2018年07月18日

◆ NHK 人類誕生 3(講評)

 NHK スペシャル「人類誕生」(第3集)という番組があった。これについて講評する。

  ※ 最後に 【 追記 】 あり。重要。

 ──

 このシリーズへの講評は、これまでも述べてきた。
  → NHK 人類誕生 1(講評): Open ブログ
  → NHK 人類誕生 2(講評): Open ブログ

 1回目は「デタラメばかり」というありさま。
 2回目は「最新の学説の紹介」という感じで、学界公認の見解だが、私の個人的な立場から、「これは間違いだ」と判定した。
 いずれにせよ、まともな番組ではなかった。まともだったのは、和久田麻由子アナだけだった、という感じ。

 それに引き替え、今回の放送は、特に難点は見当たらなかった。文句の付けようがない。ただし、かわりに、話の内容はあまりにも小規模だった。ちっぽけ、という感じの話題。
 それは「人類が日本列島に達したのはどうしてか?」というテーマだ。これまでは世界規模の話だったのに、今回だけは東洋の島国に限定した話。

 ──

 話の要旨は、下記に公式サイトがある。
  → NHKスペシャル | 人類誕生第3集 ホモ・サピエンス ついに日本へ!

 個人ブログの解説もある。
  → NHKスペシャル 人類誕生 第3集「ホモ・サピエンスついに日本へ上陸!!」

 これらを見てもいいが、情報が不足しているようだ。そこで、以下では、私が話をまとめてみよう。

  ・ 日本に渡来した古代人は、北方ルートと南方ルートがある。
  ・ 当時は北海道と大陸は地続き。これが北方ルート。
  ・ 北方ルートでは、極寒の地を渡る必要があった。
  ・ シベリアで縫い針が発見された。防寒衣服を作成と判明。
  ・ 南方ルートは、海を渡って来たが、詳細は不明だった。
  ・ 南方の石垣島で2万数千年前の人骨が大量に発掘された。
  ・ これは画期的な発見。名称は白保人(しらほじん)」
  ・ 当時、大陸と台湾は地続きだった。しかし与那国島は遠い。
  ・ 草舟や竹舟で、船を漕いで渡る実験をしたが、失敗。
  ・ 丸木舟だと、うまく渡来できるらしい。
  ・ 丸木舟を作るための石斧は、当時発明されていた。


 ──

 これで話は片付いたようだが、そう簡単なわけじゃないぞ、と私は思う。
 石斧は、オーストラリアや東南アジアあたりでは発見されたようだが、日本では発見されるのは弥生時代以降らしい。(ググればわかる。)
 となると、石斧を使えたという保証はない。「石斧で丸木舟を作った」というのは、あくまで憶測だ。
 私としては、どちらかと言えば、「帆船」の方が可能性が高いと考える。特に、「帆船イカダ」だ。竹や、細めの樹木で、イカダを作る。それに、熊などの皮を使えば、帆つきのイカダになる。
 そのあと、強い西風の非に台湾を出発すれば、東方の与那国島に到達することも可能だろう。
 ちなみに、夏である今現在も、けっこう強い西風が吹く日はある。(関東地方で。)
 だったら、台湾からも西風が吹く日はあるだろう。(夏であっても。)
 というわけで、「帆船イカダ」で渡来した可能性が高い、と私は考える。

 ※ 別途、「丸木舟の帆船」という実験もなされたらしい。(なぜか布を使っている。熊の皮革は入手できないからかな。)
 ※ しかし、「丸木舟の帆船」だと、ものすごく長距離を渡れるはずだ。近くの与那国島に限定する必要はなく、黒潮に乗って、台湾から一挙に日本本土を目指せそうだ。)




 [ 余談 ]
 ついでだが、風の力というのは、けっこう強い。自転車の抵抗の半分は、空気抵抗だ。風の強い日に、強い風に逆らって前進するのは、大変な苦労となる。逆に、追い風で自転車を走らせると、ものすごく軽々と走れる。
 風というのは、これほどにも大きな力をもつのだ。特に、1時間以上の長時間で力を使うとすると、人間の力を上回るだろう。足でなく手で漕ぐ船なんかだと、風の力には負けてしまいそうだ。だからこそ、長距離を渡る船では、帆船の可能性は高いのだ。



