NHK スペシャル「人類誕生」(第3集)という番組があった。これについて講評する。
※ 最後に 【 追記 】 あり。重要。
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このシリーズへの講評は、これまでも述べてきた。
→ NHK 人類誕生 1(講評): Open ブログ
→ NHK 人類誕生 2(講評): Open ブログ
1回目は「デタラメばかり」というありさま。
2回目は「最新の学説の紹介」という感じで、学界公認の見解だが、私の個人的な立場から、「これは間違いだ」と判定した。
いずれにせよ、まともな番組ではなかった。まともだったのは、和久田麻由子アナだけだった、という感じ。
それに引き替え、今回の放送は、特に難点は見当たらなかった。文句の付けようがない。ただし、かわりに、話の内容はあまりにも小規模だった。ちっぽけ、という感じの話題。
それは「人類が日本列島に達したのはどうしてか?」というテーマだ。これまでは世界規模の話だったのに、今回だけは東洋の島国に限定した話。
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話の要旨は、下記に公式サイトがある。
→ NHKスペシャル | 人類誕生第3集 ホモ・サピエンス ついに日本へ!
個人ブログの解説もある。
→ NHKスペシャル 人類誕生 第3集「ホモ・サピエンスついに日本へ上陸!!」
これらを見てもいいが、情報が不足しているようだ。そこで、以下では、私が話をまとめてみよう。
・ 日本に渡来した古代人は、北方ルートと南方ルートがある。
・ 当時は北海道と大陸は地続き。これが北方ルート。
・ 北方ルートでは、極寒の地を渡る必要があった。
・ シベリアで縫い針が発見された。防寒衣服を作成と判明。
・ 南方ルートは、海を渡って来たが、詳細は不明だった。
・ 南方の石垣島で2万数千年前の人骨が大量に発掘された。
・ これは画期的な発見。名称は白保人(しらほじん)」
・ 当時、大陸と台湾は地続きだった。しかし与那国島は遠い。
・ 草舟や竹舟で、船を漕いで渡る実験をしたが、失敗。
・ 丸木舟だと、うまく渡来できるらしい。
・ 丸木舟を作るための石斧は、当時発明されていた。
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これで話は片付いたようだが、そう簡単なわけじゃないぞ、と私は思う。
石斧は、オーストラリアや東南アジアあたりでは発見されたようだが、日本では発見されるのは弥生時代以降らしい。(ググればわかる。)
となると、石斧を使えたという保証はない。「石斧で丸木舟を作った」というのは、あくまで憶測だ。
私としては、どちらかと言えば、「帆船」の方が可能性が高いと考える。特に、「帆船イカダ」だ。竹や、細めの樹木で、イカダを作る。それに、熊などの皮を使えば、帆つきのイカダになる。
そのあと、強い西風の非に台湾を出発すれば、東方の与那国島に到達することも可能だろう。
ちなみに、夏である今現在も、けっこう強い西風が吹く日はある。(関東地方で。)
だったら、台湾からも西風が吹く日はあるだろう。(夏であっても。)
というわけで、「帆船イカダ」で渡来した可能性が高い、と私は考える。
※ 別途、「丸木舟の帆船」という実験もなされたらしい。(なぜか布を使っている。熊の皮革は入手できないからかな。)
※ しかし、「丸木舟の帆船」だと、ものすごく長距離を渡れるはずだ。近くの与那国島に限定する必要はなく、黒潮に乗って、台湾から一挙に日本本土を目指せそうだ。)
[ 余談 ]
ついでだが、風の力というのは、けっこう強い。自転車の抵抗の半分は、空気抵抗だ。風の強い日に、強い風に逆らって前進するのは、大変な苦労となる。逆に、追い風で自転車を走らせると、ものすごく軽々と走れる。
風というのは、これほどにも大きな力をもつのだ。特に、1時間以上の長時間で力を使うとすると、人間の力を上回るだろう。足でなく手で漕ぐ船なんかだと、風の力には負けてしまいそうだ。だからこそ、長距離を渡る船では、帆船の可能性は高いのだ。
[ 感想 ]
今回の番組は、中身は水っぽくて、たいした話はなかったが、私の知らないミニ知識みたいな情報もあって、それなりに興味深かった。
南方ルートについては、後述のサイトなどで知っていたが、具体的な動画が見られたのは、今回が初めてなので、良かった。小粒だがピリリと辛みの利いた、山椒みたいな番組だった。
和久田麻由子さんは、相変わらず美人だった。真野恵里菜は結婚して、日本からいなくなってしまうようだが。
【 関連サイト 】
→ 3万年前の航海 徹底再現プロジェクト
→ 古代ミステリー 日本人はどこから来た 〜徹底再現!太古の大航海〜 - NHK
→ 台湾で竹いかだ航海実験へ 日本人渡来ルート探る - 産経
【 関連項目 】
同じ話題は、本サイトでも論じたことがある。
→ 縄文人と弥生人: Open ブログ
→ 縄文人と弥生人 2: Open ブログ
→ 縄文人のルーツ(本土・沖縄): Open ブログ
→ 弥生人は朝鮮半島を経由したか?: Open ブログ
→ 人類の進化(総集編) 2: Open ブログ
【 追記 】
「台湾からは丸木舟で渡来した」
という説が有力らしいが、ちょっと待った。丸木舟を使うのであれば、台湾から来る必要はなく、東南アジアから来るのでもいいはずだ。(特に、帆を使うのなら。)
番組では、「東南アジアに文化圏があった」「オーストラリアに石斧があった」という話だったから、台湾よりも東南アジア(スンダランド)から丸木舟で来た可能性が高い。
特に、 DNA を見ても、「縄文人(白保人)は東南アジアとの類似性が高い」とのことだったから、東南アジアから渡来した可能性が高い。
結局、番組の実験が示したのは、「台湾から渡来したことの証明」ではなくて、「台湾でなく東南アジアから渡来したことの証明」であったことになるね。……当初の狙いとは逆に。
2018年07月18日
過去ログ
それはそれなりに・・・
かくなれば、新天地を求めた社会的な背景を探りたくなります。
1)大地のあぶれ者
2)流人
3)可能性は少ないが、ニュー・フロンティア
結論がほとんどひっくり返っている。
少なくとも海峡は今より狭かったはずです。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89
・ 南方の石垣島で2万数千年前の人骨が大量に発掘された。
ということは、それ以前に南方からヒトがやってきたわけですが、
その時期によっては、(丸木舟などの)高度な航海技術は不要だったかもしれません。
放送されていましたが、
・ 台湾と中国
・ ロシアと樺太と北海道
・ 東南アジア(スンダランド)
・ 琉球列島の各島
はそれぞれ陸続きでした。
だが、台湾と与那国島とは陸続きでなかった。
なるほど。情報ありがとうございます。
×「東南アジアに石斧があった」
◯「オーストラリアに石斧があった」
日本語の成り立ち
管理人さん 遺伝子から出自 解明されるのも近いでしょうが ことばは 不可解なんです
アイヌ語 遠すぎます
南島語が台湾から拡散したのが3000年前
この列島でどのように成立出来上がったのか知りたいです
→ http://openblog.seesaa.net/article/435849394.html
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