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西日本の豪雨の死者はすでに 158人。行方不明が 72人。
西日本を襲った豪雨の被害は10日、さらに拡大した。13府県で死者が158人、心肺停止が1人、行方不明や連絡を取れない人が 72人に上っている。
( → 西日本豪雨死者158人、不明72人 避難者は約1万人:朝日新聞 2018-07-10 )
行方不明の多くは死者に参入されそうなので、この分だと、死者は 200人を超えそうだ。前に「最悪では 150人前後」と予想したが、もっとひどいことになる。
ただ、そのなかでも広島の被害が特に多い。
朝日新聞がまとめた10日午後9時時点の府県別の死者は広島 58人、岡山 54人、愛媛 26人など。行方不明者は広島 45人、岡山 21人など少なくとも計72人いる。
( → 西日本豪雨死者158人、不明72人 避難者は約1万人:朝日新聞 2018-07-10 )
ではなぜ、広島の被害が多いのか?
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実は、この件は、前に説明したことがある。広島で特別に豪雨が起こるからではない。広島で特別に洪水の氾濫があるからでもない。広島では特別に土砂崩れが多く起こるからだ。
では、なぜ? それは、こうだ。
「広島では平地が少ない。そのせいで、山裾にまで住宅地が密集している」
実際、今回の土砂崩れが起こった住宅団地「大原ハイツ」 は、山裾に造成されたものだった。そこで4年前にも被害があった。
《 山崩れ、広島また悲劇 造成地、4年前も犠牲多数 西日本豪雨 》
梅河団地や大原ハイツは、いずれも山際の斜面を切り開いて造成された住宅地だ。
広島市では 2014年8月20日未明、広島市の安佐北区と安佐南区にある山際の住宅地で、土砂崩れが起き、77人が犠牲になった。今回も同様の被害が繰り返された。
( → 朝日新聞 2018-07-10 )
この記事では、土壌の問題も指摘されている。
土石流が発生した広島市の現場では、花崗岩(かこうがん)が風化して細かくなった「まさ土(ど)」を含んだ土砂が広範囲に流れ込んでいた。まさ土は粒径が小さく、遠くに流れ出やすい。竹林さんによると、広島県や山口県は花崗岩が多い。
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4年前の事件では、下記で概要を示した。
→ 広島の豪雨・土砂崩れ: Open ブログ
原因と対策については、下記で示した。
→ 広島の土砂災害の対策: Open ブログ
ここでは、「広島は平野部が少ないことが根本的な難点だ」と指摘した上で、対策としては、「山裾に住むことがまずいので、山裾に住むことを禁止する」という基本方針を示した。
といっても、いきなり法的に禁止することは困難だ。そこで、「うまい案」を出した。それは、
「容積率の権利だけを移転することで、山裾から市中心部へと居住権(および居住者)を移転する」
ということだ。
これは、一種の法的な操作であるが、ちょっとわかりにくいだろう。詳しくは上記項目を読んでほしい。
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なお、別の方法もある。広島では、狭い土地に人口が過密状態であることが根本原因なのだから、人口そのものを大々的に移転してしまえ、ということだ。そのためには、マツダという会社そのものを広島の外へ移転してしまえばいい。移転先は、岡山がいい。
→ マツダは広島から離れよ: Open ブログ
これはまあ、実現性は低いのだが、アイデアを出すぐらいならば、構うまい。ひょっとしたら、これは実現するかもしれない。次のような形で。
・ 現在の広島の工場はそのままで、岡山に新工場を増設する。
・ 広島の工場は老朽化するにつれて、廃止する。
・ 30年ぐらいの時間をかけて、徐々に広島に移転する。
こういうことならば、特に不可能ではあるまい。また、岡山には平地がたっぷりとありあまっているので、ここで工場を拡張することで、マツダという会社そのものを大きくすることもできる。効率化することもできる。
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ともあれ、上の項目でも示したように、広島では「土地が足りない」ということが決定的な問題となっている。
関東平野と濃尾平野は別として、日本には平野部があまりない。東北も、西日本各地も、平野部はとても狭いことが多い。特に、今回の被害が大きかった広島と門司は、平野部がとても狭い。そのせいで、山裾にまで人家が密集している。そして、土砂崩れで死者が多数出る。
こういうことは、もともと「都市計画の失敗」という根源的な問題があるのだ。
だから、この根源的な問題にメスを入れて、「都市計画を作り直すこと」が、最も本質的な解決策なのである。
[ 付記 ]
とはいっても、短期的には、それでは間に合わないだろう。短期的にはやはり「避難訓練の実施」が最も有効だ。
→ 豪雨で死者 百人以上: Open ブログ (前項)
https://www.asahi.com/articles/ASL7B43F7L7BPLFA003.html
12日以降は操業再開するが、1直体制にする。つまり、生産は半減。
https://response.jp/article/2018/07/11/311822.html
関東以西には広く分布しています
これですね。
https://www.asahi.com/articles/ASL7D6KCYL7DPLBJ005.html