 [ 感想 ]
 今回の番組は、中身は水っぽくて、たいした話はなかったが、私の知らないミニ知識みたいな情報もあって、それなりに興味深かった。
 南方ルートについては、後述のサイトなどで知っていたが、具体的な動画が見られたのは、今回が初めてなので、良かった。小粒だがピリリと辛みの利いた、山椒みたいな番組だった。
 和久田麻由子さんは、相変わらず美人だった。真野恵里菜は結婚して、日本からいなくなってしまうようだが。



 【 関連サイト 】

 → 3万年前の航海 徹底再現プロジェクト
 → 古代ミステリー 日本人はどこから来た 〜徹底再現!太古の大航海〜 - NHK
 → 台湾で竹いかだ航海実験へ 日本人渡来ルート探る - 産経



 【 関連項目 】
 同じ話題は、本サイトでも論じたことがある。
  → 縄文人と弥生人: Open ブログ
  → 縄文人と弥生人 2: Open ブログ
  → 縄文人のルーツ(本土・沖縄): Open ブログ
  → 弥生人は朝鮮半島を経由したか?: Open ブログ
  → 人類の進化(総集編) 2: Open ブログ



 【 追記 】
 「台湾からは丸木舟で渡来した」
 という説が有力らしいが、ちょっと待った。丸木舟を使うのであれば、台湾から来る必要はなく、東南アジアから来るのでもいいはずだ。(特に、帆を使うのなら。)
 番組では、「東南アジアに文化圏があった」「オーストラリアに石斧があった」という話だったから、台湾よりも東南アジア(スンダランド)から丸木舟で来た可能性が高い。
 特に、 DNA を見ても、「縄文人(白保人)は東南アジアとの類似性が高い」とのことだったから、東南アジアから渡来した可能性が高い。
 結局、番組の実験が示したのは、「台湾から渡来したことの証明」ではなくて、「台湾でなく東南アジアから渡来したことの証明」であったことになるね。……当初の狙いとは逆に。


posted by 管理人 at 19:37| Comment(8) | 生物・進化 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
>中身は水っぽくて、たいした話はなかったが
それはそれなりに・・・
かくなれば、新天地を求めた社会的な背景を探りたくなります。
1)大地のあぶれ者
2)流人
3)可能性は少ないが、ニュー・フロンティア
Posted by 和久田麻由子さまさま at 2018年07月18日 15:34
 最後に 【 追記 】 を加筆しました。重要。
 結論がほとんどひっくり返っている。
Posted by 管理人 at 2018年07月18日 19:33
氷河期であれば、海峡を航海でなく、陸橋を徒歩で移動できた可能性があります。
少なくとも海峡は今より狭かったはずです。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89

・ 南方の石垣島で2万数千年前の人骨が大量に発掘された。
ということは、それ以前に南方からヒトがやってきたわけですが、
その時期によっては、(丸木舟などの)高度な航海技術は不要だったかもしれません。
Posted by サクサク at 2018年07月18日 20:37
> 氷河期であれば

 放送されていましたが、
  ・ 台湾と中国
  ・ ロシアと樺太と北海道
  ・ 東南アジア(スンダランド)
  ・ 琉球列島の各島

 はそれぞれ陸続きでした。
 だが、台湾と与那国島とは陸続きでなかった。
Posted by 管理人 at 2018年07月18日 21:59
>だが、台湾と与那国島とは陸続きでなかった。

なるほど。情報ありがとうございます。
Posted by サクサク at 2018年07月18日 22:23
 正誤訂正しました。

 ×「東南アジアに石斧があった」
 ◯「オーストラリアに石斧があった」
Posted by 管理人 at 2018年07月18日 23:39
 言葉を考えると 不思議なんです

 日本語の成り立ち

 管理人さん  遺伝子から出自 解明されるのも近いでしょうが ことばは 不可解なんです

 アイヌ語 遠すぎます  

 南島語が台湾から拡散したのが3000年前

 この列島でどのように成立出来上がったのか知りたいです
Posted by  k at 2018年07月20日 00:14
 日本語の由来については
  → http://openblog.seesaa.net/article/435849394.html

 の (8)
Posted by 管理人 at 2018年07月20日 04:32
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