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どうするのかというと、バニラアイスクリームといっしょに食べるといい。
イオンあたりで売っている2リットルの箱入りアイスクリームがお薦めだ。(ラクトアイスはやめた方がいい。)
で、この甘いバニラアイスクリームと、小さくて酸っぱいイチゴとの組み合わせが、絶品だ。夏の食品の中では一番おいしい、と感じる。

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実は、私は、イチゴはあまり好きではない。果物はたいていのものが大好きなのだが、イチゴだけはどうも好きになれない。イチゴジャムも嫌いだし、かき氷のイチゴシロップも嫌いだ。とにかく、イチゴ味というのが嫌いだ。砂糖やミルクを付けると、かろうじて食べられるが、それでもおいしくない。あまおうみたいな、甘くて大きいイチゴもあるが、やはりおいしくない。ショートケーキには、生クリームにイチゴがのっかっているが、イチゴが邪魔なので、イチゴだけは取り外して、他人にあげてしまう。
そのくらい、私はイチゴが嫌いだ。
なのに、イチゴ嫌いの私が、バニラアイスといっしょに食べると、おいしさのあまり、悶絶しそうになる。「夏の食品でこれ以上のものはない」と感じる。メチャクチャおいしい。
高いイチゴでなく、安いイチゴで、ものすごく酸っぱいのだが、その酸っぱさが、逆転して、美味しさに転化する。……バニラアイスと一緒になることで。
これぞ、組み合わせの妙だろう。
【 追記 】
また同じものを食べた。とてもおいしかったが、それだけでなく、すごく幸福で満ち足りた思いになった。おいしものを食べて、こういう思いになったことは、めったにない。
それで思い出してみたら、これと同じ感覚は、若いころ( 高校から大学のころ)にも味わったことがある。あのころ、フルーツパフェやチョコレートパフェを食べて、「こんなにおいしいものはない。パフェこそ一番おいしいな」と思って、ときどき食べたものだった。すごく満ち足りていた。あのころの感覚がふたたびよみがえった。
思えば、以後は、同じような満足感を料理で味わったことはなかった。舌のとろけるような超高級な牛肉やトロマグロを食べたこともあったが、「すごくおいしいな」とは思っても、その満足感は舌の上にあるだけだった。心の底から幸福になる思いはしなかった。そういう思いがしたのは、若いころにパフェを食べたときだけだった。
ところが今回、何十年ぶりかで、同じ思いを味わった。それというのも、イチゴの酸味と、アイスクリームの甘味が、あまりにも強烈だったからだろう。どうやら私の舌の感覚は鈍くなっていたようだ。だから何を食べても感動しなかった。しかるに、イチゴの酸味はあまりにも酸っぱすぎたし、イオンのアイスクリームはくどいほどにも甘すぎる。そのどちらもおいしくないのだが、両方が一緒になると、強烈な酸味と甘味が渾然一体となる。その両者を乳脂肪がうまく結びつけて、まろやかにする。そのとき、若いころに味わった幸福感がよみがえったのだ。
「おいしいと感じるとはこういうことなんだ」というのを、何十年ぶりかで味わった感じだ。
【 関連項目 】
本項の続編。
→ イチゴとクリーム: Open ブログ
きっとVeryおいしいとなるはずです。