。
 電力を得る効率を上げるためには、熱伝導率を高くする必要があるので、細管は薄ければ薄いほどいい。で、薄くしたら、強度が足りなくなって、地震には弱くなってしまった……というわけ。
 経済性(熱効率アップ)と、強度とは、相反する性質だから、あちらが立てばこちらが立たず、ということみたい。
 日本みたいな地震国に原発を作ること自体が間違っているのかもね。地震のない大陸向けの技術でしょう。
Posted by 管理人 at 2018年08月05日 12:08
> 日本みたいな地震国に原発を作ること自体が間違っているのかもね。

そう思います。
建築ならば、まあ、壊れてしまっても被害が限定的ですが
原発じゃ目も当てられません。
それをわざわざ造る、稼働する、推進するって……。

『何か』の陰謀か、余程の利権でもなきゃ、やらんでしょう。
Posted by けろ at 2018年08月05日 22:25
原発も沖縄の米軍基地も民意を無視するのが、属国日本の生きる道。岸信介の安保成立以降、日本人は見事に飼いならされています。長いものに巻かれない人間は冷や飯を食い、巻かれた人間に責任が及ぶことはない。
戦前から続く日本人の体質のようなもので、それをどう攻略するかが難しいところです
Posted by gunts at 2018年08月05日 23:08
>自殺志願か。あるいは、関西壊滅を企てる、関東人の陰謀か。

↑そういう言葉が出ること自体、ネットマナーやら道徳心やらが欠如してると言えざるを得ないけどね。
Posted by まりも at 2018年08月06日 12:12
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