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前項では、刑務所の暑さを問題視した。
そのコメント欄で、次の提案が寄せられた。
コンクリートに熱が貯まるのなら、コンクリに太陽が当たらないようにすればよい。
上部を含めて遮光のネットを使うのも良い。
( → 刑務所に冷房は必要か?: Open ブログ )
これに答える形で、「屋上緑化」という案を私は示した。
ただ、屋上緑化というのは、金がかなりかかる。また、屋根に大きな重みがかかるので、ちょっと施工上の問題がある。(コンクリならば大丈夫だろうが、一般的な木造家屋だと実現しにくい。)
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そこで、新たに考え直して、新しい提案をしよう。こうだ。
「屋上に、池をつくり、深さ1センチぐらいの水を張る」
これなら、重さはたいしたことがない。また、施工が簡単なので、工事費も格安で済む。何だったら、日曜大工みたいにして、自分でやってもいい。(コンクリの平らな屋上がある場合。)
池を作るのは簡単で、高さ1センチのミニ堤防を作るだけでいい。畝(うね)みたいなものですね。
ここに、水道管かホースで水を流し込めば、水深1センチの池ができる。あとは、水が蒸発する分だけ、たらたらと水を入れるだけでいい。
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効果は? 水の気化熱があるので、水温は気温よりは高くならないはずだ。気温 35度のときに水温は 32度ぐらいで済みそうだ。(ただし、もともとの屋根は白っぽいことが条件。)
水を張らない場合には、コンクリが 50度〜60度 ぐらいになるはずだから、屋上部分のコンクリの温度は大幅に下がるはずだ。結果として、建物の最上階は、かなり温度が低下するはずだ。
ちなみに、例の刑務所では、死者が出たのは最上階の4階。死者が出たあとでは、4階の部屋を不使用にすることにしたそうだ。
しかし、最上階を全部不使用にするというのは、大いなる無駄である。そんなことをするくらいなら、屋上池を作る方がずっとコスパがいいだろう。
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どうです。これが私の案です。イケてるでしょ? (^^)v
[ 付記 ]
別案として、「屋根か床を付ける」という案もある。
高さ1〜2メートルの屋根でもいいし、高さ 30センチぐらいの平面で床にしてもいい。いずれにせよ、屋上からは浮かせて付ける。
すると、屋根または床は日光で熱くなるが、その下で陰になった屋上そのものは熱くならない。また、両者の間は、柱と空気で隔てられているので、熱が伝わることもない。
※ ただし、通気を良くしておくことが必要。
これはまあ、「木陰は涼しい」というのと同じ原理である。できれば水分のある葉っぱのようなものがいいが、そうではなく、ただの固体物でも、日除けの効果は十分にある。(遮光性さえあれば。)
《 参考記事 》
→ フラクタル日よけ 新発想のヒートアイランド対策|京都大学
→ フラクタルひよけ|【フラクタルひよけ】LOSFEE
→ フラクタル構造のまったく新しいひよけ!
→ フラクタル日よけ |自然の知恵を応用した全く新しい休憩施設
→ フラクタル日除けー自然は完璧を目指さない | 酒井敏
屋根として太陽光パネルが使われてもいいように思えるのですが、太陽光パネルの日除け効果に着目した実例を知りません。問題があるのでしょうか。
長期的にはペイしますが、初期投資額が非常に高額になるので、資金力がないと困難です。
刑務所にはもちろん無理です。資金力はゼロ同然。
又、太陽光発電事業者に刑務所の屋上を貸して、日よけ効果のみ享受するというやり方もありかなと。これなら応分の負担を法務省に求めればいいはずです。あくまで可能性の話です。
買取価格が下落している今、むつかしいかもしれませんけど。
斜めの屋根に密着する場合は、太陽光パネルが黒くて高温になるので、屋根裏はかえって高温になるでしょう。つまり、逆効果。
平面の屋上に、傾斜した太陽光パネルを独立して設置する場合には、熱の問題は生じません。ただし、屋上だと、台風で吹き飛ぶ危険があるので、この方法は使えません。この方法が使えるのは、地上設置の場合のみ。
いずれも問題があるので、無理っぽいようです。
前項の写真では、刑務所の屋上の面積はすごく広い。大量の すのこ を出したり片付けたりするのは、大変すぎる。
すのこは、個人宅では可能だが、広大な屋上のあるビルでは無理っぽい。
なるほど。目の付けどころがいいですね。
ただし現実には、あまり問題にならないと思います。
・ 屋上はもともと50度以上の高温になるので、水温も 40度以上になると見込まれる。(1日にいっぺんは)
・ 直射日光が浴びせかかるので、紫外線で死ぬ。
一方、その条件が満たされないと、ボウフラが湧きそうです。
・ 建物や木の陰で、水温が高くならない。
・ 水草があって、その陰は棲みやすい。
・ 水深が深くて、水温が上がらない。
こういう条件では、ボウフラの危険があります。夜間または朝には水を抜くといいかも。日が昇ってから水を入れればいい。
ま、普通は「水深1センチで直射日光」という状況では、ボウフラは全滅しそうです。
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ちょっと調べたら、水が停滞していることがボウフラの湧く条件だそうです。そこで、水を絶えず少しずつ流して、水を交替させると、ボウフラが湧かないでしょう。
このことは同時に、水温を下げる効果があるので、屋上の冷却効果も同時に得られます。なかなかうまい方法。