2018年08月02日

◆ 猛暑と温暖化と森林減少

 猛暑と温暖化と森林減少について、朝日新聞に興味深い記事があったので、紹介する。

 ──

 これは、インタビュー記事。ストックホルム.レジリエンス.センター所長、ヨハン・ロックストロームさんに聞く。
 猛暑のさなかで、時宜を得た記事だ。

 猛暑と温暖化


 猛暑と温暖化は関係しているか? この猛暑は地球温暖化のせいか? 
 これについて私も書こうかと思ったが、私が書くまでもなく、同趣旨のことがこの記事に書いてあった。それを紹介する。
 ――日本では西日本豪雨に続いて記録的な猛暑、世界でも米国や北アフリカ、インドで50度を超えるなど異常気象が続いています。地球温暖化の影響でしょうか。
 「私たちは、世界中で豪雨や熱波、ハリケーンなど、異常気象の頻発を目撃しています。ただ、西日本豪雨が人間活動による温暖化の影響かと問われれば、答えは科学的にとても複雑で、『イエス』とも『ノー』とも言えます。世界の平均気温は産業革命前より1.1度上昇しました。これは異常気象に影響を与えるでしょうが、とても多くの複雑なプロセスが絡み合っています」
 「個々の異常気象と気候変動を単純に結びつけることはできません
 ――多くの人は、地球温暖化で異常気象が増えていると感じています。科学者は、この二つを結びつけることにとても慎重です。
 「ポットでお湯を沸かしている時、火を強くすれば確実に気泡が増えますが、次にどんな気泡が出るのかを予測することはできません。『今回の豪雨は温暖化によるものですか』と聞かれれば、科学者は『関係ある』とは言えません。でも『気温の上昇は、異常気象が増える原因になりますか』と聞かれれば、科学者は『イエス』と答えざるを得ないでしょう」
 「地球の気温は上昇しており、結果として気候変動が起きているのです。温暖化は異常高温だけでなく異常低温も引き起こします。温室効果ガスの排出が温暖化をもたらし、温暖化が気候変動を招き、気候変動が気象に影響を与えるという3ステップになっています」
( → (インタビュー)地球環境、限界なのか ヨハン・ロックストロームさん:朝日新聞

 うまい説明ですね。私も同じことを考えていたが、いっそう上手に表現している。最適な表現だ。私が言いたかったことを十二分に説明している。称賛しておこう。
( ※ 発想そのものは、私もが考えていたし、他の人も考えていたあろうが。)
 

 温暖化と森林減少


 同じ記事で、温暖化と森林減少についても言及している。

 「石油や石炭など化石燃料の使用をやめるだけでなく、ほかの項目が限界値を超えないようにしなければなりません。炭素を自然生態系の中に隔離しておかなければなりません。私たちは恐らく、永久凍土の融解によるメタン放出や炭素吸収源である森林の喪失、海洋からの炭素放出の危険性を、低く見積もり過ぎています
 「重要なのは、地球の陸地や海洋の自然生態系が、いまの均衡状態を保とうとする回復力を失わないようにすることです。2015年と16年、増え続けてきた世界の二酸化炭素(CO2)排出に歯止めがかかりました。大気中のCO2濃度上昇にもブレーキがかかると思ったら急上昇したのです。人間がCO2排出を削減したのに、森林や海などの自然生態系がこれまでのように吸収しなかったのです
 「回復力があるうちは、温室効果ガスを生物圏内にとどめておくことができますが、弱ったところにエルニーニョや熱波など、ちょっとした一撃が加えられて転換点を超えれば、地球は別の状態に変わり、元には戻れなくなります」
( → (インタビュー)地球環境、限界なのか ヨハン・ロックストロームさん:朝日新聞

 ここでは、温暖化の原因として「森林の減少」が指摘されている。

 実は、主流派の意見は、こうではない。地球温暖化の問題では、「温暖化ガスの排出だけが重要だ」というのが主流派だ。
 たとえば、下記では、温暖化ガスだけを主要因として森林減少の効果をあまりにも軽視している。
  → なぜこんな暑い夏になったのか…究極の原因が判明 | ギズモード

 しかし私は前から、「森林の減少が重要だ」という異論を述べてきた。たくさんの項目を書いた。
  → 陸地温暖化説 (緑地減少説): Open ブログ
  → 森林減少と温暖化: Open ブログ
  → 環境破壊や温暖化の真因は?: Open ブログ
  → 温暖化の原因は炭酸ガスでなく緑地減少: Open ブログ
  → 地球環境の変化(緑地減少)を画像で見る: Open ブログ
  → サイト内検索 (項目一覧)
 
 私は 2008年ごろから、孤軍奮闘している感じだったが、それから 10年たった今、ようやく専門家のなかでも私と同じ意見の人が新聞に掲載されるようになったわけだ。
 たいていの分野で、私は専門家よりも 10年ぐらい、意見が早い。世間が私に追いつくには、たいてい 10年かそこらがかかるようだ。
 


 【 追記 】
 主流派が認識を間違えた理由が解明された。
 森林減少によるCO2排出量は大量にあった。だが、その数字を相殺する逆効果の現象があった。それは、エルニーニョがなかったという気象変動だ。このせいで、森林減少の効果が、(実際には大きかったのに)過小評価されることになった。……そのことがようやく判明した。
 東南アジアなどの熱帯地域における森林減少・劣化によるCO2排出量は、人為起源によるCO2総排出量の約2割を占めると考えられています。
 (しかし)1980年代-1990年代の強い二酸化炭素(以下、CO2)排出傾向が、 2000年代において大幅に緩和されたことを発見しました。また、その原因が、2000年代に強いエルニーニョ現象が発生しなかったことに起因し、生態系によるCO2吸収が増大し土地利用変化によるCO2排出を相殺したことが大きな要因であることを解明しました。
( → 気候の自然変動が大規模森林伐採による二酸化炭素の排出を相殺した現象を 世界で初めて検出!|2017年度|国立環境研究所




 【 関連サイト 】
アジアの森林減少については、下記に参考記事がある。
 東南アジアでは、農林業やバイオ燃料の製造、エビの養殖池をつくるためのマングローブの伐採などによって森林が減り、動物のすみかが失われている。25%もの固有種が絶滅の危機に直面しているという。
( → (社説)アジア生態系 わがこととして考える:朝日新聞デジタル

 インドネシアなどの熱帯林には、浅瀬の海に木が朽ちて堆積(たいせき)した「泥炭湿地」が広がる。近年、開発に伴う土壌の乾燥で火災が頻発。煙による健康被害に加え、二酸化炭素(CO2)が大量放出され、地球温暖化の脅威にもなっている。
 炭素を多く含む熱帯の泥炭湿地の多くは、東南アジアのスマトラ島やボルネオ島、その近辺に分布している。いずれも浅瀬の海だった場所に長い年月をかけて形成されたものだ。
( → (科学の扉)温暖化の脅威、地中にも 開発によるCO2排出と火災/健康にも影響:朝日新聞デジタル

 ボルネオ島の『水の森』の地下に貯蔵された泥炭の 炭素量は550億トンと桁外れに多く、ここ数十年の乱開発によって炭素の貯蔵庫から巨大な炭素放出源に転じています。 実際に2015年のインドネシア大規模森林火災では、16億トン以上と日本の二酸化炭素総排出(2014年度13.6億トン)を大きく上回る 温室効果ガスが排出され、気候変動への大きな影響が懸念されます。
( → 泥炭湿地と気候変動


posted by 管理人 at 22:46| Comment(1) | エネルギー・環境2 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 最後に 【 追記 】 と 【 関連サイト 】 を加筆しました。
 タイムスタンプは 下記 ↓
Posted by 管理人 at 2018年08月03日 06:42
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